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僕がそんなにモテるわけ 第8話



〇〇:ふぁー


幸也:寝不足か?


〇〇:おはよう


幸也:なんだ?美玖ちゃんとまさか…


〇〇:違う違う!ちゃんと帰りました!


幸也:なーんだ笑〇〇がインターンの子に手を出しましたって言うの楽しみにしてたのにな笑


〇〇:それはやめて…


幸也:まぁ今日最後のミーティングが15時からな?頼むわ


〇〇:うん

チーン

幸也:しかしまぁお前も罪な奴だよな


〇〇:え?


幸也:保乃ちゃん、里奈ちゃん、久美ちゃん、美玖ちゃん?何人と遊んでんだよ笑俺は映画でしかそんなの知らないぞ?


〇〇:僕もびっくりで…


幸也:そんなに優柔不断なことしてると俺が誰かを奪うぞ?笑


〇〇:え?

チーン

幸也:じゃあミーティングでな〜


〇〇:…え?

〜〜〜

幸也はああ見えて真面目だ
しかしわからないのは時に弄ぶような発言から試しているような言葉が出てきたりする
それが確信を得ているのか探りなのかは僕にはわからない
だが、目は時に笑っていなかった

〇〇:ふぅ…


保乃:お疲れ様です〇〇さん


〇〇:あ、お疲れ様です


保乃:ちょっと聞きたいことがあるのであっちでいいですか?


〇〇:あ、はい

タッタッタッ

美玖:失礼します!あれ?〇〇さんは


社員:さっき呼ばれて席外してます


美玖:ではこちらの資料をご覧になってくださいとお伝えできますか?


〇〇:どうされました?ミーティングの前になにか?


保乃:私は嘘をつくのもつかれるのも嫌いなので、あと隠しごともなくいきたいので…


〇〇:はい?


保乃:美玖ちゃんとキスしてましたよね?


〇〇:え"


保乃:最近わかりました、その声をするときは動揺と本当のことを突かれている時だって


〇〇:…ごめん


保乃:なぜ謝るんですか?


〇〇:いや…その…


保乃:確かに私は〇〇さんのことが好きです。でも彼女ではありません。だから誰と居ようと自由です。それでもキスはするんですね。私はしたことないのに


〇〇:え?いや…


保乃:……


〇〇:(それは君が酔っ払ってたから覚えてないだけでは…)


保乃:私も負けませんから…それでは


〇〇:…なんで?


美玖:……

ーーー

ポチッ
スッ
ピトッ

久美:え?


幸也:おはよう


久美:お疲れ様です


幸也:よそよそしいね


久美:ここは他社ですので


幸也:別に他社だとしてもミーティング相手なんだから普通に話そうよ


久美:仕事の話なら


幸也:じゃあ仕事の話しよう!


久美:はぁ…わかりました


幸也:昨日のキスはどうだった?


久美:んな!?


幸也:仕事相手とするキスはどうでした?


久美:また殴られたいの?


幸也:昨日のは痛かったんだけど


久美:すみません…


幸也:減るものではないけど今の久美ちゃんなら減るものかな?


久美:……


幸也:ただ…俺は久美ちゃんのこと良い子だなって思ってる


久美:なにが言いたいの?


幸也:俺は割と本気にならないと大胆にいかないんだけどね


久美:え?

ピンポーン
ウィーン

幸也:〇〇ばかり見てないで、少しは周りを見なよ


久美:…


幸也:それじゃあミーティングいこうか

〜〜〜

里奈:おはようございます〇〇さん!


〇〇:あ、おはようございますり、り、松田さん…


里奈:里奈でいいです笑〇〇さん少し痩せました?


〇〇:え?


里奈:疲れてるんですかね?


〇〇:ま、まぁ色々あって…


里奈:あ〜色恋ですか????笑


〇〇:え?


里奈:私が相談に乗りましょうか??笑


〇〇:いや、相談ってほどでは…


里奈:いいからいいから!ユサユサ

ガチャ

幸也:…なにしてんだ?


久美:…あ


〇〇:え?いや…


里奈:あー幸也さん私のイチャイチャタイム邪魔して性格悪ーい!


〇〇:いや!それは違う!


里奈:違うってなんですか!?


幸也:ていうかいつまでくっついてんの?笑


保乃:お疲れ様で…〇〇さん?


〇〇:え"


保乃:さっき言いましたよね??


〇〇:…なにを?


保乃:とぼけるなー!


〇〇:ギィヤァァァァァァァァ‼︎


幸也:あいつ本当に大変だな笑


久美:…バカじゃないの


幸也:ふぅーん


久美:なに?


幸也:俺にも嫉妬心はあるんだよ?笑


久美:勝手に嫉妬すれば?


幸也:可愛くないけど可愛いわ笑


久美:は?


幸也:まぁいいや、よーしミーティングやるか〜あれ?美玖ちゃんは?


美玖:ハァハァ…すみません!遅れました!


幸也:大丈夫だよ、まだ始まってないし、あれ?


美玖:ど、どうしました?


幸也:〇〇って罪な奴だなー


美玖:え…


幸也:とりあえずミーティングやるよー

明日からのCM撮影のためのミーティングとはいえ今の僕はこの空気が気まずい
そして何よりも不気味なのがこのミーティングが進んでることに対してプロ意識なのかわざと気にしてないのか
今は僕も明日への成功しか考えられない
ただ…
保乃さんのあの言葉
美玖ちゃんの不意打ち
そして久美
自分の今の心が受け入れることへの恐怖、楽しめと言われたガルフはなにを楽しめばいいのか教えてくれなかった
この答えのないものへの考えから逃げるなら今は里奈ちゃんだけが僕にとって心の在りどころなのかもしれない

幸也:以上となります。明日は10時には入って準備します。よろしいですか?


里奈:あ!はーい!


幸也:どうした?


里奈:〇〇さんはこの後もう少し打ち合わせでお願いします!


〇〇:え?なんで?


里奈:クライアント情報と映像解禁の刷り込みとあと映像の展開の仕方を共有したいと思いまして!


〇〇:え?そんなことあとででも…


里奈:こう見えて私は忙しいんですよ?


幸也:あと案件何個抱えてるの?


里奈:CMだけなら7本?


保乃:嘘…


里奈:それで映画の準備もあるし、今度はドラマも…


幸也:もういいもういい笑〇〇、ちゃんと打ち合わせしておけよ?


〇〇:うん…


美玖:里奈さんはどんなスケジュール組んでるんですか?


里奈:んーやりたいことだからスケジュールきついとかは気にしてないかな?でも大切にしてることはあるけどね?


美玖:なんですか?


里奈:自分の感を信じる!


美玖:それだけ?


里奈:それだけがそれだけじゃないんだよ?


美玖:え?


里奈:自分の感覚って信じた方が恐ろしいほど結果が出るの、もちろん間違いや思った以上の答えが出てくることは無かったりだけどそれは経験だし経験が感覚になった時に良いものが出来るの。自分の感覚が今は少しズレてる部分があるけどね笑


美玖:どの部分がズレてるんですか?


里奈:んー内緒!笑


感を信じる、とてもシンプルでとても難しい
世の中のことはシンプルに過ごすことがいかに難しいかは生きていけばいくほど身に沁みてわかる
感どころか、自分を信じるということほど何をどうすればいいか途方に暮れるほど答えの無い抽象的なものは無いだろう
それを里奈ちゃんはあっさりと言ってしまうのだからその信念を持っていることに凄いとしか言えない
僕にはそんな経験や知識など皆無だ

里奈:それでこれはクライアントの都合で編集版を私が確認入れたらすぐに組み込んで解禁日にup出来るようにお願いします


〇〇:……


里奈:…〇〇さん?


〇〇:え?あ、ごめんなさい…えーっと…


里奈:もう一度言いましょうか?


〇〇:あ、はい、ごめんなさい…


里奈:…ちょっとだけいいですか?


〇〇:え?は、はい…


里奈:〇〇さんってなんでこの映像とかウェブ広告関係やってるんですか?


〇〇:なんでって…それしか僕には出来なかったから…


里奈:…それって特技なんじゃないですか?


〇〇:特技?


里奈:それしか出来ないんじゃなくてそれしか出来ないようになってるんです!それは立派な才能です!


〇〇:才能…


里奈:人の才能はやらされてることには気づかないけど好きなことにチャンスがあるんですよ?


〇〇:え?


里奈:私だって撮影班がいて、撮影のために準備してくれるディレクターやアシスタントがいてそしてこの仕事では〇〇さんが助けてくれている。私なんてそういう人達のおかげで生かされているんです。だからそれしかっていうのは私にとってはそれが凄いことなんですよ?


〇〇:…ありがとうございます


里奈:ンフフ♡

里奈さん…里奈ちゃんは自分のことを主張しながらも人へのフォローやアプローチも上手い
僕には無いものを持っているからこそ羨ましいと、思う

パチン!

〇〇:ん?


ガルフ:お前に無いものを持ってる子ねぇ…周りにいる子みんなそうだよ笑


〇〇:…そうですけど


ガルフ:ないものねだりって言葉知ってるか?


〇〇:はい


ガルフ:自分に無いものをねだるよりも周りに頼ってそれを補ってもらう。お前に一番足りないものをこの子は出来ている。それをお前に俺は知って欲しいことの1つだった


〇〇:…まさかガルフは里奈ちゃんを会わせた?


ガルフ:人との出会いに関しては俺はノータッチだ


〇〇:偶然か…


ガルフ:だけども俺はこの子からも学んで欲しいし他の子達からも学んで欲しい。そしてお前に気づいて欲しいことがある


〇〇:?


ガルフ:お前がそこに気づいたらいいな

パチン!

里奈:さぁ明日のCM楽しみですね!


〇〇:う、うん


もしかしたらいつかこの日を境に僕は運命の歯車が噛み合っていたのではなく
新しいものに変わり、自分が動いてく言葉と行動だったのかもしれない

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