落ち着きを感じる部位 34/45
この記事からの流れです ▼▼▼
今日取り上げるのは、楔前部。
このあたりです ▼▼▼
この部位も角回と同じように、自己言及的な思考に深く関わっています。
特に、自分自身の身体の『マップ』を持っている箇所とも言われていて、視覚情報を記憶に結びつける働きをします。
別な表現をすると、『今』『ここ』に深く関わる部位。
「生きている」という実感を感じさせてくれるところなんですね。
一方、アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβがたまり始める部位でもあります。
つまり、「思い出せない」という現象は、視覚情報と記憶が結びつかなくなることなんですね。
そして、右半球の楔前部は幸福感との関係も指摘されています。
自己言及の中でも、特に「自分を責める」働きを持っているため、この部位の安静時活動が低い人ほど幸福感が高い(=気持ちが落ち着いている)ということらしいです。
また『活動のアイドリング状態』とも言われる『デフォルトモードネットワーク』にも関係していて、創造的活動の源泉ともみなされています。
ちなみに、上記の記事の中には「コーヒーを飲んで一息ついているとき」という描写が出てきますが、脳の機能的には『コーヒー』っておもしろいんですよね。
常々、「興奮作用のあるカフェインを飲んで、なぜ落ち着くのか」不思議だったんですが、興奮するから脳の処理速度があがり、まわりの現象が遅く感じられる。
それを人は「リラックスしている」とみなすようです。
たぶん、喫煙も同じ現象ではないでしょうか。
これまた逆説的でおもしろいですね。
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