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SIGMA 50mm F2 DG DNを体験してみた

 おはこんばんにちは。K-Takaです。
 前回、「SIGMA 50mm F2 DG DNを待望している」という記事を書きましたがリーク通り発表されました。正式名称は「50mm F2 DG DN | Contemporary」。(以下、50mm F2 DG DNと表記します。リンクはSIGMAの商品ページです)4月21日発売ですが、当日は仕事なので22日か23日あたりに購入して早速出掛けたいと思います。
 さてさて、待ちきれない筆者は4月15,16日で行われました「SIGMA Touch & Try at 京都岡崎蔦屋書店」に参加してきました。筆者はど素人ですので、今回の体験記は公平性もなければ専門性もありません。しかしながらこの体験記が悩んでいる誰かの判断材料になれば幸いです。それではどうぞ。

結論:筆者は買います。あなたは?

 結論から言うと、購入します。まぁそれは体験前から決まっていたようなもの。今街スナップに使っている24-70mm F2.8 DG DN Artと比較したらめちゃくちゃ軽いし小さい(それはそう)。

スマホで撮影。
スマホで撮影。

 フードつけた時の感覚も良いです。Artラインのフードの感覚がめちゃくちゃ好きなんですが、それよりも少し固く重い、金属をガチっとする感覚。筆者はI seriesを所持したことがありませんが、一度所持したらクセになるかもですね。絞りリングも85mm Artと同様の心地よさ。
 これは余談ですが、SONY 100-400mm GMのフードは安っぽいプラスチックがギィギィと軋むような感じ。ある意味衝撃です。もう何年も前の設計レンズとはいえ、純正高級ライン30万レンズのクオリティとは思いたくないですね。

 ただ念のため触れておくと50mm F2 DG DN、ネットでは結構不評だったりします。前の記事でも触れましたが、同じSIGMAからはF値にアドバンテージのある50mm F1.4 DG DN | Artが発売されたばかり。Eマウントでは純正GMラインに50mm F1.2やF1.4、焦点距離は違いますがEマウントツァイスレンズにはかなり前のレンズながら評価の高い55mmF1.8がある環境。またMFレンズではコシナからAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalが発売されており、50mm単焦点というのは様々なアプローチを取っても複数の選択肢がある状況。そのなかでこの50mm F2 DG DNはどこまで訴求力があるのか

いざ、I seriesの50mmへ。

 それに対する回答ですが、筆者にとってはかなりストライクゾーンを捉えたレンズです。
 まずF1.4 ArtやF1.4 GMのような大きな単焦点を今求めているわけではなく、気軽でちょっと気取ったようなお写ん歩レンズが欲しいというのがひとつ。「とりあえず持っていくか」に足るコンパクトさが筆者のニーズです。
 かといって3万円で手に入る撒き餌レンズではもう満足できないでしょう。逆にAPO~のようなMFレンズをたしなむほどの”教養”は自分にない。そんな筆者のような人へのレンズではないでしょうか。

 今回は岡崎公園を中心にテストスナップ。筆者は中学時代、野球部に所属していたのですが最後の夏の舞台がこの岡崎公園の野球場でした。この上の写真も含め、これ以降の特筆なき写真は50mm F2 DG DN、開放F値となるF2で撮影しています。ちなみに機種はα7Ⅳ、クリエイティブルックは「ST」初期値です。

F2で撮影。
F4で撮影。
F8で撮影。

 木漏れ日を利用したボケ味のイメージです。絞り羽根を見ても綺麗な円形と感じるのはF2.8ぐらい?まで。F4だとほんの僅かながら角が見え(誤差レベル)、F8でははっきりと角を感じます。ここらへんはF1.4 Artとの棲み分けもあるでしょうから納得。

 次に歪みなどの参考に3枚。一番上はカメラ内の補正をオートにしたJPEG撮って出し。中央はRAW撮影をそのまま現像(レンズ内プロファイルは自動適用されています)。一番下はカメラ内補正をすべて切にしたJPEG撮って出し。
 正直、ここ数年のミラーレス用レンズというのは補正ありき設計が主流ですから、3枚載せておきながら一番上の写真だけ見ていればいいと思います。筆者はRAW撮影メインなので、なるはやでLrでもレンズプロファイルが適用できればいいな。

 さすがSIGMAの誇るゴーストバスターズ。ゴースト・フレアは今日撮影していてほぼ出ませんでした。トレンド的に言えばゴーストやフレアを楽しむ傾向があるので、もし出たとしてもそこまで気にしませんけどね。

 同じ写真を拡大しています。これだけ拡大するの意地悪かなとさえ思いましたが、輪郭は程よいキレとマイルドさ。読者の皆さんはどうお感じでしょうか。

 こちらも拡大。なお上の写真はクリエイティブルック「FL」で撮影しています。看板の文字の立体感がとてもわかるほどの描写力。これも開放F2。
 RAW現像ソフトやソフト系フィルターで描写にデチューンをかけることも多くあります。だからといって描写力が要らないわけじゃない。そんな筆者の欲張りに応えるパフォーマンスでした。

 ピント面の繊細さ、前後のボケ感へのシームレスさが伝わると思います。
 SIGMAの山木社長は、前回の50mm F1.4 DG DN(Art)のオンラインプレゼンで50mmというレンズは「それぞれの会社が、それぞれに威信をかけて、様々な思想で作って(造って・創って)います。」と発言されていました。間違いなくこの50mm F2にもSIGMAの思想・哲学が込められていると感じました。
 また山木社長、今回のプレゼンでは「モノよりはコトの時代。モノよりもコトの経験の方が重要だということをよく言われますが、(中略)ハードウェアが大好きなんですね。良いモノを作りたい。そしてそれを自分達の作る喜びとしたい」と話されていました。SIGMA製品を触れば全くもってこの通りだと誰しもが思えるのではないでしょうか。
 スマホカメラである程度の写真は撮れてしまう時代。そしてスマホで写真を鑑賞する時代。重く大きく不自由なカメラ・レンズというアイテムに価値を付与するというのは難しいことです。I seriesはそれに対する所有欲・持ち出したい欲の挑戦ですよね。おそらくMFレンズのAPO~にも共通すると思いますが、モノよりコトではなく、モノがあるからこそ得られるコト消費があると感じます。

 なにより自社カメラ・レンズを紹介するとき抑えられない社長のニヤけ顔を見ればどれだけ製品が好きで写真が好きで熱い人なのかは一目瞭然です。SIGMAの良いところはそこでもありますよね。

その他作例

F4で撮影。

 50mm F2 DG DNで50mm F2 DG DNを撮影。F4で撮影していますが、ピントは残念ながら迷子。筆者の技量不足。ロマンの塊を前に興奮してしまいました。笑
 CP+2023で45mmかな?の無塗装を実際に触らせてもらいましたが、いっぱい指紋ついちゃって申し訳ないレベルで綺麗でした。幼い頃トミカの図鑑で見た金色トミカみたいな感覚(伝われ)

シメ

 良いレンズです。発売前のレンズがこうして地元・京都で楽しめるのは最高ですね。しかも噂リーク段階で狙っていたものならなおさら。ヨドバシカメラでもレンズつけて体験はできますが、防犯用のアラーム鳴らしたくないなーってどこか気遣いますし、店舗内の光源はアテにしづらいところがあります。やっぱり外に持ち出してナンボかなって。
 45mmや65mmも興味あるのですが、時間の関係で50mmだけ体験して帰宅。実は帰り際に無料のカレンダーまで頂いちゃって、SIGMAさんに感謝感謝です。

 そうそう、強いて欠点を言えば寄れないこと。ただ最短撮影距離45cmは決してウィークポイントとは言えません。マクロを謳わないレンズであれば50mm単焦点の一般的な距離といえましょう。それでも寄りたくなる瞬間に合焦せず「あ、近すぎたわね」って思うことは今日何度かありました。(ただAPS-Cクロップで75mm相当にできるのでヨシ!)
 一応これに対してはSONY純正のF2.5 Gがあります。F値は開放2.5ですがこちらは寄れますし、絞りリングのクリック感もON/OFFできるので動画ユーザーにも向いてますよね。AFロック(カスタム)ボタンもくびれデザインにはみ出す形ですが付いてます。筆者はフードの形が気に入らなくてパス。
 MFレンズでもいいならコシナのAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalも選択肢になるでしょう。このレンズの描写性能で満足できない人も。I seriesと同じく所有感を満たしてくれるレンズといえます。なおその他、アダプターをかますようなオールドレンズ群は今回筆者の比較検討リストから除外しているので言及しません。

 多くのカメラマンが通り、そして語る50mmという焦点距離。50mm単焦点というレンズ。僕はこのSIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporaryでいきたいと思います。

 

それではまた。


 

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