倉持麟太郎

1983年東京生。慶大法学部卒業、中大法科大学院終了。2012年弁護士登録(第二東京弁…

倉持麟太郎

1983年東京生。慶大法学部卒業、中大法科大学院終了。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。日弁連憲法問題対策本部幹事、弁護士法人Next代表弁護士。TOKYO MX「モーニングCROSS」朝日新聞『論座』レギュラー執筆者。著書に『リベラルの敵はリベラルにあり』(ちくま新書)

最近の記事

『権利の情況』~この訴訟が向き合い、また乗り越えるべきもの~コロナ特措法違憲訴訟「意見陳述要旨」

1.本件訴訟が向き合い、また乗り越えるべきもの 原告訴訟代理人弁護士の倉持麟太郎です。 今日は、簡潔に、本訴訟でこの法廷にいる法曹関係者全員が向き合い、そして乗り越えるべきこの国の「権利の情況/ the circumstances of rights(権利とそれを取り巻く環境)」について意見陳述いたします。 本訴訟は、コロナ禍で露呈した日本社会の様々な次元での脆弱さを問うとともに、日本国憲法が生きているのかを問う訴訟です。 日本国憲法を支える大きな柱が二つあります。人権

    • “Japan 2021, The Ambiguous and Myself” @Foreign Correspondent’s Club of Japan

      ● Opening My name is Rintaro Kuramochi, and I am the lead attorney representing Global Dining Inc. (“Global Dining”) in the lawsuit to sue Tokyo metropolitan government that its order against Global Dining to reduce its business hours and t

      • 『2021年、あいまいな日本の私』@外国人特派員協会

        ●はじめに  今回はこのような機会をいただき誠にありがとうございました。  私は3月22日に、東京都が原告であるグローバルダイニング対して発出した営業時間短縮命令とその根拠となるコロナ特措法が違憲・違法であるという訴訟を提起した弁護団の団長です。 今日は、私たちが何と戦おうとしているかを、いわゆる法的論点とは違った切り口でお話したいと思います。  このプレゼンテーションは4人のナビゲーターに登場してもらいます。日本を代表する作家、夏目漱石、川端康成、三島由紀夫そして大江健三郎

        • 特措法改正に補償が必要ないのは「内在的制約だから」という誤り:過剰規制としての”一律”時短要請

          内在的制約とは何か今回の特措法審議で、西村大臣が改正特措法で命令&罰則をもって店舗に時短や休業をさせることは「事業活動に内在する制約であるということから、憲法29条3項の損失補償の対象とならない。」と答弁しました。 内在的制約というのは、すごく雑ぱくにいうと、人権も無敵かつ絶対無制約ではなくて、人権と人権がぶつかったり人権と社会的公益がぶつかったときに、制限されて調整される、そういう制約が人権には内在している、ということです。 今回は、飲食店を例にとれば、飲食店の営業の自

        『権利の情況』~この訴訟が向き合い、また乗り越えるべきもの~コロナ特措法違憲訴訟「意見陳述要旨」

        • “Japan 2021, The Ambiguous and Myself” @Foreign Correspondent’s Club of Japan

        • 『2021年、あいまいな日本の私』@外国人特派員協会

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          新型インフル特措法等の改正を読み解く3つの視点

          【新型インフル特措法改正で何が変わるのか】  去る1月8日、緊急事態宣言が発令された。筆者は、昨春に改正された新型インフルエンザ特措法(以下「特措法」という)による緊急事態宣言には法的な不備が多すぎるため、弁護士やジャーナリストら有志で慎重な運用を求める声明を発出したところである。  1月18日から開会される国会では、政府から現状のコロナ禍に対応して特措法及び関連法制の改正法案が提出される見込みとなっているが、今般明らかになったこの改正法案の方向性(「新型インフル特措法改正

          新型インフル特措法等の改正を読み解く3つの視点