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臨床心理士指定院入試 英語対策

はじめに

タイトルの通りだ。前回面接対策を書いたので、今回は英語について書く。

筆記試験は全てそうなのだが、まず、あなたの受ける大学院がどのレベルなのか、どういった形式でどの程度難しいのか、という事を確認しておくべきだ。これは筆記試験対策において、何処の大学院を受けるにしろ、初めにやらなければならない事だ。何でこういう事をやらないといけないかというと、院によって英語の難易度の差が半端ないからだ。

英作文を出題する大学院もあれば、大学受験並みに文の入れ替えや空欄補充を出題する大学院もあれば、社会心理学の英語論文を出して統計知識をゴリゴリに求めてくるところもある。かと思えば、中学〜高校レベルの英文を辞書ありで90分間じっくり解かせる大学院もある。どういった院を志望するかで、受験勉強の内容そのものが変わってくるのは、自明の理である。

中堅院を受ける人

中堅院は多分全体の5分の3くらいだと思う。こういったところを第一志望として受ける人は、大学受験で言う偏差値50〜55レベルの英語力があれば大丈夫だと思う。個人的にはそれでええんかい、と思う(一応大学院なのに)が、臨床心理士指定院なんて所詮養成校であるので英語なんてサブだ。あとこれは何処の大学院もそうだが、英語は配点が低い専門科目と英語の配点は大体2:1〜3:1なので、英語の勉強に重きを置くのは非効率的である。

おすすめの書籍

英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版

大学受験英語の神本『ポレポレ』の初級者用の本。大学受験以来英語に触れていない人にも超オススメ。B5サイズで小さくて薄いのにエッセンスが詰まっているし解説も分かりやすい。入門編ですらちょっと難しいけど。

難関院を受ける人

定義が難しいが、大雑把に言うと、辞書持ち込み不可の院である。別の言い方をすれば、MARCH以上である。

MARCHの中でも辞書持ち込み可の大学院はあるし(青学)、辞書持ち込み可でも試験問題自体がかなり難しい大学院もあるし(学芸大)、厳密な定義はさておいて、そういったレベルの大学院である。

こういった院を受ける人は、過去(or現在)の英語力がどの程度かによる。今出来るのならそれほど時間を掛けなくて良いし、今出来なくても昔(多くは大学受験時)にある程度出来たのならそれほど苦労せずに対策可能である(半年くらい真面目にやれば)。

私は、大学受験時は英語が最も得意な科目だったが、入学以降殆どやらなくなった。秋入試の時は中堅院レベルの英語なら読めていたが、難関院の英語はスムーズに読む事が出来なかった。春入試の前まで難関院向けの勉強をしていたら、まあまあ出来るようになって、入ってた予備校の先生から、もう(英語の授業には)来なくて良いんじゃない? と言われるようになった。春入試本番でも、英語に関してはどの院でも普通に出来た。

おすすめの書籍

ターゲットR

ぶっちゃけ私は圧倒的シス単派で(大学受験当時シス単の単語全部覚えててセンター英語は満点だった)、

出来る事ならシス単の方がターゲットより良いと思うが、心理系院の入試においてはシス単はやや過剰で、ターゲットの方を今回はあげた。ちなみに私は12月から1月までターゲットを四周回し、ターゲットの単語のうち8〜9割覚えた。普通に時間かけて覚えた方がずっと良い。

英字新聞

インターネットを探していると、英語でできた新聞記事を見つけられる。ぶっちゃけ購読料を払ってTIMEを読むのが一番良いが、cnnは確か無料だったはずなのでそこでも良い。心理の英語論文はまだこのレベルでは重たいので、どこかの英字新聞のサイトの検索欄に"Psychology"と打って、そこで出た記事を適当に印刷して、辞書無しで訳してみると、大変勉強になる。勉強になるし、もしそれが出来るのなら最早英語の勉強をする必要はない。繰り返しになるが、実際の試験で英語の配点は低い。7〜8割取れるのならもう勉強する必要ない。

最難関院を受ける人

これは全国でも指折りの大学院を受ける人向けだ。具体的に言うと、辞書持ち込み不可前提でゴリゴリの英語の心理論文を出題してきたり、英作文が問題にあるような院である。東大京大早稲田、あと自分の知る限りだと筑波とか都立大(統計の知識がいる)……そういうレベルの院である。ここら辺に関しては、多分その院専用の勉強がいると思われる。英作文とかは一朝一夕では出来ないし、そもそも添削して貰うのが良いだろうから、英語の得意な知り合いに添削して貰ったり、或いは予備校の先生に添削を頼む事が必要になる。

ゴリゴリに心理統計の知識が必要な院を受験する場合は、多分一年くらいかけてじっくり英語と統計の知識をつけていき、最終的に英語の心理系論文をまあまあ読めるくらいのレベルに持ってかなければならないのかなあという気がする。私はこのレベルの院を秋季に受けたが、あまりに難し過ぎるのと、自分の英語力の足りなさに試験中絶望を覚えたw

私のレベルでは何も書く事が出来ないので、ここらへんの院を受ける方は是非頑張ってほしい(丸投げ)

オススメ書籍

ポレポレ

大学受験の英語読解参考書として有名な一冊。B5サイズでかなり薄く、カバーめくった後の表紙の手触りも良い(そこ?)

ただ難易度はバカ高く、難関院レベルならポレポレを使わずとも良いレベル。最難関レベルを受ける人にどうぞ。自分は結構この本好きでした。本当に難しいけどw

心理英語のテクニック的な話

テクニックといいますかね? これを知ってたら良い感じだよね〜みたいな話。

心理系単語の訳し分け

心理系の英文を読んでいると、よくdevelopmentという単語が出てくる。当然心理の文脈においては"発達"になる訳だが、これを機械的に発達と訳しているとそれはそれで良くない。例えば、"History and development of psychology"という単語を訳す時に、「心理学の歴史と発達」とするのは良くない。「心理学の歴史と発展」である。ようするに、心理学系の単語であっても文脈に沿って訳し分ける必要があるという話である。当たり前っちゃ当たり前なのだが、意外と忘れやすいことのうちのひとつである。

他にもpsychologicalとかが挙げられる。psychological=心理学的、と機械的に覚えてしまうと、psychological maladaptationで心理"学"的不適応と訳出してしまう。アカデミックな文脈なら心理学的で相違ないが、とくにそういう文脈でも無い場合は、心理的、と訳すのが適正である。したがって、心理的不適応が相応しい。

まとめ

心理系院において英語は差がつく分野だとかよく言われるが、ぶっちゃけ配点は専門より低いので、試験本番で7割前後出来ていたら良いのではないかなという気がする。というか6割くらいの出来でも、専門科目で8割以上点が取れていたら合格できるはずだ。

英語が(ある程度のレベルまで)苦なく出来るようになると、専門科目の勉強の息抜き的存在になる。それほど根を詰めずに頑張っていただきたい。