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ロンドンでデザイン留学生が飛び込み営業する(デザイン留学Advent Calendar 2019, 12/13)

ひとりデザイン留学アドベントカレンダーだった連載13日目の記事です。もうアドベントでも毎日更新のカレンダーでもなくなってますが。

今回は、ロンドンでデザイン学生をしている自分が現地でプロジェクトのために飛び込み営業をしたときのことを書きます。

飛び込み営業の必要性

デザイン/アート系学生は、プロジェクトによってはリサーチ段階からターゲットユーザーとなる層を巻き込んだり、ある程度成果物が出来てから実地テストをしたり、Documentation(記録)の一貫として学外で撮影したりしなければならないことが多々あります。知り合いづてで対象のコミュニティーと繋がれれば楽なのですが、留学生の場合ネットワークが弱く繋がりが見つからないことも多々あると思います。そうなった場合、自身のプロジェクトを持って営業をしなければならなくなります。

私の場合は提出課題と映像出展のために学外で撮影をしなければならず、プロジェクトがアパレルショップでの体験にフォーカスしていたことから現地の服屋さんに片っ端から飛び込み営業をしました。そこそこ人見知りな上に語学がボロボロの自分にはこの泥臭い作業が結構しんどかったです、、が場数を踏んで慣れました。


おおまかな流れ

これは私が飛び込み営業していた時の大まかなフローです。順番は変わったりします。

1. お店スタッフの方に、マネージャーなど決定権を持っている管理者がいるか確認する。

2. 管理者、いなければ対応してくれたスタッフに、自己紹介をする。

3. プロジェクトのざっくりした概要と具体的にお願いしたいことを伝える。

4. 興味を持ってもらえたら、写真や動画などを見せながら詳細を話す。

5. 管理者の連絡先を教えてもらい、後で改めて詳細情報を送る。


飛び込み営業して感じたこと


大体みんな話は聞いてくれる

私はロンドンでしかこういった営業的なことはしたことがないですが、私のつたない英語でも、ほぼ確実にみんな上記3番まで話は聞いてくれます。50店舗くらい回って軽くあしらわれたのは1度だけでした。みんな意外と優しいです。


そこがダメでも次の候補を紹介してもらえるかもしれない

結構多かったのがこのパターン。「同じ通りのXXXXってお店は、そういう話興味ありそう。」みたいな感じで紹介してくれました。ほぼゼロベースの私には、そういった同じ地域・業界の人らしか知らない情報がもらえるだけでもとても助かりました。


大きいお店には直接は当たらない

当たり前なのですが、チェーン店などは店長に話してもほぼ確実に「自分には決定権がない。」と言われます。そういうところに尋ねる場合は、先にウェブサイトから問い合わせたりした方が良いです。それでもお店の人は話は聞いてくれるし、どこに問い合わせれば良いかも教えてくれたりします。みんな本当に意外と優しいです。


オフラインで見せられる動画を用意しておく

語学に関係なく言葉のみで短時間にプロジェクトの説明をして初対面の相手に内容を理解してもらうのは難しいです。上の4番でも書いていますが、iPadなどに予め作品に関する動画や写真を入れて見せられるようにしたほうが良いです。

また、オンラインソースだとアクセスしたり読み込んだりで時間をとってしまいます。奥まっていて電波の弱いところだったらアウトです。確実性のためにもオフラインで見せられるようにした方が良いです。


話に乗ってきたらその場で次のアポを確保する

私がこの飛び込み営業をしていてよくあったのは、話したときは「めちゃクールじゃん!コラボしよ!」とノリノリだったのにメール送っても返事来ないパターンでした。(かなり後になってメールが返ってきたところもありましたが。。)

4の段階でマネージャーなどからポジティブな返答をもらっていても安心せず、簡単なテストや1つ前のプロトタイプを対面で確認してもらうなど理由は多少こじつけでも良いので、とりあえず次会う時間を可能な限り近い日程(出来たら即日)ですぐ確保するところまで話を進めれば、状況はもっと良くなったんじゃないかなと反省しています。


お金

最後はやっぱりこれだと思います。いくら払うという話をしてから話を聞いてくれる人は多かったです。

参考として、相場が分からなかった私はプロジェクトの費用として容認できる£500を場所代として払うと言っていました。(おそらく比較的高め。)ちなみに同じく撮影で古い教会を借りたクラスメイトは2日で£600払っていました。


最後に

私は飛び込みを始めるまではだいぶ尻込みしていましたが、一応話は聞いてくれるので2・3回やったらすぐ慣れました。

デザインやアート関係のプロジェクトはつい籠もって制作作業にフォーカスしてしまいがちですが、実際に機能するものが出来てきたらぜひ協力的な関係者を探して検証や記録化をしてみるべきだと思います。


Illustration:
Copyright 2019 MicroOne
https://depositphotos.com/portfolio-7781012.html


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