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未来に創りたい「結婚式場の探し方」

今回は、私が考えている未来に創りたい価値について書きます。

私自身ブライダル業界にいながら抱える課題感の一つが「結婚式場の選び方」です。今回は「結婚式場の選び方」についてその歴史を振り返り、私が創りたい【結婚式場の新しい探し方】について書きたいと思います。

【結婚式の歴史】

結婚式の歴史を簡単に振り返ると、結婚式という文化が日本に定着したのは実は戦後のこと。それまでは自宅で結婚式を行うのが普通だった。ところが戦後は戦争により被害を受けた家も多く、自宅での結婚式が困難になってしまった。そこから高度経済成長が重なり、ホテルでの結婚式が一般化したといわれている。特にバブル経済が崩壊した90年代前半、それまで法人顧客相手の一般宴会で潤っていたバンケット事業が、バブル崩壊により需要が減り、ウエディングをはじめとした個人顧客にターゲットを向けたことで一気に広がりました。その後1990年代にはレストランウエディングブームも到来。
テレビ番組「料理の鉄人」の影響もあり、結婚式の料理にこだわる新郎新婦が増え、自由度の高いオリジナルウエディングを行なえる点で人気を博した。そしてこのレストランウエディングの自由度、プライベート性と、専門式場のノウハウを結集したのがゲストハウスであり、現在の結婚式場の大半がゲストハウスに属しています。

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【結婚式場の探し方の歴史】

今では「結婚が決まったらゼクシィ」というフレーズが当たり前になっている『ゼクシィ』の創刊は、1993年にさかのぼります。当時は結婚式場に関する情報など出回っておらず、結婚が決まったカップルは、結婚式場相談所を訪れるのが一般的でした。そこでは、いくつかの定型化されたプランに基づき、恣意的にホテルや式場を紹介される。かつ、結婚式場相談所との関係性が深いホテル・式場を優先されるというケースも少なからずありました。『ゼクシィ』の創刊は、こうした業界構造を大きく変えました。「自分たちで、決められる」「自分たちで、選べる」そんな世界を目指して、カップルが知りたいことを徹底して記事にしたり、さまざまなカップルの結婚式の事例を特集したりとカップル主体で結婚式を考えられる世界が拡がっていきました。顧客目線でマーケットにオープンな新しい風をもたらしたゼクシィという媒体は業界を大きく変えることになりました。

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【未来に創りたい「結婚式場探し」の価値】

結婚式場の歴史、結婚式場探しの歴史からも1990年代のゲストハウスウェディングの登場からゼクシィの創刊により、業界の変化=カップルに提供できるサービスの変化が大きく変わっていきました。ゼクシィには結婚式場のハード情報が掲載され、カップルは自分達好みのハードを持つ式場に訪問する。そこで式場プランナーもハード情報の詳細を中心にプレゼンテーションし、決定を誘致するという流れに。その後は、結婚式場のハードレベルが一定化していき、ハード情報だけでは優位性を保てない会場が増えてきたため、結婚式当日をリアルにイメージしてもらえるような会場装飾や試食、ドレス試着などの体験を提供し、決定を誘致するようになった。ゆえに、【ハコ(会場)で選ぶ】→【コト(体験)で選ぶ】へと変化してきました。現在に続く結婚式式場探しの中で、どこか結婚式は会場の優位性や会場で行える体験の優位性が大切で、それにより素晴らしい結婚式が叶うと思われガチになってしまっています。ですが、間違いなく言えることは【結婚式はプランナーのスキルや経験、想いのレベルで満足度が決まる】ということです。全国様々な結婚式場があり、どこも運営できている以上素晴らしい会場と体験を提供されています。結論、どの会場で結婚式を行ってもハコやコトの体験レベルは大きく変わりません。ですが、プランナーのスキルや経験、想いには会場毎、またプランナー毎に差があります。だからこそ「どこでやるかより誰とやるか」の方が圧倒的に重要なのです。実際にカップルが式場探しを進める中で、ブライダルフェアへ参加する前段階では結婚式場選びにおいての重要項目に「プランナーを含むスタッフ対応」は挙げられていないのに対し、ブライダルフェア参加後のカップルに結婚式場選びにおいての重要項目を聞くと「プランナーを含むスタッフ対応」が上位に入ってきます。式場探しを進める中でお客様も「誰に任せたいか」が重要だと気付くのです。ここで私が考える、カップルが抱える問題が「お客様はプランナーを選べない」ということです。カップルがヒトで選ぶべきと気付いてもプランナーを選ぶことはできないし、どんなプランナーが結婚式場にいるのかすらも調べる手段がないのが現状です。これでは本質的に安心して結婚式場を決定することはできません。だからこそ、これからの式場探しに【ヒト(プランナー)で選ぶ】という選択ができるプラットフォームを創るべきだと思っています。これには広告媒体や結婚式場などブライダル業界全体を巻き込んで進めていかなければなりません。

是非共感する仲間を集め、結婚式をするカップルの満足度を高め、プランナーもお客様も共にハッピーな式場探しの価値を提供できたらと思っています。長くなりましたが、最後まで読んでいただいて有難うございます。

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