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#7 フルサイズ機全盛の中、マイクロフォーサーズ機でマウントアダプター遊びを始めてみる。

ミラーレス一眼の登場とオールドレンズブームの到来

 昨今のオールドレンズブームは、レンズ交換式のミラーレス機が登場したことが大きな要因だと思います。世界初のレンズ交換式ミラーレス機は何だったっけ? とググってみたところ、2008年にPanasonicが発売したLUMIX G1でした。その翌年にはOLYMPUSがPEN E-P1を発売し、かなり売れたのではないかと思います。なぜミラーレス機とオールドレンズの相性がいいのか、その理由は割愛しますが、それ以降ミラーレス機と異なるメーカーのレンズを合体させるサードパーティー製のマウントアダプターが次々と発売され、それらを特集するムック本も数多く出版されたことからブームに火がつきました。オールドレンズ特有の、ふんわり・ほんわかした写真がSNSなどでたくさん見られるようになり、安価だったレンズも今ではかなり相場が上がったように感じます。

センサーサイズによるレンズ焦点距離の違い

 カメラの撮像センサーのサイズが異なれば、同じ焦点距離のレンズを装着しても写る範囲が変わります。この理由も割愛しますが、私が所有するOM SYSTEM OM-1のセンサーはマイクロフォーサーズ規格で作られており、フルサイズセンサーの約1/4の面積です。OM SYSTEM純正の25mmレンズは、フルサイズ機の50mmとほぼ同じ画角(2倍)になり、仮にアダプターを介して違うメーカーの50mmレンズを装着すれば、100mm相当(2倍)になります。

膝関節までオールドレンズ沼に足を突っ込んだ頃の話(注:大げさです!マニアほどではないです)

 ずっと以前からCOSINAのフォクトレンダーブランドのレンズは愛用しており、FUJIFILMのX-Pro2などと組み合わせて楽しんでいました。このカメラのセンサーはAPS-Cサイズなので、焦点距離は約1.5倍になります。あえてオールドレンズ風に写るように作られた最新のレンズだったので、ノスタルジックな写真が撮れつつも、新品なので壊れないという安心感がありました。

フォクトレンダー NOKTON classic 35mm F1.4 Ⅱ SC(SONY α7ⅲ)

 本格的にオールドレンズを使用するようになったのは、私にとって初めてのフルサイズミラーレス機となったSONY α7ⅲを購入してからです。もちろんSONY純正のAFレンズも購入しましたが、アダプターを介してフォクトレンダーも引き続き愛用していました。しかし、もっとフレアやゴーストが出るレンズを使いたいと思うようになり、安価で入手しやすいM42マウントのレンズを買い漁るようになったのです。
 ヤフオクでオールドレンズを分解・清掃して販売している個人の方が何人かいて、最初はぐるぐるボケでおなじみのロシア製レンズ「ヘリオス」を落札しました。そこからは定番のペンタックス「スーパータクマ―」やペンタコン、カールツァイス イエナの「テッサー」や「パンカラー」などを次々と落札し、挙句の果てにはオークション時の作例写真を見て、「入手済みのレンズだけどフレアの具合が違うから」と競り落とし、気が付けば単焦点の標準レンズばかりがそこら辺にゴロゴロと転がるようになりました。

HELIOS 44-2 58mm F1.8(SONY α7ⅲ)

 α7ⅲを手放した理由は、OM-1と出会いα7ⅲと二股してたとき、OM-1とのお出かけが圧倒的に多くなったためです。しかし、この時お別れしたのはカメラボディとSONY純正レンズ、SONYマウントのSIGMAレンズ、M42マウントの中でもあまり使用しなかったレンズ達(ハズレも有り)でした。すなわち、お気に入りのM42レンズとフォクトレンダーは、防湿庫で保管されていたのです。

OM-1でオールドレンズを使わなかった理由

 それにも関わらずOM-1ではオールドレンズを使用しませんでした。その理由は以下の通りです。
 一番の理由は、OM-1のコンパクトなボディとそれにマッチする優れた純正レンズの組み合わせがとても気に入ったからです。カメラを持ち出すときにどのレンズを装着するか、いつも迷っています(私は出先でレンズ交換をしないズボラな性格です)。
 もうひとつは、好きな単焦点レンズがフルサイズ換算で35mmか50mmあたりの標準レンズなのですが、焦点距離が2倍になるマイクロフォーサーズでは、手持ちのオールドレンズが100mmあたりの中・望遠レンズになることから、どうしても使いづらいと感じてしまうのです。
 また、焦点距離が2倍になるこということは、レンズの中央部分だけを使って写真を撮ることになります。カメラのレンズは中央部分の描写がシャープで、周辺では描写が甘くなります。オールドレンズはシャープに写らないことが楽しいのであって、マイクロフォーサーズではその面白みが半減すると思ってしまうのです。
 さらなる理由は、フルサイズ機が普及してきた最近では「フルサイズこそオールドレンズ本来の味わいが楽しめる『ベース機』」という世論(個人的な感想)に圧倒され、気後れする自分がいるからです。

「なんかつまらんなぁ~」からの脱却

 近頃少し写真を撮る意欲が薄れており、欲しいカメラも欲しいもレンズもない(ウソ)ことから、何か自分を奮い立たせるきっかけはないか? と思っていたところ、防湿庫で惰眠を貪るレンズ達を思い出しました。
 その中でもフォクトレンダーのNOKTON 35mm F1.4なら、焦点距離が2倍になっても70mmだし「許容範囲内じゃね?」と、軽い気持ちでマウントアダプターをポチリました。ついでに同じフォクトレンダーのシリーズで100mm換算になるHERIAR classic 50mm F1.5も使ってみて、もし「100mm にがて病」を克服できれば、50mm近辺のM42レンズ達も使いこなせることになるだろう ⇒ ヘボい写真しか撮れない現状をブレイクスルーできるだろう ⇒ 前向きな自分がステキに思えるだろう、との考えに至ったのです(⇒ たぶんヘボいままだろう)。

フォクトレンダー HERIAR classic 50mm F1.5(SONY α7ⅲ)

皆さまへのお願い

 もしオールドレンズをくっつけたOM-1をぶら下げている私を街角で見かけたとき、「フルサイズ機でもないのにそんなレンズを…プププ」と冷笑するのなら、遠く離れてからにしてください。なにとぞよろしくお願いいたします。

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