「集客」という言葉の罠
「集客」という言葉は、誤解を生みやすい。
その誤解を今から解いていきます。
「集客」なんてありえない
マーケティングとか販促とかに縁がない人にも「集客」という言葉は耳馴染みがいいらしい。
「SNSで集客しなくっちゃ」とか、平気でおっしゃいます。
でも、この言葉を真にうけると痛い目に合います。
なぜなら「集客」なんてありえないから。
「集客」つまり「客を集める」と書きますよ。
この言葉を見ると、この世のどこかに「客」という人種がいて、その人たちを集めて来さえすれば商品は売れていく、そんなふうに思えませんか?
バカ言っちゃいけない。
「客」なんてどこにもいないんですよ。
あなたの「客」とは誰のことか?
あなたが、何でもいい、商売を始めたばかりだとします。
だったら、あなたには客はいません。
自分の手でビジネスをやったことのない人は、商売をこんなふうにイメージしてはいないでしょうか?
あなたが会社を辞めてラーメン屋を始めます。
退職金をはたいて開店した店の看板を見て「ちょうど昼時だしラーメンでも食べていくか。新しい店だし」と、何人かの人が来店してくれる。
最初は来店客も少ないけど、あなたの作るラーメンの味が評判を呼び、少しずつ客が増えていく。
こんなこと、ありえないですよ。
実際には、人通りの多い目抜き通りの路面店なんかテナント料が高くて借りられない。
ほとんど人の通らない裏通りの雑居ビルの2階でひっそりと開店するのがせいぜい。
看板出しただけで客が入るなんてこともない。
ラーメン屋に喩えましたが、講師業でも同じことです。
客が来ないのはなぜか。あなたには「客」なんかいないからです。
「客」は作るもの
どこかに既に「客」が存在している、という考えが間違っているんです。
世間の人は
誰もあなたが何者だか知らない
誰もあなたが何を売っているか知らない
誰もあなたに興味を持っていない
というのが現実なんです。悲しいことに。
そんな人たちを何万人集めてきたって、商品なんか一個も売れないことは想像つくでしょ。
だから「集客」という言葉じたいが間違いなんです。
「客」は作らない限りどこにもいないんですよ。
「客を作り出す」
さっきのラーメン屋の喩えに戻りましょう。
「客が来ないんならチラシでもまくか」
と考えるのが普通ですね。
これは「客を集めるため」でしょうか?
違うと思いますね。
あなたのラーメン屋に興味を持ってもらうための手段でしょう。
「客」ではなかった人たちに、一時的にでも「客」になってもらうために、チラシを渡すのでしょう。
そのチラシには何を書きますか?
自分の作るラーメンが、いかに味にこだわって作っているか。
いかにも美味しそうな写真なども載せて、興味を引き出す工夫をしますよね。
客を「集めている」のではなくて「作り出している」と思えばいいですね。
チラシを見て、あなたのラーメンに興味を持った人は、その瞬間から「客」になるんです。一時的な興味かもしれませんけどね。
だから「集客」なんて考えはやめてください。
存在してないものを集められるわけがない。
どうやったら自分の客を作り出せるのか、と考えれば答えが出てきます。
先生たちの間違い
対面で小さなお教室をやってきた先生なんかも、こういう誤解をしてることが多いようです。
「自分には客がついている」と思ってる。
たしかに何人かは客がいるんでしょう。
だから新たに客を作り出そうとしない。
そうすると、今いる客にしか売れない商品になってしまう。
そうして小さな世界で完結してしまって満足ならばそれでいいですけど。
「集客できないんです」と嘆くのは筋ちがいだと思います。
「商売」って言葉を使ってきましたけど、先生ビジネスでも同じですからね。
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