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ハイ・コンセプト

豊かさ、アジア、オートメーションに翻弄されている世の中では、「左脳主導思考」は必要であるが、もはやそれだけでは不十分であり、私たちは「右脳主導思考」に磨きをかけて、「ハイ・コンセプト、ハイ・タッチ」の資質を身につけなければならない。

対価の安い海外のナレッジ・ワーカーにはこなせず、処理能力の速いコンピュータにもできない仕事、また、豊かな時代における美的感覚と感情的・精神的要求を満たせるような仕事を行わねばならないのだ。

だが、別の面から考えると、この答えでは不十分だ。

一体、私たちがなすべきことは何なんだろう?

私はこの数年間、この問いについて研究を重ねてきた。

そして、ハイ・コンセプトでハイ・タッチな「六つのセンス」こそが、新しい時代に必要不可欠な感性だという答えを導き出したのである。

私はこれらの六つの資質を「六つのセンス」と呼ぶことにした。

デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがい。

これら六つの感性は、ますます私たちの生活を左右し、世の中を形作っていくようになる。多くの人がこのような変化を歓迎するのは間違いないところだが、中には「そんな恐ろしい未来はごめんだ」と感じる人がいるかもしれない。全身黒ずくめの気取った連中がやってきて、いつもどおりの生活が容赦なく奪い去られ、後には中途半端に芸術的、情熱的なものばかりが残される—そんなイメージを抱くかもしれない。

だが、恐れることはない。これから説明する「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」な能力は、ほとんどが基本的な人間に備わった資質なのだ。

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