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都会居ながらわかってる とか言いながらわかってる

人生で初めてかもしれない。
一人で飛行機をとって、一人で乗って、一人で未開の地を旅している。
しかも東京。
右も左もわからないという言葉を生み出した人は、きっと今の僕と同じ気持ちだったはずだ。

旅行は好きだけど、行動力と財力がなく、飛行機や新幹線を使うような遠出はあまりしない。

それにしても空港というのは慌ただしい。
名は体を表すという言葉の通り亀のようにマイペースな僕には、人々の動きが速すぎてついていくのに必死だった。

飛行機を待っている時間、僕は席に着き映画を観ながら時間を潰した。

もう少しで搭乗時間だと思って席をたつと、近くの女の人達が「え、いいですよ!?いいんですか!?」と申し訳なさそうにしていた。

どうやら僕が席を譲ったと思ったらしい。
そんなつもりはさらさらなかったけど、どうぞどうぞとあたかも譲る気満々で席を立つ紳士を演じた。恥ずかしかった。


でも恥ずかしくても、そんなつもりなくても、
結果的に数人を幸せにして、いい人だったと少しでも印象付けられるならかっこつけるのも悪くないな。


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