働き方改革、というより生き方改革

7月はほんとうに忙しかった。
月末締め切りのネームと、昼の仕事のピークが見事にバッティングしてしまった。

結果、ただの徹夜明けの吐き気ではすまない体調不良を3週間も引きずる羽目に。
仕事を休み、食事をキャンセルし、遊びをキャンセルした。
みんな、ゴメン…!

昼は仕事で大量のタスクをこなし(でも意地でも定時に帰る)、夜はひたすらネームを考える。
そしてネームが思いつかない自分を呪いながらベッドに入る生活。
ベッドに入っても2時間眠れない不眠症状、出勤すると必ず吐き気に襲われ、外を歩くだけで発熱し、少し喋れば息が上がる。
けれども締切は待ってはくれないので、症状が落ち着く深夜にひたすらネームを考える。
この繰り返し。
結果的に、だいぶしっかり身体を壊してしまった。

7月〜8月頭は昼の仕事が忙しいのに、さらにネームを抱え込んだ状態なのだからそんなもん絶対にムリだったのだ…。
(ちなみにネームはボツだった)

こんなことではいけない。
僕は、働き方改革を行うと決意した。

具体的には、「夜型人間から朝型人間に変わる」と。

現状、僕は副業(マンガ)を本業にしようとしている立場だ。
昼は生活のための仕事がある。生活を守るのは大事なので、おろそかにはできない。
しかし、マンガ家として生活することを望む以上、重要なのはマンガに当てる時間をいかに確保するかだ。

効率よくマンガを作るには、「脳が一番元気な朝の時間をマンガに使う」のが一番良いだろうと判断した。
ということは、出勤前にまとまった時間を作らなければならない。
つまり「朝型人間」になるということだ。
でも今の僕は、深夜4時に寝て朝11時に起きる「スーパー夜型人間」なのだ。

もはやこれは「働き方」というより「生き方」そのものを変えなければいけないらしい。

思えば、僕の人生は常に「締め切り追い詰められ人生」だった。
朝は遅刻ギリギリまで寝る派。
夏休みの宿題は8月31日までやらない派(そして終わらない)。
課題や原稿は締め切り前日に徹夜する派。
テスト勉強はもはやしない派だ。

これを「前倒し人生」に変えなければならない。
スーパー夜型人間である僕が早起きするにはどうすれば良いだろうか?

手がかりは「朝ゲーム」だと思う。
小学生の頃、どうしても学校に行く前にポケモンの新作がしたい僕は朝5時に起きてゲームをしていた。
これだ。
早起きするには「理由」が必要なのだ。

わざわざ早起きしてまでやりたいこと。

「マンガ」は「早起きしてまでやりたいこと」に入るだろうか?
…正直、自信がない。
なんせ10年も描いてきて、大した結果も出ていないことを、新たに早起きしてまで作りたいというモチベーションが自分の中にあるだろうか?
その熱は、残っているだろうか?

たぶん、無理だ。
今までの作り方では。
今まで作ってきたものは、周りから評価されそうなもの、賞に引っかかりそうなもの、そういう基準で作ってきたような感じがする。
エゴが足りない。
ワクワクしない。
それでは無理だと思う。
そんなのでは、僕は明日もギリギリまで寝る。

…だからこそ、自分が本当に面白いと信じるものでなければ。
描くのが楽しみ、作るのが楽しみ、読んでもらうのが楽しみでなければ、わざわざ早起きなどすることはできないだろう。

だって、人間は変化を嫌う動物なのだから。

人間の本能を超える楽しみが生まれなければ、僕は明日も惰眠を貪るだろう。

大学入学以降、超夜型生活を続けてきた男が早起きするということは、生き方を変えることと同義である。

覚悟が、問われている。



ちなみに今日は9時半に起きる目標だったが、実際は10時に起きた。
…道のりは遠い。

あとなんか昨日読んだ記事が刺さったのでリンクを貼っておく。
三宅香帆さんは面白い書評を書くので好きだ。ドルオタという共通点もある。
https://www.e-aidem.com/ch/listen/entry/2021/11/05/103000

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