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#4 鈍色と、傘の雫と、ネオン街(140字小説)

雨は嫌いだ。心の傷に雨が染み込むから。
雨は嫌いだ。傘をさしてるのに視界がぼやけるから。
雨は嫌いだ。傘の雫越しのネオン街は鈍色の私の心を奪うから。
やっぱり私は雨は嫌いだ。
頬を伝う雫を傘が隠してくれる。
誰にも見えない私の雨。
この雨がいちばん嫌いだ。

つらみ。


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