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MP-BGPとは

MP-BGPとは、キャリアネットワークで企業ルータを効率よく収容するために利用されるプロトコルです。
MP-BGPがなければ、どのような収容構成となるか確認しながら、MP-BGPのメリットを確認していきましょう。

1.企業ルータ(CE)の複数収容方法

CEを複数収容する為にはどのような機能が必要でしょうか?
すでに説明した通り、CEは企業毎の独自要件で構成されたネットワークです。当然ながら、企業毎にIPアドレスが同じ場合があります。
この為、企業ルータを複数収容する為にはIPアドレスが被らないようにネットワークを構成する必要があります。

同じIPアドレスを収容する方法として、VRF(Virtual Routing and Fowarding)という機能があります。
通常であれば、ルータ毎にルーティングテーブルは一つですが、VRF機能を持つルータは仮想的に複数のルーティングテーブルを持つことができます。

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VRFを構成すると、VRF毎に異なるルーティングテーブルの作成が可能となります。
Global、VRF1、VRF2のルーティングテーブルは其々独立しており、VRF1からは他のVRFのルーティングテーブルは利用できません。

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CE毎に異なるルーティングテーブルに所属させれば、例えIPアドレスが被っていても全く問題ありません。
このようにVRFにより、CEを複数収容することが可能です。

2.VRFのみのキャリア網

VRFだけでキャリアネットワークが構成できるのでしょうか?
答えは、可能です。複数のCEを個別に収容するだけであれば、機能的には可能です。
しかしながら、貴方がキャリアネットワークを運用するとした場合、VRFの構成だけでキャリアネットワークを構成していきたいでしょうか?

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