若い時の苦労は買ってでもしろと言ったMさん
大学4年の春。
当時、僕は就活に一切興味がなく、就活という行事に参加していなかった。
大学3年で取った保育士免許を片手に、保育士になる道をぼんやりと考えていた。いや、何も考えていなかった笑。当時は自分でやっていたサークルが大学の全てだったからそれ以外のことはほぼ考えてなかったと思う。
まだ冬の寒さが残る4月、6号館と1号館の間にある広場で僕はある人に電話をしていた。
電話口の向こうで話すのは、沖縄の波照間島で知り合ったMさんだ。
Mさんはキャリアアドバイザーの仕事をしていて、リクナビに確か、居た。
リクナビ、すげぇ!って思ったのは覚えている。
電話口のMさんは言った。
「若い時の苦労は買ってでもした方がいい」
「営業職がいいよ、将来潰しがきくからね」
この2つだけが耳に残っている。記憶力がミジンコ以下の僕でもここだけ覚えている。
当時の僕はぼんやりと「まぁそうなのかぁ」ぐらいにしか思っていなく、営業職に就職もせず、若い時の苦労は避けて避けて今まで生きてきた。
でも今思うことは、Mさんの言うことは真理だったなぁと。
「若い時の苦労は買ってでもした方がいい」
これは正直、若い時にはわからないな、と今になって思う。
大人になって、社会人経験を10年ぐらい積んで、「若い時」を終わらないとわからない。社会人歴が同じなのに圧倒的に差がついている人間を認識しないと始まらないのではいか。
だから、20代のときは「圧倒的に成長できるけど、一見すると大変な仕事」は選ばないし「残業時間がめちゃくちゃ多い仕事」も敬遠されてしまう。
そこには「圧倒的に仕事の量をこなし、質を高め、成長したい」という強い強い、とっても強い意志が必要だからだ。
とはいえ、時代的にも令和の現在、こういった価値観ではなくなってきているのかなーとも思う。
「24時間戦えますか?」というキャッチコピーがあったのは昔の話、今は令和だ。
ただ、逆に言えば、そんな時代だからこそ、「若い時の苦労を買ってした奴」は相対的にとっても強くなるのだ。
僕がもし今、新卒に戻れるならば
「圧倒的に成長できるけど、一見すると大変な仕事」
を選んで圧倒的な成長というものを味わってみたいなぁと思う。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?