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臨床心理士指定院入試 面接対策

はじめに

私は春から臨床心理士指定院に入学するものなのだが、この院試において大変苦労した。

他学部卒業で、一年弱の勉強で合格したわけなのだが、秋季の試験では全落ちした。春季で辛くも二つの大学院(国立と私立)に合格をいただけた。

指定院入試のための勉強をする中で困難に感じる事がたくさんあったので、できる限りいろんな情報を共有したいと考えている。

初回の今回は、面接対策について述べたい。

面接対策とは

面接対策という言葉は、あまり適切ではないかもしれない。何故なら、聞かれる質問は院によってかなり異なり、さらに受験生一人一人によっても異なってくる。だから厳密に対策することは不可能だ。

全く対策せずとも面接では好感触のまま終わりそして受かったという人もいるだろうし、逆に、きっちり練習したはずなのに本番の面接で思いもよらない事を聞かれて崩れてしまった、という人もいるだろう。面接対策は無駄なのだろうか? 本番一発勝負とならざるを得ないのか?

全く対策しなくて良いかと言われれば、そんな事はない。根拠のない主張になるが、心理系指定院においては、面接は結構バカにならない要素だと思われる。少なくとも、ペーパーで100%決まるわけでは無いと思う。

そして面接対策は練るべきポイントは絞られると個人的に考えている。言い換えると、かなり効率的に対策する事が可能だと思う。

面接対策では、個人的に大事だと思う視点が、二つある。verbalなものと、nonverbalなものだ。

verbalなものは、実際に質問された時に答える内容そのもの。nonverbalなものは、それ以外の身振り手振りであったり、服装であったり、雰囲気であったり……そういうものだ。まず、答えやすいnonverbalなものから書こう。

nonverbalなもの

まず、服装。他の受験生もスーツで来るので、気を衒わずに、スーツで来よう。でも、髪の毛やメイクは就活並みにバチバチに決めてなくて良い。また靴擦れとかで当日痛いと悲惨なので、歩いていて不安がないか、パンプスは事前にちゃんとチェックしよう。ストッキングとかも忘れずに。

雰囲気に関して、特にグループディスカッションでは、仕切り過ぎたり仕切らなさ過ぎたりせず、ほどほどの立ち位置だと良いかもしれない(私はそんな感じのポジションだったが合格を頂けた)。

個別面接にしろ集団面接にしろ、ガチゴチに緊張したり、或いは前のめりになり過ぎるのは良く無いかもしれない。柔らかい感じの雰囲気があれば良いのでは無いかなあ、と言う気がする。私自身に関して、ガチゴチに緊張したところと、前のめりになり過ぎたところは落ちた(筆記試験が芳しくなかったというのもあると思うが)。

verbalなもの

ほんへである。何を聞かれて何を答えるか、という話である。

研究計画書と相性の話

私が面接した4校全てで、研究計画書に関する質問をされた。ただこの計画書に関して、どこまで質問をするのか、という点に関しては、各大学院で大きく異なる。ほぼ何も聞いて来ないような院もあれば、ぐいぐい突っ込んでくる院もある。これは多分に、研究計画書と大学院の相性が関わってくる

まず、あなたの受ける大学院に①指導教員になってくれそうな先生はいるのか、また院のカラーとして②実践重視なのか研究も重視するのか、この二点について調べるべきだと私は思う。

①については研究室訪問が一番手っ取り早い確認方法だ。やらない人も結構多いみたいだが、他学部卒ならまあやっておいた方が良い。面接での事故を減らせる

②については、実践重視の院ならば恐らく量的研究が好まれるし、研究計画書においてはチャレンジングなものより実現可能性の高いものが好まれる(根拠は無いが)。倫理的配慮で突っ込まれそうな計画書を書く人(私)は、こういった大学院を受ける時は研究室訪問を行った上で、受験するかどうか判断するべきだ。

また研究の道も開かれている院(具体的には国立)の場合は、研究計画書の中でも特に、学部時代に何を学んできたのかを尋ねてくる感じが私にはあった。つまり、今まで何を学んできて、これから何を学びたいと思っているのか、というような事だ。ゴーギャンの名画みたいな感じだ。

これは全くもって一般化できない話だが、私立院三校とは角度の異なる面接だったとだけ書いておきたい。

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この研究計画書と院/教授のカラーが合致していないと、面接で悲惨な事になる。たとえば、圧迫面接になったりする。怖いだろ?(誰)

だから他学部卒の人は、研究室訪問はしといた方が良い。それも面接対策の一つだと思う。マジで。(多分心理学科卒の人はここらへんのノウハウや情報が周囲から得られるから研究室訪問せずとも合格したりするんだろうなあ)

長所と短所

就職面接定番の質問だが、心理系院の面接でも鉄板の質問である。そしてこの質問については、次のような応用型もある→「あなたの心理職としての適性と課題は?

つまり、あなたの長所と短所を教えてください、とは、臨床心理士指定院の面接においては、「心理職をどう捉え、また自己をどう理解しているか?」という質問になるのだ。単に、長所は人の話をよく聞くところです、短所は感情的になってしまうところです、みたいな、適当〜な事を言ってしまうと、多分あんまり評価されないと思う。

ちなみにこの質問については(応用型も含めw)、私が面接を受けた4校中4校で聞かれた

個人的な意見になるが、対策をするとしないで大きく変わるのが、この質問なんじゃないかなと思う。何故なら、対策すればほぼ完璧(少なくとも合格ライン程度)な回答を用意できるが、対策しなければ恐らくうまく答えられない人がそれなりに出るだろうからだ。

合格ラインの回答は、心理職になるにあたって今の自分のリソース(長所)をどのように活かし、逆に自分の足りないところ(短所)をどのように習得していくか、を答えられる事なのではないかと思う。

これに沿わない、頓珍漢な長所と短所を言ってしまうと、面接官(教授)の反応が渋くなる。まあ、ちょいちょいと対策すれば十分に答えられる程度の質問なので、しっかり考えておこう。友人や家族に知恵をもらうのも良い。

まとめ

実のところ面接対策とは、上記二つ(三つ)だけしておけば良いんじゃ無いかなと私は思う。やわらかな感じの雰囲気を目指し、研究計画書と教授や院の相性を確かめ、長所/短所に対する答えを考えておく。

あとは結構、開けてビックリ玉手箱的な要素が強い。それぞれの院によって聞かれる事が違い過ぎて、それ以上の対策は困難だし、やるだけ無駄な気がする。参考までに、私が聞かれた中で印象に残ってる質問集を下に書いておく。それを見てもらったら、私が言わんとすることも分かるだろう。各院によって質問の幅があり過ぎて、対策不可能なのだ。

最後に余計な事を書いておくと、圧迫面接をしてくるところは落ちてるかもないし、面接をする中で手応えを感じた場合は合格している可能性が高いかもしれない。自分の場合はそうだった。キッツい事を言ってくる院もあるが、非常に嬉しい事を言ってくれるような院(教授)もいる。縁を求めるつもりで、自分の等身大を提示して、頑張ってほしい。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

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実際に聞かれた中で印象に残ってる質問(質問の院はバラバラ・前期も後期も含む)

  • (成績証明書を見ながら)学部時代に心理の授業を取っていないようだが何故か。

  • 他学部卒の人は統計について一から学んで欲しいため、二年でなくて三年かけて修了して欲しいがその点についてどうか。

  • 出身学部の院に進もうとは思わなかったのか。また進んでいたらどのような将来になっていたと思うか。

  • ボランティア経験に関する突っ込んだ質問

  • 実際の相談者は具体的なアドバイスを求めて現場に来る事が多いがそれにどう対処するのか。

  • 心理統計を一年学んでの感想