「コミュニティ」は、これからの防災にとっても可能性のあるものだと思う

いろいろなメディアやSNSでよく「コミュニティ」という言葉を目にします。今や、コミュニティはリアルだけでなくデジタルの繋がりで広がっていて、世の中を語るうえでキーになるものとなっています。

この変化は決して悪いものではなく、むしろ多くの人にとって新しい可能性を広げるものだと思うし、「防災」にも新しい可能性を示してくれると思うのです。今回はそんなことをつらつらと言葉にしてみます。

リアルな空間での「コミュニティ」

家族、友達、学校、職場、地域…日常生活のなかで私たちは大小様々なコミュニティに属しています。これらは多くの人が人生のわりと早い段階で出会い、長時間触れるコミュニティです。

そして、防災においてもこのコミュニティはすごく重要。

緊急事態になるほど、日常から行ってきた習慣がものをいいます。普段から強いコミュニティが形成されていることが防災に繋がる、といったことはよく言われますし、話題になった東京防災でも「コミュニケーションという備え」として日頃から周囲とコミュニケーションをとることについて書いてあります。
▶︎『東京防災 PDF版』(コミュニケーションについての記述はP123〜)

ここで重要なのは、強いコミュニティとは、所属する人にとって「大切なコミュニティ」であること
「家族や友達、大切な人たちに何かあったら」と考えるのと同じように、住んでいる地域が好きで住み続けたい、職場をリスクから守りたい…そのコミュニティに愛着があればあるほど、そこで起きる事象が「自分ごと」になっていく。
そして「もし何か起きたら」という問いに対して自分が備えることを主体的に考えるようになり、そんな人たちが集まることで「強いコミュニティ」になっていくのではないかと思います。

ただ、このコミュニティはほとんどが自分で好きなように選択できません。さらに、強いコミュニティの形成には時間がかかることが多いです。家族や友人ならまだしも、価値観も世代も違う人が混在する地域や職場でのコミュニケーションって、正直ちょっとめんどくさいと思うこともありますよね…

それなのに、何かあった時にこのコミュニティが強いと、すごくいい、というジレンマ。なかなか理想的なコミュニティを作ることって難しいと思います。

でも最近、すごく「理想的なコミュニティ」を形成している事例をちらほらみかける。それが、デジタルな繋がりから生まれたコミュニティです。


デジタルなプラットフォームでの「コミュニティ」

SNSを筆頭に、WEB上で人と出会い、繋がることができる世の中になりました。その結果、上記の「リアルなコミュニティ」とは全然違う過程で形成されるコミュニティが生まれています。

その特徴を、私は「共感」だと思っています。目標、好きなこと、興味関心が同じ人たちが、理念や活動に共感することでいくつものコミュニティが誕生しているのです。

しかも、ただ繋がるだけではなく、スキルのある人がサロンを立ち上げて参加者がスキルアップをしていくコミュニティだったり、企業が製品やサービスのファンと繋がって商品をアップデートさせていくコミュニティだったり、その目的や活動、共感ポイントは多岐に渡ります。

そしてインターネットのおかげで私たちは、「自分の目的」を基準に、共感できるコミュニティや人を「容易に探して選べる」ようになりました。

こうしたコミュニティは、「偶然同じコミュニティに居合わせた人たち」ではなく「強い共感で結びついている集団」なので、その繋がりは長く続くし、続けるほどに満足度も高まります。
そして自分が所属するコミュニティをもっと良くしよう、自分がもっとよくなろう、という「当事者意識」も芽生えやすい。

この「共感」と「当事者意識」が防災においてかなり大事なことだと思うんです。


これからのコミュニティと防災

防災では、リアルなコミュニティにフォーカスがあたってきました。当然、いつでも会える距離感にいる人は何かあったときに助け合えるし、一緒に避難生活を送ったりするのもリアルなコミュニティです。

デジタルなコミュニティは、日常的に会える距離に存在していることは少ないですが、日頃のコミュニケーションにおいて「共感で繋がること」がヒントになるのではと思います。

共感で繋がる人たちの言葉が地域や自治体の「お知らせ」よりも響くこともあるかもしれません。なかなか続かないリアルなコミュニティも、「お互いに共感できる目的や理念は何か」を考えることで繋がることができるかもしれません。

「共感」を軸に「当事者意識」を育てていくということが、これからの防災におけるコミュニティ作りには重要かもしれません。

また、共感で繋がるデジタルなコミュニティにはもう一つ可能性があります。それは、遠隔で繋がっているからこそできることがあるということ。

「クライシスマッパーズ」という団体をご存知でしょうか。
普段はOpenStreetMap(OSM)というオープンソースのマップを用いて、地域の地図作りをするマッピングイベントなどを行なっている団体です。
彼らは、どこかで災害が起こるとコミュニティに声をかけ、衛生写真などをもとにOSM上に被災状況をマッピングし、現地の救援活動などで利用できる地図を作成するという支援をしています。

地図作りが好き、活動に共感する、そんな繋がりがインターネットによって広がり、遠隔による被災地支援を可能にしているのです。

デジタルのコミュニティも、「もしものときのために、自分たちは何ができるのか」を1つの議題にしてみたら、すごく面白いんじゃないかなーと思います。きっとそれぞれに抱えるリスクがあって、解決するためには何が必要なのかと考えてみると、自分たちの得意なことで何かできるかもしれない。

防災は一つのコミュニティを形成するテーマではなく、一つの議題としてそれぞれのコミュニティに共通するテーマであってほしいです。

そして「備えることを本気で考えているコミュニティ」はすごいクールなことだと思います。

(あと防災って本当に誰にでも当てはまるし生活にめちゃくちゃ大事なことなので、みんなが主体的に考えるようになったら、すごい良い市場になりますよね!)

最後は心の叫びで終わってしまいましたが、「備えることを当たり前に語るコミュニティ」がもっともっと増えることを願いつつ今回は終わります。
長々とお読みいただき、ありがとうございました!!


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余談

ちなみに私が今国内で特にアツいと思うコミュニティはなんといっても「ゆうこす」です。

ゆうこすのファンの子たちってただ可愛い女の子に憧れるだけじゃなくて、「自分もアップデートして可愛くなる」ためにゆうこすを見ていて、ゆうこすの発信ひとつひとつに共感して、ゆうこすの問いかけには真剣にコメントをしています。

若い女の子たちがこんなに当事者意識もってるコミュニティ、すごくないですか?
ゆうこすの言葉っていつも生き生きしていて、「私ならこう思うよ!」を伝えたくなっちゃうんですよね。

もしも何か起きたとき、女の子たちが1日でもはやく日常を取り戻すために必要な「女の子のための備えるグッズ」とか一緒に考えたいなー!笑


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