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ハウスメーカーのWEBサイトをみて、勝手に考察してみた。

少し前に、「マーケティングトレース」というトレーニング方法があることを知りました。

知ったきっかけはこちらの方の記事です。(とても勉強になる記事が多いです!)

これ、やってみたい!!と思ったのですが、初心者の私にとってはフレームワークってなかなか手がつけられない…実践のハードルちょっと高い…

とチキンな私は尻込みしてしまったので、それなら「自分が一番馴染みのあるところからスタートしよう!」と思い立ちました。

今回は、トレースというよりも、ハウスメーカーのWEBサイトみて「どんな家を作ってくれる会社なんだろう」「どんな強みがあるんだろう」「どんな人をターゲットにしているんだろう」を勝手に考察してみたいと思います。

ちなみにハウスメーカーにしたのは、ちょうど知り合いが実家の建替えをしているという話になって、どうやって注文する企業を選んだんだろうと気になったからです。私は家を建てる予定はありません。
あと、ハウスメーカーの商材はリフォームやマンションなどいろいろありますが、今回は「注文住宅商品」に限った話をしていこうと思います!


「家を注文する会社」はいっぱいある

ハウスメーカーは、日本国内全域又は広範囲の規模で展開する住宅建設会社に対する呼称であるが、正式な定義はない。8社会と呼ばれる組織に所属する企業(積水ハウス、セキスイハイム(積水化学工業)、大和ハウス工業、パナソニック ホームズ、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)、ミサワホーム、住友林業、三井ホーム)を指すこともあれば、8社の他に新興メーカーである一条工務店やタマホーム等を含めて指している場合もある。
-出典:Wikipedia

大手8社は知っている人が多いと思いますし、一条工務店やタマホームも結構有名なはず。また、これらの競合として地元の大工・工務店・建築設計事務所なんかもあって、「家を建てる」だけでも選択肢はめちゃくちゃ多い。一生に一度の大きな買い物なのにこんなに選択肢があるなんて…

消費者がハウスメーカーを選ぶ理由には、「知り合いに勧められた」「すでにそのメーカーの家に住んでいる」「付き合いがある」などもあると思いますが、そういった既存の繋がりがない人ならまずは検索をしてWEBサイトを調べるはず。そこで、各社はどんなことを訴求しているかを見ていきたいと思います。

この業界全部を見ていこうとすると膨大な量になってしまうので、今回は上記Wikipediaを参考に大手8社のWEBサイトをみていきます。


ハウスメーカーのWEBサイトの役割

多くのハウスメーカーのWEBサイトは、いきなり注文に繋がるわけではなく、カタログ請求、展示場予約、相談予約などのフォームに送客するランディングページ的な役割を持っているようです。

このサイトを調べる人はそもそも建売住宅ではなく注文住宅を買おうという人なので、「こんな家に住みたい」というイメージは誰よりも強く持っているはず。

そんな人が商品のラインナップや事例集をみて、「もっと事例をたくさん知りたい」とカタログを請求したり、「直接家を見てみたい」と展示場に行ったり、「この会社の人の話を聞いてみたい、聞いてもらいたい」と相談の予約をしたり。
その行動をおこさせることが最終的な目的と言えます。


主な訴求ポイント

ハウスメーカー8社のサイトで「こだわり」として特に大きく取り上げられているのは以下のポイントでした。

・工法、技術
・安心、信頼
・ライフスタイルの提案
・環境への配慮

どれを一番大きく扱うかは、メーカーにより、そこが各社の特徴となっているのではないかと思います。この4つのポイントそれぞれで、特徴があるなあと思ったメーカーを紹介していきます。


(1)工法、技術

戸建住宅の主な構造は木造と鉄骨造の2つ。両方の構造が可能なメーカーもあれば、どちらか一方を得意としているメーカーもあります。

一番わかりやすいのは、「住友林業」は「木造」です。

コーポレートサイトもブランドページも、「木材の色味」を感じさせる内装やインテリアの写真が多いです。白を基調として、自然や木を連想させるナチュラルな配色が多いことからも、清潔感と木のぬくもりを感じられる家、といった印象を受けます。
木に囲まれた柔軟な暮らし、ナチュラルなインテリア、温かみのある空間が好みの人が「いいな〜」と思う要素が詰まっているような気がします。

そしてもう一つ、特徴的な工法をウリにしていたのがセキスイハイム。セキスイハイムは木造・鉄骨造両方の構造を選べますが、どちらもユニット工法というプレハブタイプの商品がメインのようです。

工程のほとんどを工場で済ませるため、施工期間が天候に左右されることもないし、設計した通りの性能を引き出せるとか。「住空間の工場生産化」という言葉がとても印象的です。
一見、「大量生産」という注文住宅とは真逆の印象を持たれないのかなとも思ったのですが、事例をみればとても豊かな空間が実現できるとわかりますし、工場生産だからこそ実現できる高い性能というのは魅力的です。


(2)安心、信頼

一生に一度といえるほどの大きな買い物ですから、信頼できる人や会社にお願いしたいですよね。しかもこれからの人生の大半を過ごす家となると、事故や災害への強さも気になります。

業界最大手のダイワハウスは、その点への訴求がとても強い印象でした。

他のメーカーはみんな白ベースの配色なのに、ダイワハウスは黒がベース。ロゴと同じ配色なのだと思いますが、厳格でどっしりとした落ち着きを感じます。上記リンク先のページの内容は、お金、強さ、購入前から後の流れやサポートについてなど、消費者が一番「不安」に感じることを中心にコンテンツを配置しています。

業界No.1であるネームバリューと同時に、こうした安心材料をいち早く提供して、「最初のアプローチから信頼を獲得する」ことに注力している印象です。
それにしても、このページやコンテンツとあのユーモア溢れるCMのギャップがすごいですね…

もう一つ、ヘーベルハウスも「家の強度」をウリにしていました。

いきなりでっかく「比類なき壁」はめちゃくちゃ印象的ですね。「家を診る医者」というのも、ヘーベルハウスだけが使っている言葉だと思います。
正直、昔みたCMの「はーい」しか印象がなかったのでこんなに耐災害に特化した商品を持っているとは知らなかったです。伝え方もキャッチーでわかりやすいですね。
個人的に、展示場で開催されている「アウトドアリビング」も気になります…


(3)ライフスタイルの提案

これは調べるまで全く知らなかったのですが、ハウスメーカーによっては平屋、2階建などの構造的な違いだけでなく、ライフスタイルごとのブランド展開もしてるんですね。

住友林業は特にそれが多いようです。各ブランドページの内容も充実しています。

好みのテイスト別だけでなく、消費者が重視するライフスタイルで括ることで「こういう家すてき!」と共感できるブランドを複数展開することができるのでしょう。

個人的には、ヘーベルハウスの展開の仕方も好みです。

「のきのまのある家」「勾配天井とロフトのある家」「小さくても広がりのある家」…ぱっとその空間にいるイメージができて、「ぜひ事例が見たい!」と思いました

こうしたブランドから、消費者の意向に合ったものを提案して設計していくのでしょう。注文住宅はかなり自由な買い物ですから、ある程度決められたイメージやプランから選ぶことのほうが、消費者の決定ハードルを下げられるのかもしれません


(4)環境への配慮

ハウスメーカー業界の環境対策では、「ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」というものが主流のようで、政府が主導する施策のようです。

▼ZEH
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」
-出典:環境省HP

大々的に取り上げて訴求しているメーカーはなく、全体として均一な取り組みであまり差別化のポイントにはなっていないのかもしれません。

ただ、省エネ、環境配慮は最近の消費者にとっては結構気になるポイント。へーベルハウスのように、しっかり解説をして補助金についてもわかりやすく伝えてくれると、すごく安心できます


まとめ

すごく簡単にはなってしまいましたが、ハウスメーカー大手8社のWEBサイトの考察をしました。なんとなく頭で思っていたことですが、こうして書き出してみると整理されるし人にも説明しやすくなっていいことづくめですね。

各ハウスメーカー、何が違うのか全く知らなかったのですが、こうしてみるとまず「伝え方」の差が結構大きいと思いました。
私は木造やナチュラルなデザインが好きなので住友林業のサイトにはとても惹かれました。それとは別に、わかりやすく簡潔に魅力を伝えてくれているへーベルハウスにも好感を持ちます。

WEBサイトの伝え方が上手なら、きっと相談にいって出てくる資料もわかりやすいし、こんなブランドを提供しているなら私に合った提案も出てくるんじゃないかなーと期待してしまいます。

最終的なWEBサイトの目標は各種フォームへの入力完了だと思います。「もっと事例をみてみよう」「話を聞いてみよう」と思わせるタッチポイントがないと、その目標は達成されません
伝えるべきことを魅力的に伝えるって、難しいですけど大事だなーと改めて感じました。

最後に、今回調べていて結構残念だったのは、パナソニックホームズ
最近名前をパナホームから変更したのは知っていたので、今後は本体のパナソニックとともに家電IoTに力を入れていくのだろうかと勝手に思っていたのですが、サイトをみる限りそのアピールはなく…そもそもサイトからパナソニックのハウスメーカーである魅力が全然伝わってこない
そんな話は出てこないんですかね。ダイワハウスのほうがGoogleアシスタント使ったやつはじめちゃいましたよ、パナソニックさん。


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