短文雑記 - 11 Dec. 2022

土日は採用選考の面接がないので、心を落ち着けて過ごすことができます。

先週の面接を振り返り、「あのとき、質問にどう切り返せばご満足いただけたか」を考えています。

すると、だんだんモヤモヤした気持ちが湧き上がってきました。

面接官が満足する気の利いた返答とは…。

やまなみ工房をテーマにした展示をご覧になったことはあるでしょうか。

その中の、「サッポロ一番 しょうゆ味」と聞いてピンとくる方もいるかもしれません。


やまなみ工房の施設で暮らす、酒井さんという方は、20年間、一日の多くの時間を「サッポロ一番 しょうゆ味」を触って過ごしています。

インスタント麺であるサッポロ一番を袋の上から指で触り、その感触や音を聞いていることが刺激を受けています。
食べるわけでも、袋を開けて中身を確かめるわけでもなく。

しかも塩ではなく、しょうゆ味にこだわっています。
そしてその袋に、おそらくスタッフの方が日付の書かれた付箋を貼り、今では8000個を超えるサッポロ一番を保管し、作品となっています。


捉えようによっては、賞味期限の切れただろう、サッポロ一番は単なる食べられず捨てられもしない即席麺ともなり得ます。
しかし、やまなみ工房の酒井さんが触り、酒井さんの心が通った、意義のあるものだからこそ作品として成り立っています。

酒井さんにとっては他に代え難い、唯一の存在がサッポロ一番 しょうゆ味なわけです。

価値観や、何を尊く感じ、これからも共にしたいと思うかは人それぞれです。

また、酒井さんの生き方を尊重するも、ただ即席麺しか触ってない人生だと軽視するも、受け手側次第です。

私の人生、経歴は他の誰もが完全に真似することができず、私が苦労したり、時には楽をしながら歩んだものです。
それを他人に「典型的な良い人生」だと思ってもらう必要があるのか、人生のどの点において価値のある瞬間だと思うかも人それぞれだと思います。

私はこれまで人から賞賛されるような人生を送ってはいませんが、自分のやってきたことには自信と責任感を持っています。
客観的に見た、出来事の大小では無いのではないでしょうか。

就職の面接でモヤモヤすることというのは、こういうところにあるのではないかと考えています。

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