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【「まち」と関わりのあるSDGs 第三回】

こんにちは、こんばんは、おばんです。



秋の実りに出会うことが多くなりました。
町の方から栗をどっさりいただいて、さあどう食べようかと思案してます。
さて、第三回目となった今回は、17個あるゴールのうち、一つを取り上げてみます。

★★■陸の豊かさは守られていない??■★★
ここ岩手町はもちろん、岩手県は非常に森林が豊かです。
岩手町の森林率は約75%。
岩手県の森林率は77%で、森林面積としては北海道に次ぐ全国第二位と、非常に広い森林を持っています。

もちろん、里山の担い手が減っていて森が荒れてしまっている、であるとか、農産物や人への鳥獣被害が増えた、などの問題はあります。

しかしながら日常的な感覚としては、「この国には豊かな大地があるなあ」と思いながら暮らしている今日この頃。
それでも、SDGsのゴール15番目「陸の豊かさも守ろう」の日本における達成度は、赤、つまり「主要な課題が残っている」という状態です。しかも、2021年達成は前年2020年と比べて悪化しているのです。

「ええ、森や緑に囲まれた山がこんなにあるのに!?」と思ったので、SDGs達成の指標についてちょっと調べてみました。

SDGsには17個のゴールがありますが、それぞれのゴールにはターゲットが定められています。

SDGsのゴール15番目「陸の豊かさも守ろう」では、
・多様な生物が生きていくことができる森林面積を保全する
・植林をして森林面積を広げること、森林減少を食い止める
・陸に生きる絶滅危惧種を保護する
・動植物の密猟や不正取引をなくす
・外来種対策をする
他には砂漠化を防止することや、国や自治体の政策に生態保全を組み入れることなど、12のターゲットが定められています。

そしてそれぞれのターゲットには、森林面積や生態保護区の割合、密猟や野生動植物の不正取引数削減などの指標が定められていて、それらがどの程度達成されているか、毎年評価をされます。

日本では国土の65%と森林面積は大きいです。
ところが陸域の国定公園、国立公園などの保護区となると、国土の20%となり、指標として計算されている40~60%という割合には遠い、という評価になってします。
また保護区の設定も例えばとにかく高山帯で保護区に、というものではなく、川や人が住む場所に近い森など、様々な条件で広く設定されていなければなりません。

自然を守るために人間活動を控える地域として設定されるのが自然保護区、という定義になり、日本ではこの部分の取り組みが遅れています。
これは絶滅危惧種に対する保護の取り組み、という部分にもつながります。
事実、日本ではレッドリストに載ることになった陸生動植物の数が増えてしまい、達成度が低い、という評価になってしまっています。

★★■では、どうしていくか??■★★
食料生産のために農地の確保や、保護区の設定、となると国や自治体が関わる部分も大きいですよね。
動植物を保護することも必要ですが、鳥獣被害を放っておくというわけにもいきません。
陸の豊かさを守る、と一概に言っても、そこには様々な人や組織の協働や調整が必要になってきます。

もちろん、山や森に入ったときにごみを出さない(⇒森林の保全)、育てられなくなったからと言って不用意にペットや外来植物を外に捨てない(⇒外来種対策)、植林活動に参加する、など個人でできる取り組みもありますし、「人工衛星を使って違法伐採や密猟を取り締まる製品を作っている」という企業に投資をする、など、「自分では環境保全活動はできないけれど、そこに関わるプレイヤーを応援する」といったことも一つです。

SDGs未来都市となった岩手町でもSDGsを意識している農業家や、持続可能な林業への取り組みなども始まっています。そのような取り組みを知る、ということも「陸の豊かさ」につながっていきます。
SDGsを達成するには、最終的には各個人や企業、政府が一体となって進めることが大事ですが、まずはおのおので行きたい方向性や興味などから始めることが、はじめの一歩になると思っています。

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