動画教材の企画第1ステップ「対象者を絞る」
「内容」から出発すると良い教材にならない
動画教材を作ろうとする時、「内容」から考え始めようとしたとする。
たとえば「Excelを教える教材」を作りたい。
もう少し絞りこむと「Excelのマクロ」を教えたい。
さらに目的性を付加すると「Excelのマクロを使うと、経理処理が飛躍的に便利になることを伝えたい」
このこと自体は問題ではないのだが、「誰に」が特定されていないと、ただソフトの使い方を教える教材にしかならない。
Excelを使える人は数多いから、同じことを教えようと考える人も多いはずだ。
ひょっとすると、同じ手順で教えてようと考えるかもしれない。
「内容」はちょっと脇に置いて、まず「自分は、誰にそれを教えようとしているのか?」という自問自答をしてみよう。
答えは出ているだろうか?
「誰に」を考えることは重要
まずは「誰がその内容が必要としているのか?」と考えてみる。
「仕事というのは、誰かの不足(不満・不便・その他不のつく言葉)を解決することだ」という言葉がある。
自分が教えようとしている内容が、誰の「不」を解決できるのか? と考えてみよう。
冒頭にあげた「Excelのマクロで経理処理を飛躍的に便利にする」という内容であったとしても、相手によってその内容は違うはずだ。
相手が、中小企業の経理担当者なのか、個人商店主なのか、フリーランスなのかによっても、経理処理の内容は異なるはずだ。
さらには、主婦がつける家計簿も一種の経理処理だから、同じことが言える。
まず「誰のためにその教材を作るのか」を明確にしよう。
絞り込むほど客は増える
「絞り込んだらそれだけ購入者が減るのではないか」という疑問が浮かぶかもしれない。
たとえば対象者を「フリーランス」と絞り込んだ場合、他の人が対象から外れるため、動画教材を購入してくれる相手が減ってしまいそうに思う。
ところが、絞り込むほど購入者は増える。
なぜならば「経理処理をExcelのマクロで便利にしよう」というテーマだと、多くの人が自分ごとだと思わないからだ。
これが「フリーランスの経理処理を飛躍的に便利にする」というテーマなら、振り向く人が増える。
フリーランスにとって経理処理は厄介事であり、できればやりたくないが、そうもいかない事柄だからだ。
その厄介事である経理処理が飛躍的に便利になるのであれば、少し興味が湧いてくる。
飛びつくとまではいかなくても、少し話を聞いてみようという気が起きるかもしれない。
「誰に」を特定しない「内容」から出発した動画教材は、結局振り向かれる可能性が低いのだ。
「誰のどんな問題を解決してあげる」という発想
さらに「誰に」を考えてみる。
誰もが、何かしらの問題を抱えている。
その問題を解決することに、多少のお金なら払ってもいい、と思っているかもしれない。
ならば、「誰に」だけでなく「誰のどんな問題を解決できるか」というところまで切り込んでみよう。
先のExcelマクロ教材なら、フリーランスの経理処理に特有の問題をリサーチして、そうした経理処理にどういったマクロを組み込んだら、フリーランスが経理処理にさく時間を軽減できるか、まで考えてみる。
そうすると、教材購入者のフリーランスは、自分の頭で考えてマクロを組み込む必要がなくなる。
教わったとおりにすれば経理処理にさく時間を飛躍的に軽減できる、ということだ。
バリエーションも作れる
このように考えていくと、ひとつの「内容」から複数の動画教材を作り出すことができる。
つまり、バリエーションがいくつも作れるのだ。
「誰に」「誰のどんな問題を解決」という部分を別の対象に置き換えて考えていけばいい。
そうすると、伝えているテクニックは同じながら、扱っている経理処理やサンプルの違いだけで、いくつも動画教材を作り出すことができるようになる。
あなたは「誰に」その内容を伝えたいですか?
動画教材を作ろうとするなら、まず「誰にそれを伝えたら喜ばれるだろうか?」と自問自答してみよう。
相手を特定したら、その人たちが抱えている問題をリサーチしてみよう。
自分の抱えている知識(ノウハウ・スキル)でその問題を解決できるかどうかがわかるだろう。
その問題を自分が解決できると思うなら、そのやり方を動画教材で伝えたらよいわけだ。
そうすることで、喜ぶ人が増え、動画教材は売れる。
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