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【エッセイ】“コロンブスの卵”が有名な理由を妄想する

アメリカ大陸を発見したコロンブス。あるとき「大陸発見なんて誰にでもできることだ」と言われた。コロンブスは「誰か卵を手を使わず立たせることはできるか」と質問するが、誰にもできなかった。そしてコロンブスは卵を勢いよくテーブルに叩きつけ、卵の尻を壊すことで卵を立たせた。

このエピソードから、簡単に見えることでも、最初に成し遂げるのは難しいことを“コロンブスの卵”と言う。

コロンブスの卵

このエピソードは実際にあった話ではない、という説の方が有力らしい。しかしそれでも”コロンブスの卵“という言葉は有名だ。
代替する表現がないことも大きいのだろう。「簡単に見えることでも偉業を成し遂げるのは難しい」というのは簡単だが、それに合わせたエピソードがないとピンと来ない。実際「卵を立たせてみろ」と言われてこんな方法で立たせられる人はいないだろう。「卵が壊れてはいけない」なんて言ってはいないので、少し意地悪クイズっぽさは感じるが。

個人的にこの言葉がメジャーな理由は、先に加えて音の響きにもあると思っている。
「コロンブス」と「卵」 音の響きに、関係性を見出してしまうのだ。
そう、卵が転がる音は「コロン」である。コロンブス。これは言葉が定着した理由と関係がありそうに思える。
例えばもしアメリカ大陸を発見したのはナポレオンだったら、ナポレオンの卵……あ、これはこれでスパゲティと関連づけてしまう。ナポリタンだが。ザビエル。ザビエルだ。ザビエルの卵だったらここまで定着しなかったと思う。知らんけど。ザビエルの卵はなぜかカエルの卵っぽさがある。立たせられるか、そんなもん。

まぁなんにせよ、コロンブスという名前は日本語の感覚からするとかわいげがある。しゃかりきコロンブス、なんて歌詞も存在するぐらいなのだから、それは間違いない。たぶん。



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