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学びの地産地消!高校生の探究を見る中学校の校内研修会

日付:2021年4月5日
場所:階上中学校
対象:教職員
概要:校内研修会
コーディネーター:加藤・成宮・三浦

階上中学校の校内研修会にて「探究学習とは?」を先生方と考えるワークショップを開きました。

なぜ今、探究なのか?

まず、なぜ今探究学習が求められるのか、簡単におさらいします。

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今、時代が大きく変わりつつあります。

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時代が変わると学びも変わります。今まで右肩上がりの時代は、教壇に立つ教師から唯一解・絶対解を教わり、テストで正確に答える力が求められました。会社に入ってもそうです。

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一方、これからの時代は「問い」から空欄になります。自分たちで問いを立てて、仲間と納得解を導いていく力が求められます。

あなたが教育長!?探究活動を審査してみまショー

さて、今日の研修のメインはここからです。これぞ「学びの地産地消」と私たちコーディネーターが自信を持ってお送りするプログラム。「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」の高校生のプレゼン動画を視聴して、探究とは?と考えるというものです。

「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」とは気仙沼市が主催する高校生のプレゼン大会です。私たちコーディネーターはアワードの実行委員も兼ねており、高校生の伴走サポートも行っています。地域で展開してきた探究活動、マイプロジェクトの過程や成果を熱くプレゼンする気仙沼の高校生たち。その姿を中学校の先生たちに見てもらおうという企画です。

ただ見るだけではありません。教育長や市長らアワードの審査員らが当日に使うものと同じ審査シートで審査してみるのです。そうすることで「へぇ〜最近の高校生はすごいね〜」で終わらず、どこをどう評価できるのか一段深い見取りができるわけです。

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3人の高校生のプレゼンを視聴します。評価基準は「主体性」2項目「協働性」2項目「探究性」3項目の計7項目、それぞれ5点ずつ合計35点満点で審査します。ほぼほぼオール5点の先生もいれば、各項目2〜3点の先生もいます。個別で審査した後はグループごとにディスカッションしてもらいます。

1. なんでその点数にしたのか?
2.何を評価したのか?
3.どうすれば満点になったか?
4.そのためにどういう機会があればいいか?

審査結果を共有しながらこの4点について話し合ってもらいます。さすが先生たち、この議論は尽きることがありません。

最後は「あなたが探究学習を通して育みたい生徒の力を、あえて一つにしぼるなら何?」という問いを投げかけます。一人ずつA4の白紙にプロッキーで一言大きく書いてもらいます。

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興味深いことに先生一人ひとりの回答が異なります。この違いから起きる対話がとても大切です。先生たち自身が楽しんで探究していただくことが大切です。

この探究学習の研修プログラムは2021年正月に誕生、希望があれば気仙沼の各中学校で実施しています。「まずは先生たちの探究学習に対するハードルを下げてほしい」と、とある学校で依頼されたのがきっかけでした。探究学習の理論だけでは頭でっかちになってしまいます。先生たちは生徒と接するプロです。でしたら、生徒が実際に表現している様子を見てもらうのが一番!と思い至ったのです。活き活きと語る高校生の姿を見て、中学生が育っていく姿を重ね合わせるでしょう。中高の連携を促進するきっかけにもつながると信じています。

(文・気仙沼市探究学習コーディネーター 加藤拓馬)

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