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おしゃれな母にあこがれて、高校卒業式を終えた足で髪を染めた

おしゃれな母は時代に先駆けて髪を染めていた

私の母は、昭和50年前後にはすでに髪を染めているおしゃれな人でした。

平成初期になってようやく、若い人が髪の毛を染めることが当たり前になりつつあったように思います。
そのような時代背景もあり、父とお見合いをした際、のちの義母となる人からは「なぜ髪を染めているのか?」と質問されるほどだったようです。
(おしゃれのために染めている人はあまりおらず、ヤンチャな方しか染めていない時代だったので)

母は髪色で気分が左右される人で、「思ったより暗い色になった」と嘆いている姿をよく見ていました。幼心に、「髪色が明るいと、気持ちも明るくなるのか」と刷り込まれた節はありますね。
反対に、良い髪色になると頻繁に鏡をみては、嬉しそうに髪の毛を触っていた光景は今も鮮明に思い出せます。

初めて髪を染めた日は

そんな母を見ていたので、いつからか私も「明るい髪色にしたい!好きな色に染めて、鏡を見る時にニコニコしたい!」そう思うようになったのです。

母の影響でメイクも高校在学中からはじめたし、ファッション誌もよく読んでいましたが、校則もあるため髪の毛を染めるのは卒業まで我慢していました。

私にはどんな髪の色が合うだろうと、ファッション誌を見ながら妄想する日々。これはこれで楽しかったですね。

高校の卒業式の日、私は制服のまま母とドラッグストアへ行き、髪の毛を染めるセルフのカラー剤を購入しました。

選んだのは、オレンジ系の明るい色。

明るさや元気さが欲しくて、オレンジを選んだように記憶しています。

帰宅し、セルフカラーができるよう自宅で新聞紙とゴミ袋を活用して、簡易美容院を母と手作りします。
容器から出したカラー剤の刺激はとてもキツく(今のカラー剤と比べて、においだけでなく頭皮への刺激も強かったです)、目を回しながら染め終えます。
シャワーで薬剤を流し、ドライヤーで乾かし、ドキドキしながら鏡を見ると……ほぼ黒髪のままの私がそこにいました。

正直な話、がっかりしました。

染めたことのない髪は染まりにくいので、1回のセルフカラーで思い通りの色にはならないとは知っていたけど、あんなに頑張ったのにほぼ黒髪じゃないか……と。

ドラマみたいに、一発で大変身!なんてのは、現実にはないものだなぁ。
しかし無事高校を卒業できたことも相まって、大人になったなぁと嬉しくなったことを覚えています。
初めて髪を染めた日は、何度も鏡を見て、髪の毛をつまんで光にかざしては「髪の毛がちょっとオレンジ色だ!」とニコニコしていました。

笑顔になれた #髪を染めた日 と母の面影

今の言葉で言えば「陰キャ」という気質の母なので、ヤンチャなところは一切ありません。時代的に、髪の毛を染めている人は後ろ指指されることも多々あったように聞いています。
しかし、誰のためでもなく自分のために好きな髪色に染めて気分を上げていた母は、とてもかっこいい女性でした。

私も初めて髪を染めた日以降、茶色い髪をキープしつつ、イエロー・アッシュ・レッド・ピンクとニュアンスの違う髪色を楽しんでいます。
好きな髪色だと、自然と笑顔になりますね。

あと少ししたら白髪染めに移行するお年頃ですが、最近は白髪染めもいろんなニュアンスを表現できるカラーが豊富なので、中年期以降の髪色も楽しみにしています。

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