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人と温泉とマッサージと@鶴巻温泉

出発の時間がいつも日が沈んでからになってきた。暗くなった中、小田急線にコトコト揺られて小田原をでた。向かった先は鶴巻温泉だ。

安定の緊急事態宣言で飲食店も温泉も全て20時に閉まるのはやはり寂しい。

しかし、いくら寂しいとはいえ温泉街だ。思い切り癒されないとただただ損である。気合を入れて癒されなければならない。

仕事を切り上げ、本日の家に帰ると想像以上に人がいた。鶴巻の住人が今回は集まっていたようだ。人と話すことが好きな私にとってはとてもありがたい。直前の小田原は割と一人でいることが多かったのでなんとなく人と会話をしていることに喜びも感じている。団欒をしていると一人の男性が入ってきた。
本日の家の家守さんだ。

ADDressは前日に予約メールが入るのだが、そのメールは意外と拠点の色が出て面白い。今回はとてもキャラ立ちのしているメールが届いた。家守さんのプロフィールに書いてある一言だ。

「楽健法という足を使ったマッサージができます」

!?!?!?
読んだ瞬間頭の中がはてなでいっぱいになる。

足を使ったマッサージというパワーワードも気になるし、楽健法という字面も気になるし、そもそもこのパワーワードは何をさしているのかがまったく分からない。もはや分からなすぎて怖い。

しかし、リュック一個でホッピングしている私には、未知の世界への恐怖よりもマッサージという誘惑はとても魅力に感じた。

お願いしたところ快諾してくださったので早速楽健法を体験することに。

言われるがままに横になると足の裏に重みを感じる。ピンポイントに指で押される圧ではない、足の裏に全体的にかかる心地よい重みだ。なんなんだこれは。まさかとは思うが、そのまさかで、踏まれていた。初めは驚いたが、普通に気持ちがいい。体重がかかるともっと痛いのかと思っていたが、そんなことはない。

そもそも楽健法というのは、2人で踏み合って健康になるためのコミュニケーションの一つとなるマッサージ法らしい。足の裏を使い体重をかけて刺激を与えるため、マッサージするほうも疲れないし足裏も刺激されて気持ちがいいという素敵な健康法である。

癒されると美味しいものが食べたくなるのが人間の性なのだろうか。ジビエ が有名らしいこの街はでどうしてもジビエをいただきたい私はなんとなく食べれそうなホルモン屋さん扉を開けた。

「すみません、こちらでジビエいただくことはできますか?」
「ごめんね〜、今時期じゃないんだよね、」

少し残念な気持ちになりつつも、「一人焼肉のにチャレンジしよう!」と思ったことがことが初めてこともあり、そのまま一人焼肉。他のお客さんがいないこともあり本当のおひとり様である。

「何食べる?」強面のオーナーさんに聞かれる。

「すみません、手持ち3000円ぐらいしかないのですが、いろいろなものをちょっとずついただきたいです!!」(実はカードが使えると思って入ったため自分の財布の中身に衝撃を受けた)

我ながらなんと肝が据わった女なんだこいつは。

そんなわがままな私に、豪快に笑って盛り合わせを作ってくださる素敵な強面オーナーさん。

ビールを飲みながらワクワク待っているとお肉がやってきた。

なんと贅沢な盛り合わせだろうか。しかもバイトのイケメンお兄さんの解説付きである。すでに二度美味しい思いをしている私はおすすめと言われる牛のハラミを網におく。ぱちぱちと肉の焼ける音と、美味しそうな匂いが目の前から漂っている。

柔らかい。ただ柔らかい美味い。三度目の美味いはもう美味すぎて声にもならない。

ひたすらに食べ続けお腹がいっぱいでもぺろりで、お会計も予算内に納めていただき大満足である。

そんな私の心残りは後一つ。
温泉である。鶴巻温泉という土地に来てもまだ温泉を味わってないのは個人的に大変不服であったので尋ねてしまった。

知っている人も多いかもしれない、弘法の里湯だ。ようやく念願叶って訪れた温泉はこの上なく気持ちがいい。
秦野市の温泉は熱すぎないとの噂を事前に聞いていたが本当にその通りだった。お湯に浸かってすぐに温かみを感じるというよりも、じわじわと身体の芯まで温めてくれた弘法の里湯は、少しずつ疲れの溜まる身体のこりを解してくださった。疲れた時には是非とも立ち寄り、癒されにきたい街である。

そういえば忘れてたことがある。
まだジビエらしきものを食べていない。しかし、ジビエ が食べれないのは一人焼肉の段階でわかっているから獣感を求めて探したのはこれだ。

あぁ可愛い可愛すぎる。シンプルにあんこの甘さも感じることができて美味しい最中をいただいて幸せだ。どうしてもいの子最中を求めて20分ぐらい歩いたところお店のご主人にそれに対して感謝して下さった。とてもじゃないけど東京では見ることのできない。しかも「いいよ〜、坂登ってまで来てくれたんだから」と言ってくださるお心遣いにも頭が下がる。客であるはずの私の方が何かお礼をしたくなってしまういの子と弘法だった。

心も身体もぽっかぽかに癒されたら帰る先は久しぶりの東京だ。

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