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‘’楕円‘’の美しさに救われている

シンガーソングライター寺尾沙穂さんの「楕円の夢」という曲があります。

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私の話を聞きたいの
ほんとはどちらか聞きたいの
どちらもほんとのことなんだ
そんな曖昧がすべてだと

明るい道と暗い道
おんなじ一つの道だった
あなたが教えてくれたんだ
そんな曖昧がすべてだと

明るい道と暗い道
狭間の小道を進むんだ
あなたが教えてくれたのは
楕円の夜の美しさ
(楕円の夢/一部抜粋 作詞・作曲 寺尾沙穂)
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この詩は花田清輝氏の「楕円幻想」からインスピレーションを受けて制作されたとのことです。(「楕円幻想」は氏の「復興期の精神」というエッセイ集の中にあります。)

「楕円」は2つの支点を持つ円。その2つの支点をどちらもないがしろにすることなく、無理に正円を目指すことなく、天体の軌道のような美しい軌跡を描きます。


この曲を聴くと、楕円の美しい軌跡が心に浮かびます。
中途半端と悩むことなかれ、曖昧を曖昧のままに、受け入れること。


「仕事も育児も、どっちつかず。」
そんな中途半端な自分を責めるのではなく、別の角度から、美しく見える視点を、新たに教えてもらいました。
「それでも精一杯やっている。」
そんな自分を認めたかったのかもしれません。
中途半端が悪いことではない。
むしろどちらかをないがしろにする方がいけない。
何か一つに全力を傾けられる人は限られていて、大抵の人はいろんなもの狭間で、揺り動きながら生きているのだと思います。
そんな人すべてを、楕円の美しさが肯定してくれているような、そんな風に感じました。


この曲を知ったの3年程前ですが、定期的に聞きたくなります。
私の心の根底を、静かに支えてくれています。




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