トランジションっていつ使うの?【第3章動画教材の編集】
動画編集ソフトを開いたら「トランジション」という文字が目についたけど、意味がよくわからないので触ったことがない。
これって何ですか?
トランジションは動画と動画の間の切り替え効果
「トランジション(Transition)」という言葉を英和辞典で引いたら「移り変わり、移行、変遷、変化、過渡期、変遷期、変わり目」などと出てきます。
動画編集用語としては「Aという動画からBという動画へ切り替わる時にかける効果」という意味で用いられます。
動画編集ソフトのタイムライン上で、Aという動画とBという動画をならべたとします。
特に何もしなかったらAの動画が終わったあと、一瞬でBの動画に切り替わります。
このことを「カットつなぎ」といいます。
しかし、動画と動画のつなぎ目にはいろいろな効果がかけられるのです。
それを総称して「トランジション」と呼んでいます。
他ではあまり聞かない言葉ですね。
トランジションにはどんな効果があるの?
動画編集ソフトの「トランジション」のコーナーには、たくさんの効果のサムネイルが並んでいると思います。
トランジションの代表的なものにはどんなものがあるんでしょうか?
ディゾルブ(クロスフェード)
ディゾルブはもっとも基本的なトランジションです。
動画が切り替わる時、ふわっと混ぜ合わされるように変化します。
時間をかけてAの動画が消えていき、Bの動画があらわれます。
ワイプ
ワイプは、Aの動画とBの動画のつなぎ目が画面を移動していきます。
画面上を掃く(ワイプする)ようにつなぎ目が移動することからワイプと呼ばれています。
つなぎ目のパターンや移動にはたくさんのバリエーションがあります。
たとえば、円の中に次の動画の一部が表示されその円が大きくなってくる丸ワイプ(アイリスワイプ)や、つなぎ目が波のように押し寄せるリップルワイプなどです。
つなぎ目をぼかしたり、反対につなぎ目に色のついた線を入れるワイプもよく用いられます。
ページめくり
ページターンとかページカールともいいます。
本のページをめくるようなトランジションです。
これも、めくる角度やめくれたページの裏側をどう描写するかなどでバリエーションがあります。
3D系トランジション
立体的な動きをするトランジションもあります
これらトランジションは、動画編集ソフトによって個性があります。
動画編集ソフトのメーカーはトランジションの数やバリエーションを競うようなところがあって、数が増えていくことが多いです。
トランジションはどんな時に使うのか?
動画編集ソフトの使い始めは、面白くなってついついトランジションを多用する傾向にあります。
しかし使い慣れるほど、使うトランジションの数は減ります。
プロになると、決まったいくつかのパターンのトランジションしか使わないことが多いです。
これはトランジションをかけなくても、カットつなぎで成立する編集はその方がスピーディで伝わりやすいからです。
では、どんなときにトランジションを使うのでしょうか?
私の経験では、3つの意図があります。
カットつなぎのショックをやらわげる
カットつなぎをした時に、つなぎ目でややショックを感じたり、唐突感を感じることがあります。
これは、ほぼ同じような絵面で、サイズや人物の配置などが違う場合に起きます。
こういう場合に多く使われるのはディゾルブです。
時間の経過や場所の移動を明示する
視聴者に「ここで時間が少し経過しましたよ」とか「別の場所に移動しましたよ」ということを意識してもらうためにトランジションをかけることがあります。
私の場合は、時間の経過を示す時などによく横ワイプを使うのですが、その時にはつなぎ目に白い線などをわざわざ入れることがあります。
画面上を線が横切っていけば視聴者は必ず気づくので、ここで時間が経過しているんだ、時間がつながっていないんだ、と意識してもらうためです。
チャプター(章)やパートの区切り
動画じたいを複数のチャプター(章)に区切って作るときがあります。
この時は、ひとつの章が終わって、新しい章がはじまるのだ、ということを視聴者に意識してもらうために、トランジションを入れることがあります。
私の場合は、こういう時によく紙芝居のようなスライドアウト(画面が右に引き抜かれていって、下から次のチャプターが登場する)を使っていました。
画面をいったん白などにフェードアウトして(黒にフェードアウトすると全編の終了と思われる)から、新しいチャプターを始めてもいいのですが、トランジションのほうがスピーディですね。
トランジションを使う上での注意点
トランジションは多用すべきものではありません。
できるだけ数を少なく使うようにしてほうが、効果的です。
また(バラエティ的な狙いでない限りは)トランジションの種類もあまり数多くしないことが大事です。
ひとつの作品の中では、せいぜい3~4種類にとどめましょう。
それと「こういう場合は、このトランジションを使う」と自分なりのルールを決めて使うと、視聴者を混乱させることがありません。
雰囲気でいろいろな種類のトランジションを使ってしまうと、視聴者が混乱してしまいます。
動画教材の場合は特に、ここぞという時にだけトランジションを使う程度で十分です。
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