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あの世へ送り出す瞬間

先日、棺の企画・製造・卸を行なっている共栄さんの工場へお邪魔してきた。会社の方々があたたかく迎えて下さり、言葉では表現できないほどの刺激をもらった。また棺の話だけではなく、死に関しても様々な想いを聞くことができ、勉強になった。

工場見学では、様々な種類の棺を見せて下さり、入棺体験もした。外からの声は聞こえてくるのに、棺の中からの声は外に届かない。故人は何も語れず、残された人は故人に想いを伝える、棺空間は死という状況と似ていると感じた。

様々な種類の棺の中でも、メッセージ棺と呼ばれるものに魅力を感じた。手書きでメッセージを書き、故人に最期の想いを伝えられる。みんなからメッセージをもらい送ってもらえるなんて幸せすぎるし、私もこの棺で送ってほしいなと思った。

私は母の葬式のとき、棺のそばで声をかけられなかった。心臓が止まる瞬間、私は母のそばにいることができなかったから、伝えたいことは山ほどあったはず。きっとメッセージ棺の中に母が眠っていたとしても、私は母にメッセージを伝えることはできなかったと思う。私にとって葬式はただの形でしかなかったし、早く終わって欲しかった。

私はどんなお葬式だったら、母に素直な気持ちで想いを伝え、送り出せたのだろうか。葬式の形が変われば、母を納得のいく形で送り出せたとは思えない。納得のいく別れ・最高の別れとは何だろうか。私は未だに母の仏壇に手を合わせることができない。別れの瞬間についてこれからも考えていきたいと思った。

最後に

共栄の素敵な方々と出会えたことで、また新たに視野が広がり、自分の中で問いが生まれました。本当にありがとうございます。いつか恩を返せるように、成長していこうと思います。広島に新しい家族ができた気分で、とても幸せです!!!また遊びにいきます!!

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