見出し画像

蜷川実花「瞬く光の庭」展

東京都庭園美術館について

東京都庭園美術館で開催されている蜷川実花の「瞬く光の庭」展を訪れた。
本美術館は朝香宮家の邸宅を美術館にしたものであり、アール・デコ様式を取り入れた歴史的建造物として国の重要文化財に指定されている。
また、その名の通り美術館の周りには大きな庭園が築かれており、西洋風・日本風庭園がそれぞれ設けられている。

旧朝香宮邸大広間
引用:https://www.teien-art-museum.ne.jp/

蜷川実花「瞬く光の庭」展

平日の昼間だったからか客数は少なく、客層としては女性がほとんどであった。
本展示は、旧朝香宮邸の室内装飾や庭園の借景とともに蜷川実花の作品を鑑賞するという、場所含め全体を彼女の作品としている。

大食堂の窓それぞれに飾られた藤の花の作品

いくつか作品を紹介する。

1階大客室に飾られた雪景色の写真は、外の大理石の白色と調和し、また内部の木目とカーテンの鮮やかなとの対照的な色合いに映えるような、展示場所も考えられた作品。

2階ベランダの窓にはめ込まれ、まるでステンドグラスのような作品。
それぞれの窓に色をベースとした作品が展示されており、また大きな作品なので、日が当たると内部に様々な色が反射される非常に美しい作品。

2階広間に展示されている、なんとも現代チックなネオン作品。
一見この空間に似つかない雰囲気のようにも思えるが、和洋それぞれのデザインが取り入れられたシックな広間に、現代の韓国っぽさを取り入れつつ、写真とネオンの色味が落ちついた紫色に統一されており、不思議と調和を感じさせる新しい空間だった。

新館に展示されている映像作品。
様々な写真作品が音楽に合わせて映し出され、鏡とプロジェクターを使った、プロジェクションマッピングのような美しい作品だ。
床面が白や黒だったらもっと反射して美しかっただろうなと感じた。(別の会場での展示は全面黒でまた違った美しさを見られたようだ)

最後に

蜷川実花さんの作品を、ただの「写真展」として展示するだけでなく、重要文化財となっているレトロでシックな建物・緑が美しい庭園もあえて作品の一部として展示することで、建造物に鮮やかな色合いを追加する効果・写真作品に新しい見方を与える効果の2つの効果を生み出しているように感じた。

普段は絵画ばかりで写真作品にはあまり惹かれないのだが、今回のように新しい見方ができる作品は、周囲の環境含め1つのアートとして楽しめる作品だった。

本展示は、9月4日まで開催されているので、庭園の散歩も兼ねてぜひ訪れてみてほしい。

蜷川実花「瞬く光の庭」

会期:2022年6月25日〜9月4日
会場:東京都庭園美術館
開館時間:10:00−18:00


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?