「誰かに話を聞いてほしい」という表には出てこない声が、たしかにそこにある
つらい時、悩んでいる時、なんかモヤモヤするって時、好きな人に振られたとき。
自分の気持ちがちょっと雨模様の時。
土砂降りの心模様ではなく、小雨の時でも、ひとは誰かと話をしたくなる。
自分の境遇を、状況を、誰かに話したい。
共有という宇宙に一緒に飛び込む相手を求めている。
解決策やアドバイスなんて求めていない。
ただ、話したいだけ。
ただ、話を聞いてほしいだけ。
ただ、相槌を打ってほしいだけ。
ただ、静かに受け止めてほしいだけ。
そんな夜が誰にでもある。
そんな夜、心の太平洋となりみんなを受け止めるのが
占い師であり
スナックのママであり
barのマスターである。
街灯に集まる夜光虫のように
「話したい何か」があるときに彼らの元に人は集まる。
こんな時は自分のことを圧倒的に理解している友人も悪くないが
逆にこんな時だからこそ、圧倒的に自分を理解していない他人の方が良かったりする。
フラットな目線で相槌を打ちながら話を聞いてもらって店を出る。
帰るときにはきっと、心は少しだけ軽くなって目線も少しだけ上を見れる。
人間はそんなふうに占いスナックやbarを使いながら
ハードな人生をソフトランディングさせているのだろう。
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