共通テスト日本史について〜2018年試行調査第4問問2を考える〜

センター試験が終わり、新しく「大学入学共通テスト」(以後、「共通テスト」と略す)が始まります。2021年1月16日(土)・17日(日)がその第1回ということになります。どこまで覚えたらいいかについてはこちらをご覧ください。また、資料問題との向き合い方についてはこちらをご覧ください。

今回は、試行調査のある問題をクローズアップして考えてみたいと思います。一般的に共通テストは、「資料問題が多く選択肢の歴史用語が少なくなる」と思われがちです。ですが、資料問題は2018年の試行調査に限って言えば、全体の半分にすぎません。そして、選択肢に用いられる歴史用語は、センター試験に比べれば減っていますが、それでもゼロなわけではありません

今回注目したいのは、2018年試行調査第4問の問2です。

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③の選択肢は元禄文化であり、化政文化ではないので誤りですが、ほとんどセンター試験の正誤判定問題と同じです。全ての選択肢に歴史用語があります。私は最初この問題を見た時、問題作成者の「妥協」という印象を受けました。資料の読み取りが必要なく、設問形式も試行調査的ではない。だから「妥協」という印象をもったのです。が、最近、そう思った自分は間違っているのではないかと考えるようになりました。

結論を言いましょう。私の考えはこうです。この設問は試行調査作成者(作成グループ)からのメッセージであると。歴史用語を大幅に減らした選択肢を見ると「歴史用語は覚えなくていい」と思われがちですが、そうではないと。

共通テストでもきちんと歴史用語を覚えていなければ高得点は獲得できない

というメッセージなのではないかと。私はそう考えています。受験生の皆さんは、基本的な歴史用語を覚えながら時代の特徴をつかむ学習を進めてください。


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