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■◇かぼちゃけっこの調理体験をしてきました◇■

岩手町の食の匠から郷土料理を学ぼう第二弾。
今回は「かぼちゃけっこ」です。

「けっこ」というのは、この辺りの方言で「おかゆ」を指す言葉です。
かぼちゃの「けっこ=おかゆ」でかぼちゃけっこ。

材料はいたってシンプル。

・米
・かぼちゃ
・小豆(固く炊いたもの、今回は赤飯用の缶詰を使用)
・ザラメ糖
・塩

作り方もシンプル。

1. 米を研ぐ
2. かぼちゃを切る
3. 米とかぼちゃと小豆、ザラメ糖を水に入れて煮る⇒おかゆをつくる
4. 塩で味を整える

以上です。

材料も調理も簡単ですが、栄養もバッチリです。

・米⇒糖分
・かぼちゃ⇒ビタミン類、食物繊維
・小豆⇒タンパク質、ミネラル分、ビタミン、ポリフェノールなどなど

かぼちゃと大豆のほのかな甘味と煮込んだおかゆが体と心を温めてくれる、とっても優しい料理です。

米も大豆もかぼちゃも、秋に収穫して貯蔵しているもの。
まだまだ暖房が発達していない時代、秋から冬にかけて、特に寒い時期に食べたそうです。

前回の「ぬっぺい汁」はどちらかというと「大勢で作って、大勢で食べる」ものでしたが、「かぼちゃけっこ」は家庭料理に近いですね。

秋が終われば農作業はお休みですが、冬にはカゴやホウキなどの日用品、炭などの燃料を自分たちで作ったそうです。

白い息を吐きながら男の人が黙々と手仕事をしているときに、奥さんがかぼちゃけっこを持ってくる。
男の人は作業を手を止めて、奥さんから暖かいお椀を受け取り、外の雪を見ながらかぼちゃけっこをすする。
そんな光景が浮かびます。

寒い寒い納屋で作業していたその時に、あたたかい栄養たっぷりの「かぼちゃけっこ」を食べると、「温まって、さてもう一仕事」という気になりますね。

郷土料理というのは地元の食材を使うのはもちろんですが、どんな時に食べていたのか、なにを目的にしていたか、によって調理方法や材料も違ってきます。

料理そのものの味はもちろん、食べているときにどんな景色があったのか、それを想像するのが楽しいです。

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