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ピアノとソナタ 第9話


〇〇:……


瑛紗:……


美空:…💢


総馬:ふふぅふりすふぁす前にきょんなにはれひのきゃおひひんたしゅる?


美空:え!?なに!?💢


〇〇:普通クリスマス前にこんなに彼氏の顔にビンタする?って言ってます…


美空:それくらいわかる💢


〇〇:それに…総馬の冗談だから…


瑛紗:なにがあったの?


〇〇:総馬の冗談が一線を超えました…


瑛紗:どんなこと言ったの総馬…


総馬:おりぇはなにもひぃらない…


〇〇:とりあえず冷やしなよ…


美空:瑛紗いっぱい買ってきたね!


瑛紗:なんか気合い入っちゃって笑友達と泊まりなんて初めてで!


〇〇:こんなにたくさん…お金払うよ


瑛紗:私が好きに買ってきてるからいいよ


〇〇:悪いって


瑛紗:その代わり明日たくさん奢ってもらうから!


〇〇:え?


瑛紗:美空〜盛り付け手伝って!


美空:わかった!


〇〇:僕も手伝うよ、総馬は…よく冷やして…


総馬:しゅみましぇん…


〇〇:美空…やりすぎ…


美空:反省はしてる…でも最近総馬がモテるからさ…心配になるんだよね…


〇〇:え?モテるの?


美空:学園祭で歌ってる時カッコよかったってそこからもう先輩達も他のクラスの子も…


瑛紗:大丈夫だよ総馬は


〇〇:僕もそう思う


美空:なんで?

〜〜〜

瑛紗:みーちゃったみーちゃった!


総馬:うお!なんだ瑛紗か


瑛紗:ラブレターなんて貰うんだね〜笑しかも先輩から!


総馬:いや…うん…まぁ…


瑛紗:嬉しくないの?


総馬:悪い気しか無いんだよ…


瑛紗:なにに?


総馬:せっかく渡してくれた人と一番は美空に


瑛紗:貰うだけなら大丈夫でしょ?それでその告白を受けたら殺すけど?


総馬:最後がこえーけど…でもさ、美空って嫉妬深いと言ったらダメだけど俺に対して真っ直ぐに見てくれてるじゃん?だからもっと俺は応えなきゃいけないと思ってる。今はまだ学生だから大したこと出来ないけど…絶対に大人になったら返していきたいんだ


瑛紗:へぇ…大人になったらか…


総馬:なんだよ


瑛紗:総馬ってやっぱ真面目だね!


総馬:恥ずかしいから言うなよ?


瑛紗:いつか言ってやる笑


総馬:やめろ!

〜〜〜

美空:そうなんだ…


〇〇:僕も総馬から美空以外の女の子の話聞いたこと無いよ?


美空:そうなの?


瑛紗:謝ってきたら?こっちはやっておくから


美空:うん…ありがとう


〇〇:2人とも素直じゃないよね笑


瑛紗:それは〇〇もじゃ笑


美空:…顔…痛い?


総馬:だいぶ戻ったでしょ?笑


美空:ごめん…やりすぎた…


総馬:うん、やりすぎ


美空:…うん


総馬:あのね美空


美空:はい…


総馬:俺は美空のことが好き、美空は俺のこと好き?


美空:うん、好き、大好き


総馬:それだけで今はいいんじゃない?焦らずお互いの好きな気持ちだけを信じよう。まずはそこから始めようよ


美空:うん…ありがとう

ギュッ

総馬:今後はデート前のビンタは無しね笑


美空:それは総馬次第だよ⁇笑


〇〇:結局あの2人っぽいね笑


瑛紗:早く準備しようか笑

ーーー

総馬:それじゃあ行くよー…メリークリスマス!!

〇〇・瑛紗・美空:メリークリスマス!!

パンパン🎉

総馬:チキン美味い!!


美空:このオムライスどこの?


〇〇:それは僕が作ったよ?


総馬:お前相変わらず上手いな〜


瑛紗:今度私に学校のお弁当作ってよ!


〇〇:え!?い、池田さんに!?


瑛紗:ダメなの?


総馬:いいじゃねぇか笑作ってやれよ笑


〇〇:う、わ、わかりました…


瑛紗:ありがとう😊


美空:〇〇の瑛紗への弱さは変わらないよね本当に笑


総馬:年末近づいてもダメだな笑


瑛紗:明日美空と総馬はどこ行くの?


美空:どこ行く総馬?


総馬:ある程度決めてるから付いてきてくれない?


美空:うん❤️


瑛紗:いいな〜ほら!私達もどこ行く!?


〇〇:え?えーっと…じ、実は僕も少し決めてて…


瑛紗:うん?


〇〇:えーっと明日は…


瑛紗:あー!!待って待って!!


〇〇:え?


瑛紗:言わないで!決めてるならそれならそうしよう!明日の楽しみにしておきたい!!


〇〇:う、うん…わかった


総馬:へぇー〇〇もそういうこと考えれるようになったんだ笑


美空:大人になったね〜笑


〇〇:バカにされてる?


瑛紗:今までの積み重ねでしょ?


総馬:プッ笑


美空:くくく笑


〇〇:……

ーーー

総馬:ん?まだ起きてたのか?


瑛紗:…うん


総馬:よいしょっと


瑛紗:〇〇は?


総馬:寝てるよ笑明日緊張するとか言ってガチガチだったけど笑


瑛紗:そっか笑美空も寝てるよ?


総馬:なんか俺と瑛紗って不思議だよな


瑛紗:ここまでいろんな話してると普通好きになってもおかしくないんだけどなぁ笑


総馬:だろ!?


瑛紗:今の反応美空に言うよ?


総馬:嘘だよ笑全く…瑛紗は〇〇一筋だね〜笑


瑛紗:そうよ?悪い?


総馬:うん…まぁ…そうか…そうだよな


瑛紗:どんなに時間あったとしても〇〇と一緒にいるよ?それは私の役目だもん


総馬:役目…なのか?それとも…


瑛紗:もし恋愛だったら…〇〇を幸せにすることは出来ない


総馬:あいつは多分思ってるよ?


瑛紗:知ってる


総馬:そうか…


瑛紗:明日楽しみだな〜


総馬:楽しんでこいよ


瑛紗:絶対楽しいよ


総馬:俺といるより?


瑛紗:当たり前笑


総馬:全く笑じゃあ寝るわ


瑛紗:うん、おやすみなさい

ーーー

その日僕は夢を見た
少しの雪が降り始めた時に僕の手は誰かの手を握っていた
手から肩にかかる髪の毛を通り…

ピピピピ

〇〇:朝か…ご飯食べよ

今日の関東地方は日中は晴れるでしょうが夕方より雲がかかり上空の寒気の影響により場所によっては雪が散らつく可能性があるでしょう


美空:おはよう〜あ、味噌汁のいい匂い…


〇〇:食べる?


美空:うん、ありがとう


総馬:おーはー


瑛紗:おはよう〜


〇〇:みんな起きたなら居間で食べようか?こたつあるし


美空:じゃあこれ持っていくね


〇〇:ありがとう


総馬:美味そう〜卵焼きと漬物とか最高…


〇〇:じゃあ食べようか

いただきまーす

美空:はー味噌汁美味しい…


瑛紗:美味しい…料理こんなに作れたっけ?


〇〇:最近おばあちゃんに習って勉強して種類増やしてるんだよね笑


総馬:出してるものがそんな感じだもんな〜漬物美味っ!


〇〇:総馬達何時に出るの?


総馬:俺ら1時くらいかな?


〇〇:僕らもそれくらいの予定だったから一緒に出ようか


瑛紗:あと3時間くらいあるからゆっくり準備出来るね?


美空:じゃあお風呂借りていい?


〇〇:うん、トイレの右にあるよ


瑛紗:美空〜一緒に入っていい?


総馬:じゃあ俺も一緒に!!


美空・瑛紗・〇〇:は????


総馬:………冗談に決まってるだろ

ーーー

〇〇:ふぅ…片付け終わった…


瑛紗:ごめんね手伝わなくて


〇〇:あ、うん…大丈夫だよ?


瑛紗:ねぇどう?


〇〇:どうって…髪乾かさないと風邪引くよ?


瑛紗:へへへ…水も滴るいい女でしょ?


〇〇:ま、まぁ…


瑛紗:なにその反応??可愛くないの??


〇〇:いや、なんか…ちょっと…あ、、


瑛紗:まぁいいや〜髪乾かしてきまーす


総馬:お前も男なんだな笑


〇〇:うるさいよ総馬


総馬:まぁ瑛紗も狙ってやってるんだろうな笑

彼女の場合天然なのかわざとなのかわからない
それは一生理解できないのかもしれない
僕は池田瑛紗という人を理解しようとしていく度に何か壁のようなものに当たりそこを叩こうとすると音すらしない
返ってくるものは自分への問いかけでしかない
一種の拒否反応にも思える

美空:お待たせ〜


総馬:うわ…美空めっちゃ可愛い…


美空:嬉しい…ありがとう❤️


〇〇:うん!美空似合ってるよ!


美空:〇〇もありがとう〜瑛紗もうすぐで来るよ?


〇〇:う、うん…


総馬:ちゃんと褒めろよ笑


美空:褒めないのは無しだよ?笑


〇〇:わ、わかりました…


瑛紗:お待たせ〜


〇〇:え…


美空:て、瑛紗…凄い可愛い…


総馬:俺もびっくりした…な、〇〇


〇〇:うん…すごく可愛い


瑛紗:どういうところが?笑


〇〇:なんか大人っぽくて綺麗だなって…


総馬:ふふ


美空:笑


瑛紗:嬉しいよ…ありがとう


〇〇:じゃ、じゃあ行こうか!!


総馬:忘れ物するなよ美空


美空:うん!これ持ってくれる?


〇〇:あ、池田さん持つよ


瑛紗:ありがとう〜そういえばどこ行くの?


〇〇:とりあえず電車乗ろうか?


瑛紗:うん!


総馬:俺らは鎌倉行くから反対だな


美空:はーい!じゃあ瑛紗…期待してるよ?笑


瑛紗:ふふふ…帰って来なかったらごめんね笑


美空:お互いにね笑

ーーー

瑛紗:ん!美味しい!


〇〇:この豚まん美味しい!


瑛紗:まさかクリスマスに中華街とは笑


〇〇:他にも行くよ?


瑛紗:じゃなかったらあそこの海に沈めてやる笑


〇〇:怖いから笑


瑛紗:冬の海は凍るよ〜


〇〇:タイタニックでしか見たことないよ…


瑛紗:そんな悲しい顔しないの笑ほら!次どこ行くの?


〇〇:歩いて赤れんが倉庫行こうよ?


瑛紗:いいね〜結構暖かいしね!


〇〇:陽の光でちょっと暑いくらい笑


瑛紗:手は寒いよね〜


〇〇:確かに…


瑛紗:えい!


〇〇:え!?あ、ちょっと…


瑛紗:片方くらいあっためてよ?彼氏なんだからさ?


〇〇:それは…僕じゃなくて…そなたが勝手に言い出しことでございまして…


瑛紗:はいはい!早く行くよ!

僕たちのように男女2人でいるのはたくさんいる
しかしこれほどぎこちなくそして彼女に引っ張られる人もなかなかいないのではないか
僕はリードに繋がれた犬のようだが行き先だけは自分で決めていく、そもそも彼女がこんなにも素直についてきてくれることが不思議でたまらなかった

瑛紗:いつも海見てるけど横浜の海もいいね


〇〇:大きい船もあるから全く違うように見えるよね


瑛紗:いつかあんな大きな船で旅したいんだよね〜


〇〇:凄い壮大な夢だね笑


瑛紗:いいじゃん?船でゆっくり海眺めながら好きな絵を描いたり夕日が沈むのを見て〇〇のピアノ聴いてそのまま寝るの


〇〇:え?僕も行くの?


瑛紗:当たり前でしょ?1人は寂しいけど〇〇とならいつでも楽しそうだし!約束だよ?世界回っていろんな発見とか刺激受けて行った国で絵を描いて売ったり〇〇のピアノを聴いてもらってそのお金で暮らせるじゃん!


〇〇:うわお…


瑛紗:約束の指切りね!


〇〇:え?あ、うん、約束

この時の約束は後に守れることになれるのだろうか
不安の中にある期待を僕は感じながら今の時間を幸せに感じていた


〇〇:そ、そうだ!ねぇプレゼントどうする?


瑛紗:え?プレゼントくれるの?


〇〇:いや…クリスマスだし…さすがに何かあげなきゃって…いや!いらないなら全然いいし…


瑛紗:ニヤニヤ


〇〇:え?な、なに?


瑛紗:なら……指輪がいい!


〇〇:え"


瑛紗:なに?


〇〇:ゆ、指輪って…お、重いし…結婚するわけじゃないし…


瑛紗:別にカップルでも付けてる人いるし普段は付けなくてもネックレスにすれば良いんじゃないの?そもそも深い意味感じなければいいでしょ?


〇〇:ま、まぁ…それなら…え?それなら?


瑛紗:高いものじゃなくていいから!行こ!


〇〇:あ、はい…


瑛紗:この青のとかいいんじゃない?


〇〇:そうかな?


瑛紗:いいじゃん!私達海よく行くしこの色綺麗だから!これにしよう!すみませんこれいいですか?


店員:はい!サイズをすぐに変更出来ますがどうされますか?


瑛紗:じゃあ…右手の薬指に合わせてください!


〇〇:え"?く、薬指????


瑛紗:左手は今度ね❤️


店員:元気な彼女さんですね笑


〇〇:ひ、え、ぐぅ…か、彼女ですね…


瑛紗:毎回毎回どこからそんな声出てるの笑


〇〇:何度聞いても慣れなくて…


瑛紗:もし〇〇が結婚するってなったらどうするの笑


〇〇:け、け、け?結婚!?い、い、い、池田さんと!?


瑛紗:いや笑私とは限らないかもしれないけどそんなに動揺してたら他の人だと怒るかもしれないよ笑


〇〇:え…他の人?

この時悲しいとかじゃなく、急に引き離された感じがして少し戸惑った
あんなに急に寄ってくることはあるのに今の言葉には裏があるとしか思えなかった

店員:お待たせしました〜付けてみてどうですか?


瑛紗:ぴったりです!


〇〇:僕もぴったりです!ありがとうございます


店員:ありがとうございました!


瑛紗:うーんお揃いの指輪いいね〜♪


〇〇:なんか…慣れなくて恥ずかしいよ…


瑛紗:ん?見せて見せて!いいじゃん!2人の記念なんだから!堂々と見せてようよ!


〇〇:う、うん…


瑛紗:だんだん暗くなってきたね


〇〇:なんか飲み物買ってこようか


瑛紗:寒いしそうしようか〜


〇〇:ホットチョコレートいいね


瑛紗:ホットワインでもいいよ?


〇〇:未成年です!


瑛紗:ケチ笑


〇〇:ホットチョコレート2ついいですか?


店員:わかりました〜はいどうぞ!


〇〇:はい、あげる


瑛紗:ありがとう〜あったかーい


〇〇:そろそろ倉庫の方行こうか


瑛紗:なにするの?


〇〇:内緒!


瑛紗:へぇ〜笑楽しみにしてるよ!


〇〇:そういえば今日夕方から雪が見れるかもしれないって言ってたよ?


瑛紗:雪かぁ〜クリスマスに最高だねー


〇〇:ここで座って待ってよう


瑛紗:うん…ありがとう


〇〇:こちらこそありがとう


瑛紗:なにが?


〇〇:クリスマスがこんなにいいものだとは思わなかったから…


瑛紗:うん


〇〇:それにお礼言いたかった

トン

瑛紗:私はこれからもこうしていたいけどね

彼女は僕の肩に頭を乗せて言い
僕は口にすることが相変わらず出来なかったが心の中でそうだねと言ってこの瞬間が続けばいいと思った

パァーッバー

瑛紗:え!凄い!


〇〇:ここのイルミネーション綺麗だからね、ここからならゆっくり見れるから


瑛紗:今…幸せだよ…


〇〇:うん…


瑛紗:うん…


〇〇:また来年も見ようか


瑛紗:うん…そうだね…


〇〇:約束したし


瑛紗:うん…


〇〇:終わった…じゃあ帰ろ…

イルミネーションの終わりと共に散らつき始めた雪が静かに落ちていく

〇〇:え…

そして彼女も

〇〇:い、池田さん…?池田さん!


もし人生でもう一度でいいから戻れるならこの日を選ぶ


けどもそれは、覚悟を決めなければならない
僕はどんなことでも逃げ続けることは出来ないのだと





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