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動画教材に音楽って必要ですか?【第3章動画教材の編集】

動画教材を作る時に、あなたは音楽をつけますか? 
それとも音声の解説だけですか?
そもそも音楽をつける意味ってなんでしょうか?

動画に音楽は必要か?

動画には音楽がついているものだ、と思いこんでいる方もいます。
対面のハンドメイド教室でいつも音楽をかけて授業をしているので、オンラインでもやっぱり音楽をかけたいのだ、とおっしゃった先生もいました。

私も動画教材を作る時には音楽をつけたり、つけなかったり、いろいろです。

そもそも動画に音楽をつける意図はなんでしょうか?

私は、かつて講座で動画に音楽をつける意図についてこのように教えていました。

ノイズ隠し

音声を録る時に、立派な同時録音対応スタジオを使わない限り、周辺の雑音(ノイズ)は一緒に入ってきてしまいます。

静かな環境なのか、騒音の多い環境なのかによっても違いますが、音声だけの動画コンテンツであっても、ノイズが気になることはあります。

ノイズと音声が同じくらいのレベルだったら、ノイズだけを消すことは困難です。
しかし、ノイズの音量が音声にくらべてずっと低くても、気になることはあるんです。

こうした時にどうするかというと、ノイズよりやや大きめの音量で音楽を重ねると、ノイズが気にならなくなる、または聞こえなくなるという現象があります。

マスキング効果と呼ぶことがありますが、より大きい音量の音が、低い音量の音を覆い隠す心理的な効果があるのです。

だから、ノイズを隠すために、という意図で音楽を重ねることがあります。

映像の推進力を作る

わかりにくい表現で申し訳ありませんが、音のリズムは動画を見せていく上での推進力(見続けようとする力)になります。

例をいいますと、一連のもの作りの作業を見せていったとしましょう。
ずっと音声解説が続いていたら、その声のリズムで動画を見続けようという気が起きます。

しかし、ところどころに音声解説が入るだけだったらどうでしょう。
声が入らない部分では、集中力が切れて動画を見続けようという気が薄くなりませんか?

こういう時には音楽の力を借りることで、推進力をもらうことができます。

ですので、音声解説が入らず作業だけを見せていくような動画であれば、音楽がついていたほうが学習効果が上がると考えられます。

私は、こういう時はあまりメロディものの音楽を使わず、リズムが勝った音楽を使うのが定番でした。

音楽を使った演出

映画やドラマには劇伴といって音楽がつきものです。
この場合の音楽は、演出の一環だと考えています。

シーンごとの雰囲気を作り出したり、映像にはないニュアンスを付け加えたりすることが、音楽によってできます。

ただ、動画教材ではそういう演出はあまり必要ないと、私は考えています。

動画教材は知識やスキルを伝えることが目的ですから、雰囲気を盛り上げるような演出はさほど必要とされません。

もちろん使ってはいけないことはないのですが、控えめであるべきだろうと私は思います。

著作権に注意!

音楽をつける、というとお気に入りのアーチストの曲をつけたい、と考える方がおられます。

結論から先にいうと、メジャーなアーチストの曲を使用することはやめてください。
著作権侵害になり、場合によっては訴えられる可能性もあります。

たとえアーチスト本人と知り合いで直接使用許可をもらえたとしても、曲の権利はアーチストだけにあるのではありません。

メジャーアーチストの場合、いわゆるレコード会社に所属しており、会社の費用で楽曲を制作しています。
この場合、著作権以外に原盤権という権利がレコード会社に発生します。

ですから、動画で使う音楽は「ロイヤリティーフリー」と明記してある音楽を使うべきです。
さらに「ロイヤリティーフリー」の中でも「商用利用可」と明記してある曲を使ってください。
中には「個人的利用に限り許可」と書かれているケースもあります。

ロイヤリティーフリーの音楽は、インターネットからダウンロードして入手できます。
もちろん有料のケースもありますが、無料でロイヤリティーフリーの音楽がダウンロードできるサイトもあります。

動画編集ソフトじたいの中にある程度の楽曲が用意されている場合もありますが、これらは基本ロイヤリティーフリーの音楽であるはずです。

動画編集ソフトで音楽(BGM)をつける

動画編集ソフトを使えば、編集した動画に音楽をつけることができます。
この場合動画を編集する時と同じような手順を踏むことになります。

音楽素材を読み込む

インターネットからダウンロードしてきたような音楽ファイルは、いったん動画編集ソフトの「メディア」の中に読み込む必要があります。

たいていの動画編集ソフトはドラッグ・アンド・ドロップに対応しています。
音楽ファイルをフォルダなどから動画編集ソフトの「メディア」に投げ込んでください。

タイムラインに音楽を配置する

タイムラインにはビデオトラック以外にオーディオトラックという音のトラックがあります。

音楽を配置するのはこのオーディオトラックです。
動画編集ソフトではたいていオーディオトラックはビデオトラックの下にあります。

ドラッグ・アンド・ドロップで、ビデオトラックの下側に音楽を持っていきましょう。

音楽素材も、動画と同じようにトリミングしたり、中抜きすることが可能です。
編集して、タイムライン上に適切に配置しましょう。

音量調整をする

動画教材は音声解説のほうが主役ですから、音楽はぐっと音量を下げてください。
音楽は音声の後ろにかすかに聞こえるぐらいがちょうどいいのです。

音量調整のしかたは、素材(クリップ)単位でやる場合と、トラック単位でする場合があります。

音声解説が入ったとおもったら、しばらく間が空いたりするようなコンテンツがあります。

こういうコンテンツでは、音声が入っている時だけ音楽の音量を下げ、音声が終わると音楽の音量を上げるようなスタイルをとったほうがよいことがあります。

これは手動でやることもできますが、フィモーラなどの動画編集ソフトでは「ダッキング」と言って、別のトラックに音声が入っている時だけ、音楽の音量を自動的に下げるような機能がついています。

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