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地下アイドルオタクが主現場を持つということ

主現場、それは人生。

地下アイドルオタクのかべのおくです。


地下アイドルオタクの用語に、「主現場(しゅげんば)」という用語があります。他の分野のオタクに通じるのかよく分からないのですが、「主現、どこなん?」みたいな感じで使われます。

ところで、主現場ってなぜ必要なんでしょうか?最近対バンライブが多く、期せずして色んな現場を目にする機会があったので、それを踏まえて考えてみることにしました。


オタクは主現場を持つべきなのか?

正直な話、主現場の定義は曖昧です。便宜的には、複数の現場に出入りしている中でも、一番コミット率が多い現場、と考えるのが納得がいく気がしています。

しかしオタクによっては、通っている頻度がほとんど同じで「主現場候補」が複数ある場合もあるでしょう。じゃあ、わざわざ主現場を明確に名乗る必要などあるのでしょうか?


僕は「便利だから『主現場』と呼べる現場を決めておいた方がいい」と考えています。主現場を意識していれば「あなたは何のオタクなの?」という問いかけに答えやすいからです。


またこれはDD気質なオタクの一意見ですが、現場の楽しさ度合い・好き度合いに濃淡が生じるのは自然なことです。色んな現場に通っていると、

「メンバーはかわいいんだけど、ライブは今ひとつだな…」
「ライブは楽しいんだけど、オタクの雰囲気がちょっと…」

みたいに、好き好みはどうしても生まれてきて、一番居心地のいい現場が明らかになってくる感覚があります。


ともあれ、一言でオタクの自分を説明する手段として、主現場を持たない手はありません。

主現場はオタクのアイデンティティの結集なのです。


主現場は相対的

主現場は、時と状況によって変わるものだと思います。実際に行っている現場が変わらなくてもです。それは、「誰に聞かれたか?」に強く影響を受けるからです。


先ほども言った通り、地下アイドルオタクは複数の現場を掛け持ちしているのが普通です。そもそも対バンに行って、1つのアイドルしか見ないのはコスパが悪すぎます。

であれば、自分を説明するのに一番都合が良い答えを用意すべきで、それは聞く人、つまり

  • オタクじゃない人

  • 他の分野のオタク

  • 地上のオタク

  • 地下のオタク

  • 初対面のアイドル

など、説明する相手によって、主現場の言い方は変わることでしょう。そもそも「主現場」という用語を知らないかも知れません。


たとえば、

  • アイドル現場

  • 地下アイドル現場

  • 事務所(ハロプロ、坂道、スタダ、ディアステージ…)

  • グループ名(アンジュルム、乃木坂、ももクロ、虹コン…)

これらは、どれも「主現場」になりえます。結局大事なのは、相手の知識がどのくらいで、自分をどう見られたいか?だと思います。


「本気になる」現場が主現場

このように主現場は外向きの役割だけでなく、「内向きの主現場」も存在していいと思います。それは自分が本気を出してライブを楽しむ、つまり「ブチ上がると決めている現場」としての役割です。


これを決めておく理由は、何かを好きでいるためにはエネルギーが必要だからです。僕はアイドルに対して、「その子じゃないといけない」という優位性はあまりないんじゃないかと思います。

ほとんどのオタクの推しや主現場は、たいてい別のアイドルやグループで代替可能です。


そうでないと、僕が推しメンを取っ替え引っ替えしながら長い間オタクをやっている説明がつきません。今推しているアイドル達も、主現場だと思って通ってる現場も、実はたまたま出会っただけ、つまり偶然なのかもしれません。

しかし、その偶然に救われたこともありましたし、アイドルオタクじゃなかったら味わえなかった感動や思い出も沢山あります。そして不思議なことに、楽しいに至る過程のつらかった思い出も「あれもいい経験だったな」とオセロのようにひっくり返る感覚があるのです。

つまり、オタクがオタクを楽しく続けるためには、「自分はこれが好きなんだ」という半ば強制的な思い込みや胆力のようなもの必要なのだと思います。


その意味で主現場を決めておくとは、オタクが主体的になって楽しむための覚悟、のようなものなのではないでしょうか。


おわりに

まとめます。


好きになることから、逃げていないか?


以上です。

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