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ディズニーで「デバッグ」したことありますか?: エンジニア人生が変わったJPHACKS体験記

こんにちは。JPHACKS2022 2冠, 未踏IT2023年度採択のTakemiです。
この2つの肩書きは一見別々に見えますが、実はつながっています笑 JPHACKS2022の1ヶ月で作ったアプリをベースに未踏に採択されて、ブラッシュアップを続けていったからです。そんな私の人生を変えるきっかけともなった「JPHACKS」について話していこうと思います。


私とJPHACKS

2019年入学の新M2なのですが、JPHACKSは学部1年生の頃から知っていました。なぜなら中部地区の会場が自分の大学だったから。
くしくも基本情報処理試験と被ってしまってJPHACKSにはこの年出れませんでしたが、コロナを経て2021年に初出場を果たしました。

JPHACKS2021 (B3: trim)

そのきっかけは、TECHCAFEというエンジニア学生が集まるコミュニティスペース。現在は無くなってしまっていますが、なんと2019年から毎年Award Day (本選)に誰かが進出しているという環境でした。その中で出会った仲間とともに、前年2020年のAward 進出者(現在は審査委員にもなっている同期@scratchpyonkey)と5人で出ました!
チーム名は「テックカフェテリア」
4大学5人からなる不思議なチームはここで最初出来上がりました。
結果は 中部地区トップ かつ Award Day(本戦)進出が決まり、 本戦では審査員による審査 4位, 聴衆投票 2位でした。

JPHACKSの賞の仕組みはとても良くて、本戦に進出したからと言って①,②を全員が目指すわけではありません。それぞれ賞にあったプロダクトの作り方が違うので、どれを重視するかによって戦略が大きく変わります。
意外と学生の皆さんそこを抑えていないままの人もいますが、中には企業賞のシンガポール旅行(賞金でいうと①,②より大きいかも?)を狙って作っているプロダクトもありました!笑
どちらが正解というわけではない方で目指したい方向性やレベルに合わせて自分で定められるのはとても良い点です。

補足) JPHACKSの賞の仕組み
① Best Hack Award: JPHACKS最大の名誉であり審査員による採点で決まる
② Best Audience Award: 審査員だけでなく、参加者も含む全員による投票(みんなが本当に欲しいというものがここで評価される)
③ 企業賞: 各企業が事前に定めた基準に合致しているチームに賞が与えられる

まさか初出場でここまで良い順位を取れると思っていなかったけど、この順位になると悔しい…
リベンジを誓ったJPHACKS2021

JPHACKS2022 (B4: ディズニーAIナビ)

昨年のリベンジのために挑んだJPHACKS2022。昨年のチームメイト2人は学部卒業とともに就職してしまったので、3人チーム。
私が大の「ディズニー好き」という背景から、経験知も詰め込んだ「ディズニーが詳しくなくても待ち時間を少なく回れるルート提案アプリ」を作成しました!
その結果、なんと見事 Best Hack Award・Best Audience Awardの2冠を取ることができました!!
Best Hack Awardは審査基準に則ったプロダクトが作られているかが評価されて選ばれ、Best Audience Awardはみんなが欲しいと思うものが選ばれます。同じように見えて両立するのが難しいとJPHACKS2021では痛感していたので、実はBest Audience Awardは半分取れなくても仕方がないと諦めていましたが、自分が欲しいもの・あったらうれしいものを追求した先に、みんなも欲しい!と思ってもらえるものが作れたと感じ、当時とても嬉しかったことを今でも覚えています。

現在も開発・リリース中ですので良かったら!!

ちょっと裏話

このnoteを読んでいる方の中には、JPHACKSに出ようと思っている人もいるかもしれません。そんなあなたにJPHACKSで優勝するために私たちがやっていたことをお話しします。(ここまでやったら優勝できますが、大変ですのでススメはしませんw)

私たちがやったこととは?一般的にハッカソンはギリギリまで開発してるケースが多いので発表前日はかなり貴重な日です!そんな中私たちは11/13(日)のハッカソンの前日どこにいたかと言いますと…

「ディズニーシー」にいました!笑(控えめに言っても頭おかしいw)
理由は自分のこだわりでハッカソンでは机上の空論でおわる紙芝居ではなく、実際に使えるものを作りたい!という想いから本当に使えるものができたと証明できるように確かめたいと思い立ったわけです。(予選の日にチケットを取りました)予選が終わってからは、実証実験のためにハッカソン+Kaggleみたいなことを続ける日々、ここの1ヶ月の間は先生にもお願いし研究室も休ませてもらって文字通り時間を全て注ぎ込んで開発しました。(もちろんその前に研究の進捗を産んだ上ですが、結果として中間発表はこのハッカソンで作った内容が研究内容に近いので発表資料の再利用はできましたw)

みなさん、「ディズニーでデバッグしたことありますか?」実際に右下の写真は、待ち時間でデバッグしている写真ですが、ハッカソンでできているように見せかけるものから実際に使えるものへと昇華するために一番ネックになるのが「バグ処理」です。後半は一度きりの実験で失敗できないのでかなり時間を注ぎ込みました。

指定した8つのアトラクションに対して、アプリを使った場合と使わない場合の2チームに分けて実際に回って確かめました。
その結果はなんと、予想以上の「2時間41分」の差に!!
もちろんヴェネツィアン・ゴンドラでは、JPHACKSのBest Hack Awardを取れることを祈願しましたが、それが近づいたと感じた瞬間でした!

あとは、あまり話していないことなのですが、夕方からプレゼン資料を作ろうと8つのアトラクションに絞っていたわけですが、この日はなんと「ビリーヴ」という新しいショーの2日目(前日はMISIAさんも来ていた)という特に混んでいる日で、電波は全く使えない状態に…
Canvaで枠組みだけ作っていたがゆえにピンチに…
なんとかプレゼンの構成だけメモをしながらショーを待ち、ホテルに戻ってスライドを完成させたのはいい思い出(寝たのは4時かな?とかなのでみなさん真似しないように)

16:20でこの混雑具合


JPHACKS2022後の懇親会

2022年はまだコロナが少し明けてきはじめつつも、マスクはまだ外せなかった時期。JPHACKSも例外ではなく、本戦こそオフラインだったものの、予選はオンライン開催でした。
ハッカソンの醍醐味はなんと言っても、一緒に切磋琢磨し苦労したライバルとの出会いと懇親会。それが、本戦ではでき良いつながりになりましたが、予選ではそれができなくて残念でした…
その時につぶやいたのがこちら!

しかし、Cブロック(中部地区)のメンバーを見ると15チーム中12,13チームが名古屋大学、名古屋工業大学、名城大学に集中していることが判明(謎につながりが多いことがここで生きましたw)
これは懇親会できるのでは?と思い即行動
自分の友人・知人づてに連絡をとってみたら、なんと半分以上のチームに参加してもらえました!(みんな交流を求めている+予選は90sしか発表がなくて全然作った成果を共有できる場が少なくて残念に思っている人も多そう)

ちなみに余談ですが、Jack(名古屋大学)、TAIR(私がやっているAI系の勉強会)、Idea×Tech(名城大学)は、MATSURIBA(東海地方の学生の出会いを生み出すためのコミュニティ)の加盟団体として今も繋がっていますが、最初にこの3つの団体が集まったのはここだったと思います!


未踏ITに挑戦

みなさん、JPHACKSと未踏がかなり相性いいものって知ってました?
審査基準が一部似ていることや、どちらも熱量のこもったもの・好きなものにのめり込んだものが評価されるという共通点はありますが、それだけではありません。
実際に私が採択された2023年度未踏ITの採択者のうち7人(3プロジェクト)はJPHACKS出身者です。
しかも私たちのチームだけでなく、「あんしん夜道」というJPHACKS2022の同期もJPHACKSと同じアイデアをベースに採択されています!

それだけでもありません。
審査員・組織委員会の方もこんなにも未踏が!

  • 組織委員会 副委員長: 竹内 郁雄さん (未踏 統括プロジェクトマネージャー)

  • 特別審査委員: 登 大遊 さん (未踏2003 スパクリ)

  • 審査委員: 神武 里奈 さん (未踏2014 スパクリ, 未踏ジュニア メンター)

ちょっと余談

JPHACKS同期でもあり、未踏IT同期でもある「あんしん夜道」チームとは、JPHACKS2022では座席が前後で、初対面でしたが受賞時の写真をお互いに撮ったりという形でつながり、その半年後 未踏の2次面接直前に面接練習をしました。その時に声をかけてもらったことで、より自分たちも発表をブラッシュアアップできたので、その時に出会いに感謝しかないです!
未踏が始まってみると、なんと同じPM(プロジェクトマネージャー)の元で切磋琢磨する仲間になりました!
今後もそういうつながりが生まれるといいな〜と切に願ってます。

ちなみに「あんしん夜道」の いしてぃ さんは Dots to Code というハッカソンの主催まで開くなど大活躍しています!なんと参加者206人!!
「エンジニア界隈を盛り上げる」と口でいうとは簡単ですが、それを実際に実行するには多くの労力と協力が不可欠です。下の記事はそんなハッカソンにこめる想いと努力がまとめられているので、是非みなさんも読んでみてください!

私とJPHACKS

JPHACKS2023

私としてはJPHACKSに出るなら全力を尽くした上で優勝したいと思っているので、出るかどうか最後まで悩みました。それは、未踏ITに採択されていたからとまだ納得できるアプリにできていなかったから。これは人によると思うので正解はないと思いますが、私は未踏に専念することでJPHACKSで作ったものからここまでのサービスが作れるのか!というものを見せることでJPHACKSに貢献できたらと思い参加を見送ることにしました。
(参加者の一人として名を連ねることは他の人でもできますが、未踏に採択されて将来のJPHACKS出場者に背中を見せるのは自分しかできないと思ったので)

しかし、JPHACKSには貢献できることはないかな〜と思っていたら、OB枠として呼んでいただくことができました!
実際にJPHACKS2023の動画にも出させていただいています!

実際に予選から本戦までにありがたいことに複数相談してもらって、自分たちが取り組んでいたことや意識していた考えなど(これまでに上で書いたことを含め、それぞれのチームに合わせて)を話しただけなのですが、かなり成長していて驚くばかりでした!!

その中でも特に成長したのは、「PredictTalk」という初心者以上・ネイティブ未満の外国語学習者の会話を視覚的に補助するためのアプリ

実は大学の後輩でもあるのですが、聞くとハッカソンははじめての参加だそう。正直上のようなアドバイスをしたところで、やるかどうか本当に良いものになるかは本人たち次第。なので、私のようなOBにできることは方向性の相談にのったり一つでも多くのモデルケースを見せること。それがない状況から積み上げることの大変さは身に染みてますし、それは正直誰かに頼ることでショートカットできる。むしろハッカソンという短い期間ではショートカットしてその先に専念できた方が本質的です。実際にやり遂げ Best Audience Award (聴衆投票 1位)を獲得したときは、自分のことのようにうれしかったです!


今後やりたいこと

私はプレイヤーとしてハッカソンに参加することはもちろん好きですが、それ以上に「一歩踏み出すのをためらっている人に少し背中を押す役割」がもっと好きです。そして、その後勝手に転がっていく優秀な素材になる人は先述したPredicTalkの彼らをはじめ多くいると思っています。
JPHACKSは動画でも多くの人が言ってますが「一歩踏み出す」には最高のハッカソンです。しかし、その一歩踏み出す「前」とJPHACKSの後の「次」の一歩を踏み出すまでにできることや課題がまだ多くあると思ってます。JPHACKS今後も関わっていきたいですが、もし運営の方にこの記事を見ていただいて共感していただけたら、JPHACKS2024をよりよくするための議論・助力ができたらと思ってます

一歩踏み出すのをためらっている人に少し背中を押す役割

実際にこの取り組みは個人的にはもう始めています。
未踏に対して「雲の上の存在」と感じ、ためらっていた私でしたが、一歩踏み出したら採択され、また一歩違った人生を歩み始めれたと思っています。
しかし、愛知をはじめ東海圏にはなかなかモデルケースとなる人を身近に感じる機会が少ないゆえに、一歩踏み出すきっかけをつかめていない優秀な素材を持った人は多くいます。
そんな学生に向けて第1弾として「愛知にゆかりのある未踏クリエイターによる愛知の学生に向けたLT・座談会」を開催しました!
愛知の学生のためならと、Qiitaの親会社であるエイチームに会場を提供していただき、未踏クリエイター10人・藤井PMに登壇そして55人の参加者に来ていただきました!

半分以上の人が普段勉強会にあまり出たことがない人でそのような人こそ、一歩踏み出してイベントに参加してほしいと思っていたので、このようなイベントに参加するという「一歩」をきっかけに次の「一歩」を踏み出すサポートができたらと考えています!!

実際に3/11の夜のこのイベントから3/13締め切りの未踏ITになんと2人も応募してくれました!実際に提案書の相談にのったりしましたがとてもこの短期間で作ったと思えないほどの出来!
未踏を出そうとしていた人たちにとっても相談できる人の選択肢や切磋琢磨し合う将来の同期と出会うことができるきっかけになっていたらうれしい限りです!

まずは、自分の関わりの深い愛知・学生を中心に、「学生と社会人をつなぐコミュニティづくり(TECH AiCHI: 仮称)」を考えて動いています。
私も今年でM2(大学生としてはほぼ最高学年)となって最近よく思いますが、自分より優秀な人は世の中に多くいるので、私は人生の先を少しいく先輩として、一つのモデルケースを示したり、相談にのったりできる場を作っていきたい。挑戦するのが当たり前という「環境」をTECHCAFEという場や個人的にいろんな方に支えてもらったり、自分でもがいてきましたが、その途中で挫折している人も多くいると思います。
そこを良い意味でショートカットができる「環境」が作れるなら私はそれが作りたい。
もし、共感・助力いただける方がいましたらご連絡いただけると幸いです。

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