24.恒星間旅行
地球の西暦でいう2017年10月。私達は恒星間旅行のツアーに参加していた。ツアーは大型の恒星間旅行用の船に乗り、太陽系の地球で降り、そこで観光して帰るというシンプルなものだ。
ツアーは途中途中幾つかの惑星を観光しながら進んでいたが、最終的な目的地である地球に近づいていた。ここでは、知能を持った生物が暮らしているという。
「それにしても、本当に遅いよなぁ。船の進みが遅すぎるよ。これじゃ歩くスピードよりも遅いだろ。」
「船を停泊させるのと、再度出発させるには膨大なエネルギーがいるだろ。船がゆっくり進んでいるうちに、地球を観光して戻ってこれるんだから、このスピードになってるのは仕方ないよ。」
「まあ、分かってるけど。それにしても遅いなぁ。」
というわけで、私達は地球に降り立った。事前情報の通り、人間という生物がいた。大自然、建物多くの観光地に足を運び私達は観光を楽しんだ。
「でもなんで、全ての生物や建物は動かないんだ?」
「いや、動いているはずだよ。あまりに動きが遅すぎて、止まっているように見えているだけだ。」
一方、私達の観光が終わり、地球を離れた後、地球上の生物である人間はオウムアムアという天体の発見に湧いていた。
そして、後から確認された事象として、その天体が通過した時、地球上の全地域で写真に黒い影が映り込む現象が多数報告されたという。
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