日本ゲートウェイ

「会社が大きくなればなるほど、仕事は与えられるものであって、選ぶことはできないものになるんですよ。そして、与えられた任務を間違いなくこなした人間には高い評価が与えられる。でもね、新規事業となると、少しばかり勝手が違ってくるんですね。起案者がリーダーになるのと、会社から任命されて新規事業のリーダーになるのとでは、その後の展開に雲泥の差が生じてくるものなんです」
「使命感も情熱も、起案者とは少しばかり違うでしょうからね」
「それもありますが、最大の問題は、目指すゴールがリーダーの頭の中に明確にあるかどうかです。ネット通販事業もそうですし、ビックテックの世界もそうですね。現在世界を席巻するこれらの企業は、創設者の時代に急成長を遂げたものばかりです。当然ですよね。何を目指すのか、そのためには何をやらなけらばならないのか。ゴールとそこに至るまでに解決しなければならない問題は、経営者の頭の中に明確にあるんです。その経営者がプロジェクトリーダーとなって、一つ一つの問題を解決していけば、最終的にゴールに行き着くことになるんですからね」

「つまり、リーダーとなる人間は、自分が何をしたいのか、明確なビジョンを持っていなければならない。そして目指すゴールを部下と共有し、導いて行く能力がなければならない。その点が与えられ任務、それもルーティンワークを着実にこなすのに長けている人間が、こと新規事業のリーダーとして相応しいとは言えない理由なんですね」
「その通りです」

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