memory's 第33話
ゲームカウント
2-1!
洋平:スー…パァーン!
秋也:タッ…パァーン!あ
宗則:サンキュー…パァーン!
洋平:うし、サンキュー
〇〇:…ふぅーん
武博:サインプレーか
瑠奈:??
安斉:まぁアイツらだからノーサインでもわかってたんだろうな
瑠奈:なんかよくわからない…
武博:瑠奈ちゃんは人としての洋平を知ってるけど選手としては宗則の方が知ってるってことよ
〇〇:…へぇって感じなんだけど
秋也:今の1発でわかった感じか?
〇〇:ありがとう秋也
秋也:入りくらい良くしたかったけどしょうがないか
〇〇:ん?一点の重さは知ってるけど知るための一点も必要だよ?
秋也:全く笑頼むぜ🙏
〇〇:任せろ
梅澤:笑った…
若月:自分達を完全に信じてるって自信だねーいいね〜そういう子好きだよ…
1-0
洋平:スー…パァーン
〇〇:タタッ!
宗則:ん?
〇〇:パァーン!
洋平:うお!トーン…やべぇ短ぇ!
〇〇:スッ…スパコーン!
俊:もう1人の天才…
浩介:確かにな
秋也:ナイス
〇〇:おう
遥香:あれ?
紗耶:どうしたの?
遥香:決めたらガッツポーズとか喜ぶのに
紗耶:確かに…
梅澤:それだけ本気ってことだよ
遥香:先生
若月:さぁ…君の才能を見せてくれ…
1-1
宗則:スー…パコーン
浩介:速っ!
秋也:そう何度もやられてたまるか…パァーン
洋平:ポーン…は?
〇〇:ダッ!
武博:マジかよ!?
〇〇:パァーン!
宗則:ポーン…まだあるぞ!
洋平:おう!
〇〇:…残念
アウト!
安斉:〇〇今ボールの行方見てなかったよな?
武博:ああ…確信があったってことか
浩介:しかも待ち構えてたって読んでたんですかね?
安斉:いや、洋平は〇〇を見てないわけない…なのに待ち構えてるなんてあり得るのか?
洋平:ふーん…
宗則:おい洋平、俺の言うこと聞けよ
洋平:わかった
〇〇:秋也
秋也:ここからだろ?
〇〇:一気にいくぞ
秋也:全中の決勝以来だなこんなの
〇〇:今最高に楽しいわ
秋也:よし、油断せず
〇〇:ああ
紗耶:なんか…〇〇くんカッコいい
遥香:うん…いつにも増して…
紗耶:ね…ん?いつにも増して??
若月:もう1人の天才はどうするかな?
1-2
宗則:スゥ…ふぅ…スー…パァーン
〇〇:パァーン!
洋平:タタッ!ふん!ドパアーン!
秋也:スー…パコーン!
宗則:サンキュー…トン…
秋也:え?
〇〇:おいおい…宗則さん…
洋平:やっとか
紗耶:今何したの?
遥香:時が止まったような…
梅澤:……
若月:もう1人の天才は本物、か
武博:…俺らは勘違いしてるよな
瑠奈:なにをですか?
武博:洋平も凄い、でも洋平が凄いとわかるのは一瞬でなんだよ、大事なのは宗則は何もしてないと思わせてるんだよ、だけど実際はもの凄いことをこなしてる…おかしすぎる…
瑠奈:一瞬寒気がしました
浩介:俺には出来ないあんなこと…
安斉:フルパワーのカウンターをいとも簡単にネット前に落とす、あんなの技術どころじゃない…
武博:宗則がいかに凄いか…思い知らされたな久々に
〇〇:…天才ね〜
秋也:俺らの目の前にも天才はいたろ
〇〇:俺も天才って言われてるんだけど一応
秋也:将吾の方が天才だわ、お前は違う
〇〇:ま、目の前のあの人見るとそう思うわな
秋也:将吾よりも天才だよ
〇〇:わかってる、だから面白いんだよ
2-2
洋平:スー…パコーン
秋也:パァーン!
洋平:ふん!パァーン!
秋也:ポーン…
洋平:タタッ…ふん!
秋也:タタッパァーン!
宗則:……
秋也:しゃあ!
武博:うお!あの洋平のトップ打ちをライジングで返してストレート抜いてった!
若月:非力では無いね、ただ身体作りしないとあのプレーを継続できない。うんうん…
梅澤:秋也はまだ伸びると思います、ただあいつはどこか手を抜いてるようで
若月:手は抜いてないよ、彼は冷静に見てるからなぜか温存してるんじゃないかな?
梅澤:だといいんですが
2-3
洋平:スー…パァーン
〇〇:パァーン
洋平:ポーン…
秋也:ポーン…
洋平:ふっ!
秋也:ポーン…
洋平:タタッ…パァーン!
秋也:パァーン!
宗則:お
洋平:タタッ!パァーン!
アウト!
秋也:よーし!
〇〇:ナイス
紗耶:ナイスボール!
安斉:ミドル割りかよ秋也!
武博:宗則は意表つかれた感じか?
浩介:どうなんですかね、今の取れたけどって感じにも見えましたけど…
武博:駆け引きなのか?それともタイミングを見たのか?
安斉:いや…どうなんだろう…
若月:秋也くんは取った気でいるけど…宗則くんは…全く気にしてない感じだったね
梅澤:宗則はポイントを捨てる時ありますから
ゲーム…チェンジサービス
宗則:ははは🤣
洋平:気持ち悪いなお前
宗則:うん、さて、取られたゲームは取り返すか
洋平:性格悪いなお前、わざと決めさせてそこから何があるのよ
宗則:そこから勝つからかっこいいんだろ?
洋平:勝てなかったら?
宗則:勝つから絶対
洋平:はいよ
秋也:ミドル割り気持ちいい
〇〇:でも宗則さんらしくないよな
秋也:なんか取らされた感じはある
〇〇:こっからが本当の勝負
秋也:洋平さんが質を上げてきてるから注意するわ
〇〇:おう
ゲームカウント2-2
秋也:スー…パァーン
洋平:タタッ…パァーン
秋也:パァーン!
洋平:…そらっ!
秋也:え?パァーン!
宗則:ほーい…ポーン…サンキュー
秋也:…
若月:声に騙されたね笑
梅澤:それで秋也は不意打ちを喰らった感じでしたね
若月:それもまた技術、そしてそういうことをやる度胸だよ
0-1
秋也:スー…パコーン!
宗則:タタッ…パァーン
秋也:…ポーン
洋平:タッタッタッ!パァーン!
秋也:くっ!パァーン!あっ
宗則:ほい、サンキュー…トン
安斉:出た、反則的な流し打ち
浩介:秋也もわかっててもあのコースに返すしか無かったですから完全に洋平さんのやることを読み切った宗則さんもまた
若月:あの2人はペアで取った方がいいかな?
梅澤:どうなんですかね…私は離れてもやっていけると思います
若月:でも2人が離れてやることを想像出来ないんだよねー
梅澤:それに関しては〇〇と秋也もですよ。私はスカウトしに行った時にペアで行けるところしか行かないとか言うんですよ。
若月:へぇ〜それでペアで行かなかったらどうしてたの?
梅澤:そのまま大京大附属に行くって言われました…
若月:…凄いな
梅澤:中学生なのにそこだけは譲らなかった、凄い子ですよ
若月:ちなみに〇〇くんだけ取ろうとしたの?
梅澤:秋也もリストには入れてたんですけど他の推薦者のことも考えなきゃいけなかったので校長に頼み込んでなんとか2人に来てもらいました…
若月:れなちか…まぁ今となっては正解じゃない?離れたらもしかしたら2人共腐ってたかもしれないよ?
梅澤:ですかね…
若月:彼らは来年、再来年の同じ時期にどうなってるかわからないけど、楽しみじゃないか?
梅澤:私は今しか見てませんから、明日のことなんて考える余裕ないですよ
若月:真面目だね〜
梅澤:若月さんほどではないです
若月:ふぅーん笑
パシッ!
ゲーム!チェンジサイズ!
秋也:くそっ!ふぅ…
〇〇:一筋縄ではいかないなあの人達は
秋也:んで、洋平さんのこと掴んだのか?
〇〇:任せろ、こっからだ
洋平:宗則ナイス
宗則:一気に片付けるぞ…
洋平:〇〇が攻めてこないけど最後まで油断せずいこう
宗則:あいつが黙ってるわけねぇよ、おそらくファイナルいくぞ
洋平:取らせていいってことか?
宗則:いや、取られる予感がするだけだよ
遥香:凄い集中力
紗耶:いつもはこっちからの声聞こえてたりするのに
それが〇〇くんよ
遥香:美月さん
梅澤:あれ?来ないはずじゃ?
美月:思ったよりも早く終わったからね〜
若月:久しぶり美月!
美月:久しぶりです!愛知から帰って来ちゃいました!
若月:今度うちの部も頼むよ、いいのがかなりいるよ?
美月:えー〇〇くんより良い子いますかね?
若月:…美月いつか生徒襲うなよ
美月:襲いませんよ笑襲いたいけど
梅澤:その時は首絞めてでも止めます
ドバァーン!
秋也:よし!
〇〇:ナイス!
紗耶:よし!
武博:逆ついたな
安斉:無理矢理感あったけど強引に引っ張ったのは正解かもね
浩介:宗則さんが一歩も動けなかったのは秋也凄い
宗則:…チッ
洋平:気にすんな、あれは仕方ない
宗則:ファイナルねぇ…
洋平:いかせねえ…勝ち切る…
〇〇:キツいな…
秋也:高校の全国レベルはこんなにも凄いんだな…
〇〇:ワクワクするわ…楽しみだなぁ
秋也:大京中の奴らしか見えてなかった自分達が小さかったな
〇〇:思い出話は後にして…今勝とうぜ
秋也:ああ…
紗耶:先生
梅澤:なに?
紗耶:テニスに必要なものってやっぱり体力ですか?
梅澤:それはないな、体力も必要だけどそれ以上に必要なのはメンタルだよ
紗耶:メンタル…
梅澤:あいつらは今日3試合目、3日間で10試合してるんだよ?それこそ体力よりも必要なもの
遥香:それがメンタル…
梅澤:絶対に勝ちたい、負けたくない、信頼してる仲間のために。その想いがキツいあいつらを支えている。あ、まぁ洋平はもう一つあるか
遥香:なんですか?
梅澤:自分が大好きで好いてくれている瑠奈ちゃんのため
紗耶:…単純ですもんね
梅澤:単純だけどもこれほど目に見えて強くなってるなら洋平にはそれが合ってたってことだよ、人は出会いやふとした気づきやきっかけで理屈では説明出来ないことが出来るんだ。だって2人だって〇〇や秋也に出会わなかったらここにいないわけだから
遥香:確かに…
梅澤:だからこそちゃんと今のこの試合を見届けよう、そして感じたことを人としての成長に繋げるんだよ
若月:いい監督だね〜梅は
梅澤:貶してます?
若月:本心だよ、技術を教えるよりもモチベーションを上げたり維持し続ける方が監督として必要なことだよ
梅澤:でもやっぱり…
若月:技術なんてちゃんと練習すれば勝手につくよ、でも心の部分は誰にでも出来るわけじゃない。そこを指導するのかしないのかは監督の人としての部分だよ
梅澤:…はい
若月:迷わないの。梅が迷うと生徒に影響するから、それに、若月佑美の指導した生徒はもういない。今は完全に梅澤美波のチーム。だからもうあなたが考えるチームでいいの。
梅澤:わかりました
パァーン!
宗則:ウラァ!
ゲーム!チェンジサービス!
〇〇:すまん、フォローいけた
秋也:ドンマイ
〇〇:クソ、ファイナルか…
宗則:クソ、結局ファイナルって予言通りかよ
洋平:焦るな、勝てば変わんねえよ
宗則:全国であいつらみたいなのと闘えるかな?
洋平:いねぇよ
〇〇:ハァ…悪い
秋也:いや、完璧に読まれた俺が悪い
〇〇:ふぅ…ゴクゴク…
秋也:そういえばリストバンド
〇〇:あー、かっきーとお揃いだよ?
秋也:お前はさくらに殴られてもいい笑
〇〇:今試合に関係あるか?
秋也:いや、リラックスできるかなって笑
〇〇:はーん…嫉妬か?笑
秋也:んなわけ笑よし、いいか?
〇〇:もちろん…勝つぞ!
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