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第1話 癌の発覚

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【予兆】

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自分の身体が癌に冒されていると知ったキッカケは、ほんの些細な事だった。これを読んでくれている皆さんに注意喚起する意味でも、まずはボクが癌に気付いた小さな予兆から話をし始めようと思う。

ある日、勝手知ったるAVの撮影現場で、急に台詞が上手く発声できなくなり、「あれ?」と自分の身体に疑問を感じた。
ボクは現役AV男優の中でも特に長く仕事を続けて来た人間だが、これまでのキャリアの中で、あの日ほど声がかすれたり、語尾が裏返るといった経験はした事がなかった。

それに加えて、胸の辺りに「キュ~~」っとした強い痛みがあり、それが何度もぶり返し、直感的に「これは何かマズイぞ」と感じ取った。

そうした症状を、仲の良い大島優香というAV女優との雑談の中で打ち明けたところ、「お願いだから絶対に病院に行って欲しい」と強く勧められ、何故か素直にその言葉に従う気になれた。

普段なら、あまり女性とそんな話はしないし、性格的に男女関係なく他人の言う事など殆ど聞かないのだが、その時は本当にたまたま「優香ちゃんがそう言うなら医者にかかろうかな」と思えたのだ。

その時に限ってどうしてそう思えたのかは分からないが、あれが巷でよく言われる第六感的なものだったのかもしれない。


【命がけの医者ガチャ】

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その現場から2日くらい経って、まず呼吸器科に行く事にした。声が抜けるというのがその時の自覚症状だったからだ。確か2020年の3月9日頃だったと記憶している。

ところが、呼吸器科の診断では肺にも心臓にも異常がなく、挙句に「耳鼻科に行った方がいい」とまで言われる予想外の結果となった。
だがその時は「耳鼻科じゃない」「何もない訳がない」という強い確信があったため、改めて別の医者の診断を仰ぐ事にした。

次に訪れたのは普段何回か通った事のある内科で、そこで「しばらく胃カメラをやっていないから試しに見てみよう」という話になったのだが、カメラを入れるや否や、あっさりと胸の辺りに ”絵に描いたような癌” が見付かった。

呼吸器科では「思い過ごしだ」くらいの診断結果だったのに、掛かり付けの内科に診て貰った途端にこれである。ボクはこの期に及んで医者選びの大切さを思い知らされた。

皆さんも一件の診断結果で納得せず、自分の身体の事なのだから、自分の直感を信じて、納得のゆくまで色々な医者に診て貰った方がいい。どうせ保険適応なのだから、存分に ”医者ガチャ” を回すべきである。

さて、この内科医はすぐに紹介状を書いてくれ、大きな病院で診察した結果、食道癌のステージ4と診断された。

しかし、ボクの場合はそれだけでは済まなかった。

喉の辺りにも違和感があったため、再度鼻からもカメラを入れて診察して貰う事になったのだが、そこでも癌が見付かり、こちらも進行癌であると判断されたのだ。

しかし、その病院ではこれ以上の診察をするのに設備も専門医も充分ではないとの事で、「次は癌の専門病院で診察した方がいい」とアドバイスを受けた。

これが3月24日の話で、この時点でAV現場で違和感を自覚してから、2週間ほど経過していた。


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AV創成期より活躍して来た伝説のAV男優『沢木和也』彼はいま、病魔に冒され自身の人生の終活を行っています。その一環として、生い立ちからAV業界についてなど、沢木自身の言葉を本としてまとめ、出版するプロジェクトが立ち上がりました。この書籍化が成功するよう、皆様のお力添えをお願い致します。

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