【短編小説】東京が好きだ。
生まれは兵庫。
そして育ちも兵庫。
地元が大好きで、友人も多かった。
地元が一番。それは今も変わらない。
そんな私が大学で上京した。
東京は夢の街だった。
SNSは、グリーとかミクシィとかデコログとかその程度の時代。
ちょうどスマホが出始めて、Twitterが流行りだした時だったか。
とにかく東京はテレビの世界だった。
私は視野が狭かった。
ずっと兄を追いかけていたからだ。
兄の進んだ足跡をたどるように追いかけた。
いつまでも後ろにいて、
いつまでもついていくと思ってい