「日本型雇用」「ジョブ型雇用」のお話

もう8日になってしまいましたが、あけましておめでとうございます。

今日は「日本型雇用」「ジョブ型雇用」の話ですが、このテーマについて書こうと思ったのは、先月に読んだ以下の書籍からです。

この本、めちゃくちゃ勉強になりました。多少、著者の意見が偏ってるかな?と思う部分も一部ありましたが、日本型雇用って実際はどういう要素を持ったものを言うのか、どういう背景からそうなったのか、じゃあ海外はどうなのか・・・といったことが非常にわかりやすく説明されています。特に、海外の雇用と給与の仕組みについては、なんとなくわかっているつもりでいたものが、明確な理解として頭に入りました。人事労務のお仕事に関わる全ての人に読んでいただきたい、と思える書籍でした。

この本でも書かれていた内容から、自分が気になること・気になっていることを中心に書いていきたいと思います。

流行り的に使われている「ジョブ型雇用」の誤解

この書籍を読んであらためて思いましたが、ここ数年、いろんなニュース記事やら何やらで使われている「ジョブ型雇用」についての話、ほとんどの人が正しく理解できてないんですよね。「Job Description(職務定義書)」という単語や、何なら「コロナで在宅勤務が増えたので、正しく評価するにはジョブ型にしないと」とかいうよくわからない論述もあったりします。

簡潔に言うと、「人ではなく、仕事に給与や等級を紐づけ、そこに人を当てはめる」というのがいわゆる「ジョブ型」なんですね。だから、仕事が変わって給与や等級が下がっても、そもそも「降格」という概念にならない。降格という概念は、人に等級が紐づいてるから起こる発想なので。(とはいえ、給与が下がることに対しては別の問題が発生したりはしますが、ややこしいのでここでは割愛します)

日本は基本的に入社から退職まで個々人に給与・等級・役職・職務内容etc・・・を紐づけた管理をしているので、そこを根底的に見直さないとジョブ型雇用へのシフトなんかできるわけない、ということですね。というか、完全なシフトは無理だしやる必要もないと思いました。

「海外では・・・」という論調への疑問

ここからは書籍の内容と外れますが、自分が個人的にずっと思っていることです。よく、「日本は諸外国と比べて・・」とか、そういう論調が人事労務界隈でもよくなされますが、めちゃくちゃ違和感を持っています。「欧米では・・・」と言われる時点でそもそも違和感なのですが、雇用の慣習については欧と米では全然違うと思っています。

アメリカはEmployment at will=雇用は労働者・使用者のどちら側からでもいつでも解消できる(よく言ういつでもクビにできるってやつ)という考え方の一方、ヨーロッパ(僕個人はドイツにしか触れたことありませんが)は、企業横断型の社外労働組合がめちゃくちゃ力を持っていて、そう簡単に解雇はおろか、何なら労働条件の不利益変更はできません。何なら、そういった対応は日本よりもめんどくさかった記憶があります。

当然、中国とかは全然違うしアジア諸国も色々違う、自分は関わったことないのでわかりませんが中南米やアフリカなんかも独自の雇用色ってあると思うので、「海外」で一括りにして語るのって誤解の助長に繋がらない?といつも思ってます。

もちろん、世界で日本にしかない雇用慣行もあるだろうから、それを強調するために使われることも多いんでしょうけど、対比でジョブ型とか転職が普通とか言われても、ねぇ。

たくさん勉強して、世の中の流れを見ましょう!

なんかぐだぐだ書きましたが、ただの会社員の自分には国のトレンドを変える力はないわけで、それでも自分の働く場を少しでも良くしていくためには、正しい知識をたくさん頭に入れて、今の世の中の流れ・今何が起こってるのか・この先何が起こりそうか、にアンテナを張っておくのが大事だと思っています。

2022年も学びのある1年にしたいです。頑張りましょう!

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