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某哲也さん講演会 お昼寝投資法[その4 レバリュー投資 幼少期に教えたいこと ]

7/6に開催されました某哲也さんの講演会の書き起こしになります。




その 1    お昼寝投資法[その1 お昼寝投資法ができるまで]

その2 お昼寝投資法の実践 ・メンタル

その3 株と麻雀の類似点 ・期待値と破産確率

期待値と破産確率をまとめますと、
絶対に切り離して考えてはいけないズッ友のような関係です。
期待値だけにとらわれ過ぎず、
破産確率を考慮した上での期待値です。

投資においては破産までいかなくても、
お金でお金を稼ぐものですので、
極端な資金の目減りというのは
絶対に避けなければなりません
ではその話を踏まえてレバリュー投資の話に戻します。


レバリュー投資



レバリュー投資とは、先ほど述べたような
お昼寝投資法の銘柄を現物で持ちつつ、
さらに信用取引を使ってパフォーマンスを上乗せする
お昼寝投資を少し進化させた投資法です。
お昼寝投資法はそもそも現物の底堅い銘柄を集めたもので
さらにそれらを分散して持っており、
株価の急落にも比較的強く、信用取引を使ったとしても
破産確率を限りなく0に近い水準で維持できると思います。

そこで先ほどの破産確率や期待値の話を元に
考えていきたいと思います。
まず、1番期待値がある行動というのは
破産確率ギリギリまで信用取引を使って、
時には維持率を保てず損切りさせられつつも
割安局面では思い切り仕込んで期待値をとっていく
というやり方が1番期待値が高いと思います。

ただし、投資でいう破産確率というのは
計算でしっかりとした数字が出せるものではなく、
しかも破産してしまったら終わりですので



そこが自分で設定した破産との境界線になりますが、
その通り取引していてはたいていの人はメンタルが持ちません。
メンタルが持たないというのは、
まだ破産の可能性があるところまできていないのに
株価の下落に恐怖を感じて損切りしてしまうということです。
狼狽売りを行うと期待値を著しく落としてしまいますので、
破産の境界線を設定したら、そこからさらにはるか手前で
今度は自分のメンタルを考慮して信用取引の限界を決めます。

これは人によってすごくバラツキが出ます。
例えば信用取引を使うと落ち着かないとか、
すぐに怖くなって売ってしまうという人は
信用取引をしないが正解になります。

これは数字的に信用取引を使った方が期待値があるとか
そういうことよりも先にメンタルの考慮が優先されるので
その人にとってはそれが正解です。

逆に、設定した信用取引の範囲内で
狼狽売りをせず株を持てたり、
こうなったら損切りすると決めて信用取引を使って
そうなってしまった場合にはちゃんと損切りできる
というようなメンタルの強い人が信用取引を使うと
パフォーマンスを上乗せしていけるかと思います。

現物取引でもまずは最悪の事態を考えて取引をするのが
大切だと思っていますが、信用取引ではなおさらですので、
何も考えず気軽に信用取引が使えてしまう今のシステムは
すごく恐ろしいことだなぁと思っています。

では実際のトレード例を紹介します。
昨年の9月末から、バリュー株全体を巻き込む
急落相場がありました。

急落相場ではバーゲンセールを拾っていきたいのですが、
この時は中国塗料と名村造船を多く持っていました。
期待値だけの話をするなら名村造船が高かったと思います。
しかし破産確率を考えた場合、名村造船はブレ幅が大きく
ポートフォリオが崩壊してしまう恐れもあったことに対し、
中国塗料は今の株価でも安いと思っていたことや
利回りやPER目線での下支え、月足や日足チャートによる
買いたい人がいそうなラインがあるなど、

いくつもの下支えの理由により底を1200円と予想し
下振れを考慮して1100円まで下落したとしても
破産確率がないと判断したため、
下落したときの含み損に耐えれるのかという
シュミレーションを行い、メンタルが保てると判断して
ナンピン計画の実行にうつりました。
結果は中間決算を機に1277円をつけたのを最後に上昇に転じ、
1600円あたりからパラパラと利確していく
理想のムーブが取れました。

次に失敗したトレードです。
三井E&Sのトレードですが
今年3月に2898円の高値を付けた後、一気に急落が始まりました。
私は元々持ってたものを①の2500円~2300円の間で一旦
利確していて、それは運がよかったのですが、
そのあと2000円を割っても下げがとまらなかったので
さすがに急落によるリバウンドがあるだろうという理由で
②から1400円を底と予想して買い下がりの計画を立てました。

結果は③の時点で1400円を割ってしまい、
その時点で想定外となりましたので
買い下がってきた半分ほどを損切りしました。
結果的にその後も1400円でずっとヨコヨコしているので
リバが一気に来そうという予想も外れており
損切りは致し方なしで完全敗北だったトレードでした。

ただし、負けの場合の損切りやナンピンは計画的に行ったので
致命的な資産の減少は回避できています。

レバリュー投資のまとめですが
バリュー株は底堅い株ですので
そもそもレバをかける余地があって
私自身は常に低倍率のレバを維持して
急落に合わせて少し踏み込むくらいで
ちょうどいいかなと思っています。

ただし、期待値と同時に破産確率を考えることは必須であって、
さらにそこを踏まえての
メンタルが持つかどうかのシュミレーションも必要で、
そこをクリアできて初めて信用取引を使うことを推奨します。

また、破産確率のない現物とは違いますので
想定外の下げに対する損切りなどの対処を
あらかじめ用意することも大切です。

そして当たり前ですが、現物のみでマイナスの場合は
信用使っても使った分以上にマイナスになりますので
少なくとも信用取引は現物でプラスの成績が出せるように
なってから使うのがよいかと思います。

幼少期に教えたいこと


最後に幼少期に教えたいことという話を少しして
終わろうかと思います。
せっかく自分が投資家ですので
子どもにも投資をやらせたいと考える方は多いと思いますが、
1から自分で考えてやれといっても、
さすがにセンスや性格などによって不向きな場合が多くあると思います。

ですが、引き継いだ資産を長期ポジで管理する
ということでしたら、対応できる子も多いと思います。
また投資のいいところは、副業として成り立つことで、
例えば看護師になりたいとか、ケーキ屋さんになりたい
という子でも、両立することができますし、
常に最悪投資家という選択肢があるといった
クッション材にもなりますので、
投資を教えておいて損はないと思います。

以下は、私が投資をやる上で重要と考えていることを
実際子供と取り組んできたことで、
あくまで参考という形でご紹介しようと思います。

まず1つ目ですが、基本として数字が嫌いという子では
投資も苦痛で成り立たないと思います。

また、投資家は簡単な計算をする機会も多く、
ある程度正確な数値をパッと頭の中で計算できると
色んな場面で役に立つと思いますので、
足し算、引き算、かけ算を
幼稚園の年長から土日や長期休暇に取り組んできました。

やり方としては写真の左は足し算の例ですが、
1~9までの数字を縦横適当にかいて
それを足した答えを書いていくというものです。

引き算の場合は、
上の段の数字を14,19みたいに10足した数字にして
上の段から横の段を引いた答えを書いていきます。
幼稚園児の頃、最初は5分以上かかっていましたが、
今では1分ちょっとでできるようになってきました。

時には自分も一緒にやってみるとか、
最速タイムを更新できたら50円おこづかいあげるとか
何かイベントをしてあげると
本人も少しでも早くやろうとやる気が続いていました。

つづいてサイコロ1000回振ってみたで、
これはサイコロを2つ振って遊ぶ
カタンというボードゲームを家族で遊んでいた時に、
本当に7が1番出やすいのか、8と11が結構出る気がする
と娘が言ったのをきっかけに、
じゃあサイコロ1000回くらい振ってみよか、
という話から、夏休みの自由研究として
小2の女の子が朝からドンブリにチンチロリンと
サイコロを投げ入れるという
見てるととてもシュールな感じではありましたが、
1日50回、20日間で2つのサイコロを
1000回振って記録を取るという自由研究を行いました。


結果は概ね期待値に沿った結果となりましたが、
1日単位では7が1番じゃなかった日が半分くらいあったけど、
たくさんやればやるほどグラフがきれいな山の形になる
ということをよく理解できたようで、
期待値を長い目で見るということに対して
いい経験ができたのではないかと思っています。

また、投資家は%という単位と常に付き合うことになりますので
%に小さいうちから慣れてほしいという狙いもありました。

最後にパパ証券です。
これは娘がお小遣いを銀行に貯金した額だけ
バーチャルで高配当株を買ってあげるというものです。

たとえば1万円貯金したら、1万円分の株を
買ったことにしてエクセルで管理します。
このバーチャルで買った株が配当月を迎えると
毎月のお小遣いにプラスして配当金をあげるという制度です。

たとえば三菱商事の株を買うと
3月末と9月末にお小遣いにプラスして
50円ずつ配当金がもらえるというものです。
もちろん分割や増配なども対応しているので、
同じ株を持っているだけで毎年の配当金が増えますし、
お年玉を貯金するとさらに株を買えて配当金が増えます。

ねらいとしては
増配や福利の効果を肌で感じてほしいということと
増収増益のバリュー株といった好業績の銘柄は
持っていれば株価が上がっていくものだということを
小学生という練習期間を使って
若いうちから長期投資の成功体験を積んでほしい
ということにあります。


実際のパパ証券の持ち株ですが、
小学1年の9月に1万8500円の貯金から始めて、
年間配当が686円だったものが、
現在4年生の7月で約3年になりますが、
お年玉の入金や増配によって
年間配当は6099円になりました。

お小遣いは毎月固定で500円なのですが、
配当も月平均500円を超えてきましたので、
実質1000円のお小遣いとなっており、
今後も福利でお小遣いが増えていくと予想されます。
ちなみに取得単価で見た時の配当利回りも
7%を超えているものが8銘柄あり、
ダイダンやグローバルLMは9%以上、
王道銘柄の三菱商事でも7.59%と
たった3年でも増配の効果が大きく感じられます。

評価額に関しても配当を除外して
55,255円の利益が出ており、
持って寝てるだけでも増えていくというのが
実感できるかと思います。

今は私が自分の監視銘柄から買う株を選んでいますが、
そのうち自分自身で四季報を読んでもらって
選んでもらおうかと考えています。
幼少期から教えていきたいことのまとめとして、
投資をするのであれば、お給料がもらえる
社会人となってからが本番かと思います。

ただ、いきなり本番を迎えるよりも
練習期間があったほうがいいのは当然のことで、
小学生くらいからは数字もある程度理解できるので
この期間に何もやらないというのはもったいないと思います。

社会人になって大事なお金で投資をする前に、
長期投資の基本というものを理解しておくことは
大切ではないかと考えています。
幼少期に教えておきたいこととして
私なりの考えを挙げましたが、
実際のところ子育ての答え合わせは数年後といった感じで
これが正解なのかも分かりません。
他の方の意見もぜひ聞いてみたいと思っておりますので、
この後のフリートークや、Xに感想をいただくことで
意見交換などできたらいいなぁという思いです。




講演内容はこれにて終了となります。
本日は大変長い間お付き合いいただきありがとうございました。
今日のような講演会は初めてでしたので、
お聞き苦しい点や資料の見にくさなどあったかと思います。
また講演内容について、なるべく多くの方に刺さるようにと
内容を考えて持ってきたつもりではおりますが、
人によっては内容が当たり前すぎてつまらなかったなど
感じられた方もおられると思います。

その辺につきましては、私を指名したyamaさんに
全ての責任があると思っておりますので
苦情等は全てyamaさんの方にお願いいたします。

ウソですすいません。
どうか、私が怠惰を求めまくって株の知識がないということで
ご理解いただけたらと思います。
このあとは、引き続き質疑応答へとうつります。
事前質問は100を超える質問をいただいております。

全てにお答えすることはできないのですが、
いただいた質問は可能な限り、Xにポストするような形で
お答えできたらとは思っておりますので、
そちらをご覧いただけたらと思います。
それでは引き続き、
ことあともKabu Berryをお楽しみください。
ご清聴いただきありがとうございました。

最後 質疑応答編に続く