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【「まち」と関わりのあるSDGs 第四回】

こんにちは、こんばんは、おばんです。
日に日に寒さが深まっていますが、木々が紅葉を始めましたね。

★★■文化や伝統は持続可能なまちに必要か?■★★
岩手町は、たくさんの伝統芸能があり、お祭りも盛んです。
県内で唯一の町営美術館、石神の丘美術館があり、石彫が盛んな土地でもあります。
過去には、海外から石彫のクリエイターが集まって町内で作品を作る、という大きな催しがあったとも聞きます。
さらに、町には「音を楽しむ会」など、音楽をやっている方もたくさんいらっしゃり、岩手町は伝統や文化に対して思いの強い地域です。

ところが、伝統芸能やお祭りは少子高齢化で担い手も減り、音楽家の発表も場も少なくなっています。
「今の世の中、娯楽はたくさんある。わざわざ町内でやらなくても、芸術や音楽に触れられたいなら盛岡に行けばいい」という声も聴きます。
うーん、一理ある。私も、盛岡の県立美術館に行ったり、大きなホールに音楽を聴きに行ったりします。
さらに「芸術や文化は金にならない。まちを潤すためにはもっとやることがあるだろう」という意見もあります。確かに農業などの産業と比べるとそうかもしれません。

ですが、果たして本当にそうなのでしょうか。
ステイホームで、音楽をやろうという人が増え、楽器の売り上げが伸びているそうです。
このコロナ禍、「某大正時代の剣士たちが鬼を退治するお話」は記録的な売上をたたき出しました。
現代社会では、人は役に立つもの以外にも、娯楽や癒し、体験など、感情を揺さぶるものにお金を払う傾向があります。
音楽フェスをすればたくさんの人が外からもやってきて、地元にお金を落とす機会にもなります。コロナ禍での開催の是非はありますが、話題になるということはそれだけ注目を集める分野である、ともいえます。

もちろん、すべての文化や芸能がお金になるわけではありません。
むしろ、制作や実施に多大なお金がかかってしまい、収支としては大きなマイナスになってしまう、という面はあると思います。
しかし、岩手町の子供たちは伝統芸能をやることによって町の歴史を学ぶ、と聞きます。
また、お祭りのときは準備から実施まで、地域の人々が世代を超えて一丸となります。
そこで世代間の交流が生まれたり、会合で地域の伝統料理が作られたり。コミュニティの形成に大きな役割を果たしている、という面もあると思います。
逆に言うとそれらがなくなってしまうことで、地域をつないでいたものが途切れてしまう、という事象が起こります。

まちづくり、というとすぐに効果が出るものが求められがちです。
しかしながら、この町に暮らしている人々に話を伺うと、一見お金にならないことでも地域を結び付けたり、世代を超えて楽しんだりすることで日々の活力を生み出している、と感じることがたくさんあることに気が付きました。

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