象印の炊飯器がすごい~鹿之富士~

今朝、先日に放送されていた「カンブリア宮殿」を録画で視聴した。
家電メーカーの象印の炊飯器について触れられていた。
もちろん象印の歴史や現社長の経営方針など経営学的な観点からも企業を学ぶことができるのがこの番組の特徴だ。

スマホと連動する多機能炊飯器や内釜をこだわった炊飯器など、電気家電店に足を運ぶと大量の炊飯器の陳列に出会う。かっくもバリエーションが豊富だ。
その中でも8万円以上の高級炊飯機で圧倒的に売り上げが高いのが「炎舞炊き」。「炎舞炊き」は2018年に発売され5年で累計62万台出荷された。


では、他の炊飯器と一線を画している「炎舞炊き」の所以は何か。それは炊飯器の構造にあるそうだ。
炊飯器の心臓部はIHコイルである。IHコイルはInduction Heatingの略称で構造はコイルに電気を流すと磁力が発生し、その結果電磁誘導(フレミング左手の法則)により渦電流が発生する仕組みとなっている。
一般の炊飯器はIHコイルが一つ設置されている。しかし「炎舞炊き」にはIHコイルが6つも備え付けられているのだ。

かまど炊きの方がおいしくお米を炊くことができるが便宜上渋々炊飯器を利用せざるを得ない方もたくさんいらっしゃることだろう。そんな現代人ならではの悩みを払拭すべく「炎舞炊き」開発者はかまど炊きに着目した。
赤外線カメラを用いてかまど炊きを分析したところ沸騰中の釜内の温度は均一になっていないことが判明。これは焚火の炎の揺らめきによるものである。温度差により釜内でお米の対流が発生することでコメの表面のでんぷん質がはがれやすくなる。このでんぷん質こそ甘味のもとなのである。

釜内での現象を炊飯器の中で再現するために6つのIHコイルが備え付けられ、コイルの温度に差をつけているというわけだったのだ。IHコイルの設置製造過程での人件費が嵩むことからは結果として値段が高めというわけ。納得。
精算数を減らしてでもおいしさを追求する象印マホービンの熱意を感じる。その熱意は装い方にも表れている。
現社長の市川 典男によるとおいしいご飯なるものがあるそうだ。
お米をつぶさないようにかき混ぜる・・・甘い!!!!
ご紹介しよう。
炊きあがったらすぐにご飯を四分割にする(ピザで表すと🍕×4)→ワンブロックを隣のブロックに寄せ、切り崩すようにほぐす。これの繰り返し。しゃもじですくい、茶碗にスライドさせて完成。

象印マホービンは1818年に創業され総従業員数は1300名ほど。主に水筒や炊飯器を中心に調理家電を手掛けるメーカーである。市川の祖父が起こした町工場からはじまった。東南アジアへ主に輸出しており、現地にゆかりのある象を企業ロゴとした。今や40を超える国や地域に進出している。
1989年にブームを巻き起こした美顔器を発売するも時すでに遅し。発売時にはすでにブームが去っていた・・・という失敗もあり業績は悪化。1986年には創業以来初16億円の赤字を抱える。一時は古い認識を払拭して業績改善するべく象マークを商品ロゴから外したこともある。
そんな中で社長に就任した現社長の市川典男は家庭用品メーカ―としての原点回帰を目標に掲げる。商品の本質を見極め製品開発をするという姿勢から誕生したのが「炎舞炊き」なのだ。



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