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memory's 第35話


ピピピ

〇〇:んん…

ガチャ

秋也:起きてた?


〇〇:目覚ましの音聞こえただろ、今起きた


秋也:だから開けたんだよ


〇〇:んで?どうした?


秋也:今日休みだろ?


〇〇:忘れたのか?俺美月ちゃんと…


秋也:午後からは紗耶とかっきーと会うだろ?


〇〇:まぁとりあえず行ってくるか…


秋也:つーか日曜なのに病院ってやってるのか?


〇〇:ああ、美月ちゃんって個人で部屋借りてるから簡単なリハビリとトレーニングくらいなら出来るんだよ


秋也:あの人すげーな


〇〇:お金は持ってるよ


美月:ヘックシュン!


梅澤:〇〇が噂してるぞ


美月:あら嬉しい♡


梅澤:そんなリアクション求めてない


美月:酷くない?


梅澤:ところでインターハイまでの契約だけど…


美月:延長する?


梅澤:え?いいの?


美月:いいわよ?今まで見てたチームも離れたし個人のトレーナーは全然見れるしね〜


梅澤:それならあと2年ほど…笑


美月:ん?2年?あー〇〇くんが引退するまでってこと?


梅澤:ということになる…


美月:ぷっ笑別にそんな変な気遣いいらないわよ笑私の気分的には4年は見てあげる笑


梅澤:え?その気分変わらない?


美月:うーん、情けない子が居たら変わるかも


梅澤:おいおい…

ーーー

紗耶:やばーい!!!


遥香:疲れてたんだね笑


紗耶:なんでよりにもよってこんな日に寝坊するのー!!!


遥香:着ていく服は決めてたのはエライ!


紗耶:昨日帰ってきてから鏡に向かって何度も合わせてたんだよ…


遥香:それはそれはこれだけ散らかったお部屋見ればわかります笑


紗耶:まずはお風呂入ってくる!バタン!


遥香:まだあと3時間あるのに笑

ーーー

〇〇:ぐぎぎぎぎ…


美月:昨日ストレッチした?股関節の張り結構あるわよ?


〇〇:したんだけど…いってぇー!!!


美月:あれだけ激しく動けばそうなるのはわかってるんだからもっと入念にするの!


〇〇:ぎぃやああああああ!!!


美月:どう?高校生のレベルは?


〇〇:思ってたよりレベル高いね


美月:あら、上から目線


〇〇:というよりもまだ自分が強いのかわからない


美月:うーん


〇〇:どう思う?


美月:正直言うならそこら辺の高校生よりは強い、でも全国レベルになると多分今のレベルなら…平凡より少し上くらい


〇〇:……


美月:まぁインターハイまであと1ヶ月と少し、その間にしっかり怪我せずいい練習と目的と目標を持つこと、そのためにも…


〇〇:そのためにも?


美月:今をしっかりいじめることね♡


〇〇:ん?…ぎぃやあああああああ!!!!

ーーー

洋平:〇〇は?


秋也:美月さんのところです


洋平:うん、もうそれ以上聞かないことにする


秋也:洋平さん


洋平:なに?


秋也:昨日の俺どうでした?


洋平:うーん、まぁアドレナリン出てたから冷静になってみると、技術以上にフィジカルだな


秋也:はい


洋平:ボールの重さとかそれこそ体力的なものもまだ高校のトップでやるには足りねぇな


秋也:…


洋平:ただ現状でもそれなりに勝てると思うけど今後ずっと勝ち続けるにはフィジカルだな


秋也:完全に足りないですか


洋平:中学の時なんかフィジカルトレーニングなんてほとんどしないだろ?これからだよ、それに〇〇って昔怪我しただろ?


秋也:知ってるんですか?


洋平:見てればわかるしあの右肩の手術痕は普通じゃねえだろ、風呂で見たしな、秋也


秋也:はい


洋平:お前はお前らしくいろよ、誰のものでもねぇ人生だ、〇〇のためにとか〇〇とじゃなきゃって考えるなよ、お前は貪欲になれ、引っ張られてばかりだと自分に良いものが返ってこないからな


秋也:わかりました


洋平:よーし、俺は瑠奈とデート行って来るわ


秋也:洋平さん、めっちゃいい話してカッコよくて尊敬してます


洋平:なんだよ気持ち悪いな


秋也:ただ…


洋平:なんだ?


秋也:チャック開いてます


洋平:…行ってきまーす

ーーー

遥香:気合いでメイクを終わらせてそれでも可愛いって元が良すぎない?


紗耶:そんなこと無い!あーもっとチーク薄くても良かったかなー?


遥香:え?逆に私大丈夫?


紗耶:まだ時間あるからメイクしてあげようか?


遥香:え?いいの?


紗耶:その代わり秋也くん取らないでね!笑


遥香:w

ーーー

秋也:おかえり


〇〇:ただいま


秋也:なんかげっそりしたな笑


〇〇:美月ちゃんのせいだよ!


秋也:まぁまぁ笑それよりも早くしないと遅れるぞ?


〇〇:とりあえずシャワー浴びてくるわ


秋也:おう


〇〇:あ、秋也


秋也:なに?


〇〇:今日ご飯だけかな?

ーーー

紗耶:ちょっと早く来すぎたかな?


遥香:そんなこと無いんじゃないかな?それよりも大丈夫かなこのメイク?


紗耶:可愛いよ!普段よりも違うからびっくりすると思うよ!


秋也:おーい


紗耶:あ!秋也くん!


〇〇:おーす


遥香:おはよう〇〇くん


〇〇:ごめん!待たせた?


紗耶:大丈夫!私達も今来たばっか!


秋也:ならよかった、紗耶今日メイク可愛い


紗耶:え!?そ!そう!?


秋也:うん、いつもより大人っぽいし


紗耶:あ、ありがとう///


遥香:〇〇くん身体大丈夫?


〇〇:午前中に美月ちゃんのところでじっくりケアしたからまだマシかな〜疲労感はあるけど笑


遥香:そんな無理しなくても良かったのに…


〇〇:いいや!遊べる時に遊ぶ!じゃないと次から次に大会も合宿も来るし!


紗耶:え?次の合宿ってインターハイ前でそのあとは?


秋也:多分アンダーのことだろうな、去年も選ばれてるし、それに今年で16歳以下は終わりだからだいたいメンバーは決まってるしな


〇〇:まぁ元大京中メンバーだな

ーーー

将吾:へっくしゅん!

ほら、ティッシュいる?

将吾:お?柚菜サンキュー


柚菜:風邪?


将吾:俺が風邪引くと思うか!?


柚菜:うん笑


将吾:生まれてから風邪なんて一回しか引いたことない!


柚菜:わかったから鼻かんだら練習戻るんだよ笑


将吾:明日は練習はねぇからな!柚菜!明日はデートしようぜ!


柚菜:デートじゃなくて遊びに行くならいいよ笑

ーーー

遥香:へぇーじゃあ大京中のメンバーは色んなところに居てそのメンバーで大体決まっちゃうんだ


秋也:もちろん高校入って伸びるやつもいるけどやっぱ1年から結果残せる奴なんて限られてるしな


紗耶:2人共いつからそのメンバーに入ってるの?


〇〇:俺は2年から


秋也:俺も、大京中が優勝してからだから2年からかな?それでもちょいちょい国際大会出てたしな、今更スケジュール的なところでは戸惑い無いかな


遥香:ハードすぎない?


〇〇:強い奴と練習出来るからいいんだよ、そのためなら多少のことは乗り越えられるよ


遥香:じゃあこれからどんどん居ない時間増えていくんだ…


店員:お待たせしました〜エビドリアとナポリタンセットのお客様は


秋也:あ、俺っす


紗耶:結構食べるね!


店員:オムライスの方は


遥香:私です


〇〇:おー美味そう!


店員:エビフライとハンバーグセットの方は


紗耶:はーい!


秋也:なんかお子様ランチみたい笑


紗耶:うるさいよ笑


店員:オムハンバーグとたらこスパゲッティとミックスフライ定食の方は?


〇〇:はーい!


秋也:なんて?


紗耶:ん?


遥香:最後定食?


〇〇:え?なに?


秋也:オムハンバーグに米あるよな?スパゲッティまでならわかる、最後定食?


〇〇:味噌汁飲みたかったから!


紗耶:そういう問題?


〇〇:いいからいいから!まずは食べよ!いただきまーす!

ーーー

祐希:ふぅ…

おかえり

祐希:え!?


宗則:寂しい部室に帰って来るのは嫌だろ?


祐希:いや、え?今日休みでしょ?


宗則:だから練習しないでここにいるんだけど?


祐希:え?意味わかんない…


宗則:待ってたってことよ、荷物片付けたら行くぞ


祐希:どこに?


宗則:祐希の行きたいところ

ーーー

瑠奈:ところで洋平


洋平:ん?


瑠奈:宗則くん?さん?


洋平:呼び捨てでいいよアイツは


瑠奈:一応先輩だからそうもいかないよ


洋平:じゃあ君でいいよ


瑠奈:宗則くんは本当に祐希さんのこと好きなの?


洋平:確証は無いけどみんながそうイジってるうちに宗則が本気になったな


瑠奈:え?イジリだったの?


洋平:まぁそもそも宗則がテニス以外に鈍感すぎるのが問題で早く気づかせてやりたかったんだよ、それは監督も知ってる


瑠奈:え?ますますわかんない…

〜〜〜

梅澤:宗則はもう少しテニス以外にも目を向けてほしいな


洋平:え?なんでですか?アイツからテニス以外のことさせたらなんも取り柄無いですよ?


梅澤:そういうことじゃなくて、私生活くらい切り離した方がこの先のためになるんだよ、だってアイツ絶対結婚とか出来なくなるぞ?


洋平:なにを考えてるんですか?高校生ですよまだ?


梅澤:テニスだけを教えるのが教師じゃないし


洋平:と、言われても宗則は子供ですよ?


梅澤:その子供を少しは大人にさせるのさ


洋平:大人ねぇ…


祐希:こら宗則!真面目にやれ!


宗則:やべぇ!ウォンバットが怒ってる!


祐希:誰がウォンバットだ!?


洋平:…至難の業ですよ?


梅澤:恋愛させよう…


洋平:え?誰かいるんですかアイツに?


梅澤:こっちで作り上げればいい


洋平:え?まさか…

〜〜〜

瑠奈:え?悪どい…


洋平:まぁ結果としては成功してるんだけどな


瑠奈:でも付き合ってないでしょ?


洋平:お互い踏み出せないだけさ、だから俺らとしては成功なのよ、あとはあいつら次第さ


瑠奈:そんなものなのかな


洋平:部内恋愛なんて難しいに決まってるから祐希も宗則も気が引けるのさ


瑠奈:2人共真面目だからか


洋平:祐希はわからないけどな

ーーー

宗則:奈良と香川どうだった?


祐希:美味しかった!


宗則:そんなこと聞いてないよ笑


祐希:ぶぅ…どっちも強かったよ?やっぱり1年生達が両方ともいきが良かったかな


宗則:あの大京中メンバーか


祐希:十分強いし3年生と組んでも全く動じてない


宗則:安田が組んでるの1年とか言ってたな


祐希:三浦くんだっけかな、正直今年の1年生ではぶっちぎりで上手いと思う


宗則:〇〇よりもか


祐希:才能という意味では〇〇くんはあるよ?でも現時点では三浦くんが頭抜けてる、あと奈良の1年生もなんか淡々とやってるのに強さがわからないけど勝って優勝してた


宗則:秋也と似たタイプか?


祐希:似てはいるけど秋也くんほどハードヒットせずいなしてる感じ、相手に合わせてる感も無いけど…って言葉にするのが難しいくらいわからなかった


宗則:映像見てみればわかるか…


祐希:ところで宗則さ


宗則:なに?


祐希:確かに食べたいものラーメンって言ったけどさ


宗則:うん


祐希:私は博多のバリカタとんこつラーメンが食いたいっちゃけ!なんで家系やと!?


宗則:しょうがねぇじゃん!東京の豚骨は家系が多いんだから!


祐希:まぁ美味しいけど…


宗則:しっかりご飯もおかわりしてるじゃん!


祐希:うるさい!
ーーー

〇〇:ふぅ…お腹いっぱい


秋也:だろうな笑


紗耶:見てるこっちもお腹いっぱい…


遥香:そんなに食べて動けるの?


〇〇:動ける…はず!でも少し休みたい笑


秋也:全く笑かっきー頼むから面倒見ててよ?俺紗耶とちょっと行ってくるから


遥香:ん?え?どこに行くの?


秋也:これから二手に分かれようぜ?なぁ〇〇?


〇〇:うす🙋


紗耶:えええええ!?


遥香:えええええ!?


秋也:まぁ行ってくるわ、紗耶行こ


紗耶:ええええ!あ!はい!


遥香:えーっと…


紗耶:秋也くんいいの?〇〇くん放っておいて?


秋也:あー大丈夫笑〇〇がかっきーにお礼したいんだってよ?


紗耶:お礼?


秋也:ほら、かっきーって無意識のうちに〇〇応援してるじゃん?笑だからそれをあんまりみんなの前で大袈裟に言えないからこういう時に言いたいんだってよ?


紗耶:〇〇くんって律義だよね


秋也:律義ではあるか…でも礼儀は無いよ?


紗耶:そう?宗則さんにだけじゃない?


秋也:それもそうか笑


遥香:ね、ねぇ〇〇くん


〇〇:ん?


遥香:急にどうしたの?


〇〇:なにが?


遥香:二手に分かれてなんて…


〇〇:あーそれはねー…はい!これ!


遥香:ん?なにこの袋?


〇〇:いいから開けて!


遥香:う、うん…ん?これ?髪留め?


〇〇:なんかかっきーってロングで結んでたりするの見たこと無いから使うかなーって思ったりしたけど…


遥香:使うよ!家とか夏になったら暑いし!それにこれ可愛い!


〇〇:おー良かった!めちゃくちゃ自信なかったんだけど…笑


遥香:いつ買ってたの?


〇〇:前に買い物行った時あるじゃん?あの時に渡しそびれた笑


遥香:そうなんだ笑


〇〇:気に入ってくれて良かった!


遥香:大切にするね…って…え?


〇〇:どうした?…お?お?


祐希:宗則と部活以外で歩いてるのなんていつぶり?


宗則:2年のクリスマスの時じゃないか?


祐希:宗則がクリスマスデートしたいって言ってた時だ笑


宗則:言っとくけど誰でも良かったわけじゃねぇからな


祐希:の割には私と行くのギリギリまで嫌がってたじゃん?


遥香:ねぇ…〇〇くん…やっぱ尾行やめようよ?


〇〇:ひひひ…なんか楽しいじゃん?笑あのアホキャプテンがどんなデートするのか見てやる…笑


宗則:祐希だって「宗則と行くのは消去法!」とか言ってたじゃねぇか


祐希:そ、そんなこと言ってはいたけど思ってはいない!


宗則:はいはい笑んで俺たちももう3年だろ?


祐希:早いよね〜あんなちんちくりんだった宗則が笑


宗則:祐希は…あんま変わんないけど…


祐希:けど?


宗則:女としては凄く成長した


祐希:変態


宗則:ちげーよ!綺麗になったなって思ってるの!…あ


祐希:え//////


〇〇:おーっと笑


遥香:キャプテンらしくない笑


宗則:と、とにかくだ!俺たちにはインターハイと国体しかもうチャンスは無い!だからこそ必ず全国優勝して、お前を日本一のマネージャーにしてやる!


祐希:なにそれ笑


宗則:選抜は俺が絶不調だったからな…


祐希:先生にブチギレられてだもんね笑


宗則:酷いにもほどがあった…でも今年の夏はいける気がするよ


祐希:自信あるねぇ…


宗則:俺1人じゃ無理だよ、洋平が居て、俊が居て、浩介が居て、〇〇と秋也も来た、そしてベンチに入れなかった奴らも居る、個人よりも団体は勝ちたい


祐希:団体は?


宗則:団体も!!


祐希:そうそう!大事なのは気持ちよ!


宗則:祐希さ、


祐希:うん?


宗則:祐希はもう彼氏作らないの?


祐希:…わかんない


宗則:わかんないって?


祐希:もし…


宗則:今の祐希を見て誰もそんなことにはならないって思うよ


祐希:……


宗則:それに大事なのは気持ちだろ?


祐希:それとこれとは違う…笑


宗則:だから…お前さえよければ…

ブァァァクション‼︎‼︎!

宗則:は?


遥香:は!!


〇〇:グシュン…


祐希:2人共なにしてるの!?


宗則:さてはテメェ…


〇〇:俺はなんにも聞いてない!ね!かっきー!

遥香:尾行しようって言われました…


宗則:〇〇テメェってやつは!!!!

ギィィィヤアアア‼︎‼︎‼︎‼︎

洋平:ん?


瑠奈:どうしたの?


洋平:なんか聞き慣れた悲鳴が聞こえた

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