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バツイチ女がマッチングアプリで2000いいねを獲得するまでの話.34〜次点の男〜

あっという間に時がたち、ショウタと駅で別れる。
「また…会えるよね…?」
どちらともなくそんな言葉を交わして、ショウタを見送った。

完璧だった。
目が死んでること以外、ショウタは完璧だった。
こんなに簡単に理想の男に会えて、いい感じになるなんて〜
心の中で小躍りしながら、次点の男を駅のそばで待つ。
名前はトウマ。

「すっごく素敵だと思ったので勇気を出していいねしてみました」
トウマはあんまり背が高くなかったけど、そこそこ稼いでるしまあいっかーといいね!を返した相手。
アメリカ育ちの日本人。
でもちゃんと日本人らしい心を持っていて、きちんとした言葉遣いだったのが印象的だった。

「マコトさん?」
初夏とは思えぬほどの陽気になり、額に汗を光らせながらトウマがやってきた。
ち、小さい…。
ショウタの後だとより一層小ささが際立ってしまい、少しトーンダウン。
またしてもハズレくじか?と思いつつ、近くのカフェへ向かう。

消化試合のつもりで席に座ったのに、気がつけば3時間が経っていた。
気がつけば、わたしのことを呼び捨てにしていて、気がつけば大笑いしながら彼の話を聞いていた。

会ったのはわたしで二人目、一人目は仲良くなったらアム◯ェイが発売元の商品を勧められた。よく分かんなくてそのまま帰ったんだけど、アムウェ◯ってなに?
日本に来たのはつい2ヶ月前。日本にはお盆っていうイベントがあるって聞いたんだけど、何するの?え?先祖が帰ってくる?日本て怖いな!
日本の朝の電車は混みすぎてる!ゾンビしか乗ってないのか?
日本に来たからにはエヴァ見なきゃ死ねないな!
アメリカ人はそんな簡単にアイラブユー言わないから!w Loveはそんな安いもんじゃない!

最近いつこんなに笑ったっけ?というほど、ゲラゲラと笑った。
いつの間にか次いつ会うか、という約束をしていた。
ショウタと過ごした時間が霞むほど、トウマと楽しい時間を過ごした。



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