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対数チャートの使い方

 こんにちは😊 

 いきなりですが、人気銘柄の比較をしてみます😎。
 株価150円のNTT株が50円値上がりして200円になったとします。また、株価15,000円のニトリ株が500円値上がりして15,500円になったとします。
 上昇価格は10倍違いますが、パーセンテージで見るとNTTは33%上昇、ニトリは3.3%の上昇ですね。
 NTT株を1万株(150万円分)持っていれば50万円の利益、ニトリ株を100株(150万円分)持っていれば5万円の利益になります。同じ150万円分の株を保有していた場合、値上がりの変動幅はニトリの方が大きくても利益はNTTの方が圧倒的です🥰。

 何が言いたいかというと、株投資で重視することはパーセンテージであって、価格そのものの変動幅ではないということです。
 今日はこれをまず頭に入れておいてください🥸。

対数チャート

 株価チャートを見ていると、縦軸が通常(リニアチャート)の目盛りと対数(対数チャート)の目盛りを選べる場合があります。対数というのは高校数学で習ったlogというやつですね。

 この時点で目まいがする人が出てきそうなので詳しい話はやめておきますが🥹、対数チャートというのは縦軸を対数で表したグラフを用いたチャートのことで、イメージは下の図を見てください。(正確には片対数グラフといいます)

対数グラフ(ダイヤモンド社)

 対数グラフは「倍率:パーセンテージ」を示しているグラフだということが分かりますね。

 対数チャートはパーセンテージを示してくれるものだということを頭に入れてください🥸。普段は株式投資に対数チャートを活用していない人が大多数だとは思いますが、ここが大事。

 数学嫌いの皆さん、今日はこの対数チャートで差をつけるお話ですのでガマンしてくださいね😭。

NVIDIAの株価

 皆さん大好きNVIDIAの株価チャートを見てみましょう。
 よく見るチャートは下のチャートですね。2020年以降、恐ろしいスピードで株価が上昇しています🤩。

NVIDIAの株価チャート(2000年~)

 次に同じ期間のNVIDIAの株価を対数チャートで見てみます

対数チャートで見たNVIDIAの株価チャート(2000年~)

 どうでしょうか? 印象が全く異なりますよね🤔。
 対数チャートで見てみると、若干の変動はあるものの、この25年間、ほぼ直線的に株価が上昇しています。
 これが何を意味しているかというと、上で学んだように対数グラフはパーセンテージを示しているグラフですから、「NVIDIAの株価はこの25年間、同じくらいの上昇率を維持し続けている」ということになります。
 10年前の10ドルの値上がりと今年の50ドルの値上がりでは、上昇価格は5倍違っていても上昇率のパーセンテージがほとんど同じなのです。
 ということは、「通常チャートでは急激に上がっているように見える株価は、実は安定的に同じ上昇率で上がっているだけ」ということになりますよね。もちろん、これを実現するためには企業が同じ成長率で利益を増やしていかないといけませんから、NVIDIAがいかにすごい企業かわかります。

 お分かりいただけたでしょうか。株投資で大切な株価の上昇率を見るには、通常のチャートではなくパーセンテージがわかる対数チャートが有効だということです😉。
 理系人間のおじさんには当たり前のことなのですが、職場で話を聞いてみるとこれを知らない人の方が圧倒的多数です。

日経平均株価

 次に5年分(2019.7~2024.7)の日経平均株価を見てみましょう。
 通常のチャートと対数チャートを並べてみます。

2019年7月からの日経平均:通常チャート
2019年7月からの日経平均:対数チャート

 あれ? 違いがほとんどない😅。そう思われたと思います。

 では期間を延ばして75年分(1949~2024)の日経平均株価を見てみます。

1949年からの日経平均:通常チャート
1949年からの日経平均:対数チャート

 どうでしょうか。NVIDIAのときと同じく、通常チャートと対数チャートでは印象が全く異なると思います😉。
 なぜこういうことが起きるかというと、最近5年間の日経平均株価の伸びは過去に比べてそれほど高くなく上昇率が低かったということなのです。上昇率がゼロだったら通常チャートと対数チャートで違いは出ませんよね。
 対数チャートは上昇率(下降率)が大きい状態で連続するほど効果的なチャートということになります。つまり「複利」の効果をうまく表現できるチャートなのです。

複利

 よく「複利の力」と言って株式投資における複利のすごさを強調する人がいますが、実は複利というのは経済にとっては当たり前のことです😎。

 70年前に10円だった中華ソバは毎年6%の値上げをすると、10円✕1.06^70=590円 になります。これが複利ではなくて単利だとすると、10円+(10円✕0.06✕70)=52円 ですが、単利のはずはないですよね。
 経済成長率は複利ですから、企業の成長率も複利になって株価も複利になるのは当たり前です。つまり、安定した成長をしている銘柄の株価は対数チャートで直線状になるということです。
 2024年になって約35年前の日経平均最高値にようやく達しているというのは異常事態で、それだけ日本経済が停滞していたということになりますね😢。

株価の上昇率を対数チャートで見る

 対数チャートの役割がお分かりいただけたでしょうか。
 上でも見たように短期の比較では通常チャートと対数チャートの差はほとんどありません。

 対数チャートが威力を発揮するのは、
  ・長期の株価チャート
  ・株価上昇率(下降率)が高いとき
ということになります
😊

 おじさんのnoteでも度々登場している野村マイクロサイエンスの株価は、2023年秋から急激に上昇した印象を持っている人が多いと思います。
 通常チャートと対数チャートを比較してみると下のようになります。

2019年からの野村MS株価:通常チャート
2019年からの野村MS株価:対数チャート

 この比較から、実は野村マイクロサイエンスの株価は2019年から安定的に同じような上昇率で上昇していて、複利の効果によって急上昇しているように感じることが分かります。
 高成長を続けている企業の株価は、通常チャートで見る株価の上昇値ではなく、対数チャートで株価の上昇率をウォッチすると株価の上昇を事前に見つけることができるかもしれません😊。

 NVIDIAの例でも書きましたが、安定的な株価の上昇率の裏には、企業の利益が同じように上昇を続けている必要があります。つまり利益の成長率を維持して成長している銘柄は急激に株価が上がる可能性が高いというわけです。このような銘柄を見つけることがバリュー株投資の神髄ですので、対数チャートは必須ですね😉。

まとめ

 対数チャートについて解説しました。

 今後どのように対数チャートを使っていけばよいでしょうか?
 大切なことは、分析には様々な方法やツールがあるということを知っておくことです。両方のチャートを見て比較検証してみれば新しい発見があるかもしれません。特に初心者の皆さんは、長期分析で対数チャートが役に立つことを知らなかったかもしれませんが、通常チャートではよく分からないトレンドが対数チャートで見えてくることは珍しくありませんので、ぜひ活用してみてください😊。

 ではまた!😊


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