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自然と共生した流域圏・都市の再生

「共生」という言葉は、この頃非常によく使われる。「環境」という言葉が出ると、大体、「共生」という言葉が出てくる。しかし「共生」とは何かと考えてみるとよくわからない。

例えば、町づくりのときに自然と共生する町を、などとよく使われる。私が前に単身赴任で住んでいた滋賀県の彦根でも、自然と共生する町ということがいわれていた。その一方で、雑草は抜こう、雑草が生えない町にしようというのである。きれいな花は植えていい、外来の植物はどんどん植えてきれいにしよう、しかし彦根にもともと生えていた雑草は抜こうという。雑草が生えない町が自然と共生する町なのだろうか。このような例からも疑問が生じるようなことはいくらでも出てくる。

「寄生」という言葉もある。宿主にとって悪いことをするのが「寄生」である。「共生」というのは両方にとってお互いに良いというが、よく調べてみると、片方だけが得をしているというものもあるし、片方が大部分得をしているけれども、相手はちょっと損をしているというものもあるし、相手が猛烈に損をしているというものもある。片方一方だけが利益を得る「片利共生」とか、両方が利益を得る「双利共生」という言葉もあり、片利共生の場合は、それは共生ではなく「寄生」であるとか、何かこんにゃく問答みたいになってくる。

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