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草陰に小さい鳩がいる。これは日本ではあまり見ない種類だ。でもこの鳩の名前はおそらくキジバトだと思う。歩きながらネットで検索する。隣にいる妻に腕を引かれる。やっぱりそうだ。これはキジバトだ。でもこれは私が日本で住んでいた近場では見たことがない。私の見当違いか。それまでは鳩をじっくり見たことなんてなかった。鳩は認知していても、鳩をネットで調べてみようと思ったことなんてなかった。それはキジバトだったからなのか、鳩を認知する以上の領域に私が踏み入れたからなのか。妻の声に気づき、2年前に買ったiPhoneSEから顔を上げる。もうそこにはキジバトはおらず、よく見かける、キジバトよりも少し大きな鳩が近くにいた。ここの角で曲がってからもまだまだ続く職場への道。


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